STEP5:国債発行がどうやって私たちの資産を増やすのか…その仕組み
銀行預金というおカネが、日本銀行の通貨発行とは関係なく、借り入れによって生み出される…っことは、イメージがついたかと思います。
それでは、国債がおカネの発行になっているとは、具体的にどういう仕組みをいっているんでしょうか!?
それは、今回の、10万円の給付金を思い出してください…
あれは、12兆円くらいの、新規国債発行を原資にして、みなさんに配られました。
結果だけみれば、新規国債発行がみなさんの預金を増やしていることは疑う余地はないと思います。
では、どういうプロセスなのか…結論からいうと、下の図をみてください…
この図のプロセスを、メチャクチャくだいて、カンタンに説明すると、つぎの通りとなります。
①政府は新規国債を12兆円分発行して、民間銀行に買い取らせ、『日銀当座預金』という特殊なおカネを手に入れます。
②お役所の審査が終わった順に、その人の口座に、銀行が10万円のおカネを信用創造します。
③その後、政府は①で手に入れた『日銀当座預金』で銀行に対して決済していきます。
こうして、みなさん国民には10万円のおカネという資産が、あたらしく生まれていきます。
その合計が12兆円ということです。
ここで、はじめてでてきた『日銀当座預金』ですが、これは、政府と民間銀行と日本銀行だけがつかえる、特殊なおカネなんです。
わたしたちがつかっているおカネを『外部貨幣』といいます…だれでもつかえる一般的なおカネのことです。
それとは別に、政府と民間銀行がおカネをスムーズにやり取りするために、日銀当座預金があります…これを『内部貨幣』といいます。
日銀当座預金は、一般人にはもつことができません。法人である銀行と、日本政府と、日本銀行だけです。
ここで、気づいてほしいのが、よくこういわれますよね!?…
「政府が国債発行すると、その分、わたしたちの資産が減る…」
これはウソデタラメなんですね。
先ほどの図のとおり、政府が国債発行して借りるおカネは、日銀当座預金という特殊なおカネで、わたしたちは使うことができません。
つまり、どんなに政府が国債発行しても、国民の預金が減ることはないってことです。
むしろ、給付金のように、全体では増える結果になっていきます。
それでは、なんで、政府の国債発行残高は増えているのに、わたしたちの資産は、なかなか増えないんでしょうか?
それは、さっきの『銀行預金』というおカネに秘密があります。
さあ、次のSTEPにすすみましょう。