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ざまぁ失敗テンプレ転生悪役令嬢はもがく  作者: 佐藤なつ
幽閉の園

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アレソレドレ


楽しいフリをして使用人達や時に陛下とするお茶会。

気を遣い過ぎて心身共に休まるどころか、疲労が溜まるばかり。

疲労MAXで隣国訪問の為の馬車に乗り込み、街頭パレードもどきが済んだら、陛下も私も無言で眠りこけました。

多分口開いて涎垂れていたかもしれませんが陛下は何も言いませんでした。

陛下?陛下は寝てる時もきれいでしたよ。

薄く口開いてるのも色気づいてました。

乙女ゲー的要素は一生涯続くのかと思いましたが、眠気の前にはどうでもいいことです。

睡眠>陛下でしたから。

チラと見てクッション抱いて寝入りました。

久しぶりにぐっすり寝て、ハイテンションになった所に、思ったようにイベントが起き、良いタイミングで元王妃一派が動いてくれて、元攻略対象者達が顔だけの存在じゃなかったと改めて思うほどの動きをして、無事制圧←今ココです。

問題はこの後なので、早く次の作業に移りたいのですが、感極まった主人公が私から離れません。

これはちょっと困ったな。

と、思っていると、

「疲れただろうから休むといいよ。」

なんて言いながら陛下が主人公を引き離しました。

陛下が主人公の肩を抱き、今までの苦労に対して延々と労い始めました。

かつてのゲームの時を思い出させる程の甘さです。

学校卒業後は青すぎて、恋愛守備範囲外通告をされた陛下ですが、今はもう26歳です。

もう主人公の射程範囲に入ったかもしれません。

範囲に入っても今の彼女には捕獲できないかもしれないな。

まずリハビリからだな。

カリカリの限界彼女を働かせておいてなんですが、そんな事を思って気を紛らわせていると、沢山の足音が聞こえてきました。

重い音をきしませて謁見の間の正面扉が開きます。

そこには元攻略対象者の父達を除いた重臣達が勢揃いしていました。

皆一様に驚いた顔をしています。

異変が起きていることに気づき何が起きているか確認に来たのでしょう。

とは建前で、元王妃一派が政権を取ったらおもねるつもりで来たのでしょう。

それが、拘束され陛下に見下ろされているのですから戸惑うのも当然です。

しかし狸たちは立ち直りは早かった。

「これは、どういうことですか?」

戸惑った顔をしたのはほんの数分で重臣達が口々に言い始めました。

「陛下はどうしてここにいらっしゃるのですか?しかも”ソレ”は。」

”アレ”の次は”ソレ”です。

「もしや、”ソレ”を連れ出して・・何をなさろうとするおつもりですか?」

未だ嗚咽だけを漏らす主人公と陛下にに疑いの目を向けています。

確かに、この瞬間だけ見ると、言われても仕方がないかもしれません。

弱った主人公を陛下が支えているのですから。

陛下はきっぱりと

「元王妃が主導し、クーデターを企てた。それを制圧する為、被害を最小限にするために必要な手段をとっただけだ。」

と、言いました。

「まさか。クーデター・・なんて。」

ざわざわと言い出します。

「証拠は?」

「こちらで押さえている。」

「どんな証拠ですか?」

「今、ここで言う訳にはいかない。」

陛下は、微塵も表情を変えません。

重臣達は自分の同僚が拘束されていることに不満気な空気を醸し出しています。

陛下はそれにも動じません。

こういう所は支配者としての教育をしっかり受けてきたのだと感心させられます。

「それが本当だとしても、罪人を連れ出されるとは。」

「再び暴走したらどう責任をとられるおつもりか。」

「この国がどうなっても良いとお考えで?」

「やはり、隣国に行かれて里心がおつきになったのでは?」

「この国を隣国に差しだそうとしているのでは?」

重臣達の言葉が段々きな臭く、二つに分かれてきました。

主人公を担ぎ出したことを責める人。

隣国との繋がりについて嫌疑を向けてくる人のグループにです。

しかし、両グループ共に元王妃一派を責める風潮にならないのは不思議です。

元王妃一派がクーデターを起こしたと言われ、目の前で拘束されていると言うのにそれには一切触れません。

私たちが止めなければ今頃王宮は元王妃一派の手に落ちていたでしょう。

その時間を見計らったようにここに来たことから、もうお察しです。

元々同僚達で仲は良かったでしょうし、与しやすかったとは思います。

とはいえ、積極的には関与せず時勢を見て有利そうな方につく考えだったのでしょう。

つまり、日和見主義の風見鶏、良くいる大多数勢力です。

風見鶏達はくるくる周りを見て、どちらがより有罪かを判定した結果、元王妃派の事はスルーすることにしたのでしょう。

今、陛下は罪人を連れ出すという禁忌を犯していますしクーデターを起こしたという証拠も曖昧です。

陛下には元々悪感情を抱いていますし、どちらを責めたいかと言えば陛下でしょう。

重臣達の考えは手に取るようにわかりました。

自分に非難が向けられそうな気配になったのを確認して陛下は口を開きました。

「確かに私の母は、隣国の出だ。それは事実だ。しかし、母は平和と友好を願ってこの国に嫁ぎ、私にその願いを託した。」

「しかし、今、あなたは争いの種をまこうとしている。」

「そうだ。」

フライング気味の人が、陛下呼称をやめています。

それに乗っかる人がいます。

集団心理本当に怖いです。

「黙れ!」

陛下が一喝します。

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