本をビリビリ・・しません。信じて下さい。
しかし、問題は1だけではないのです。
私がやっつけなければならない問題は他にもあります。
対策2については、対策1途中で父母はダメな事がわかってしまって残念でした。
後は使用人達にアプローチしてみましたが、これもダメでした。
皆、示し合わせたように私に近づかないように、最低限の務めのみ果たしたらいなくなります。
優しくしてみたら、気持ち悪がられましたし、物で釣ってみても「結構でございます。」と、お断りされてしまいます。
そして、友人は・・・そもそもいませんでした。
ただの取り巻きでした。
それでも心を尽くしてみたのですが、今までの行いが悪かったこともあり中々心は開いてもらえませんでした。
その内、父母に「ちゃんと格下貴族を従えなさい。おもねるな。」と、注意されてしまう始末。
仲良くしたい、一緒に何かをして共同体験を通して心を通じ合わせたい。
だけども、父母からの指導は入る。
無言のお茶会はしたくない。
圧迫面接のような会話もしたくない。
けど、定期的に挨拶に来させないと家の沽券に関わる。
どうしようも無く悩んだ結果、問題3、4の勉強・魔術ができない事への対策と合わせることで決着をつけました。
お茶会の代わりに勉強会を。
沈黙があっても勉強会なので当然です。
他のご家庭にも最新の知識をプレゼントして我が家の威光を示す。
と言う訳です。
父へプレゼンしてみましたら許可が出て、飛び上がるくらい嬉しかったです。
対策1.2がほぼ玉砕だったので、3.4の対策も上手くいっていなかったので歓びは一入でした。
と、言うのも私、当初は勉強をする事ができなかったのです。
見事に勉強をする環境が無かった。
悪役令嬢と気づいてすぐに自分で本を読もうとして部屋に本が無いことに気づき、ノートを見て落書きしかないことに気づき、家庭教師の予定を聞いて、ほとんどないことに驚き、やっと来た家庭教師のやる気の無さに愕然としたのです。
それも仕方がないと言えました。なぜなら、10歳になるまでの私は全然やる気を見せず、家庭教師も気に入らないと何人もクビにし、最終的に甘い人しか残らなかったという経緯があったからです。
相当ふるい落とされただけあって、私の家庭教師は本当にやる気が無い人で、「良いんですよ。ディアンヌ様は座っていらっしゃれば、それだけで素晴らしい。」なんて言って授業を一切してくれませんでした。
直にお願いしても全く聞いてくれません。
授業をしたら私がクビを言い渡すと思っていたらしく、それはそれは頑なに授業をしてくれませんでした。
心を入れ変えて勉強を頑張りたい、家庭教師を変えて欲しいと、父母に言ったのですが、「もう良いじゃ無いか。」等と言われて却下されてしまいました。
自分で書斎の本を読もうとしても「ディアンヌは本を破ってしまうからダメ。」と、言われ許可されず、仕方なく数冊だけ残っていた本と破れていた辞書を元に字の練習をしました。
すぐ行き詰まって古い新聞や雑誌をメイドに持ってこさせて、それも読みあさり単語のスペルを勉強しました。
頭の体操になると四則計算も自分で問題を作り解いたりもしました。
そのノートを家庭教師に見せても家庭教師は授業をしてくれなかったのですが、お茶会代わりの勉強会を提案して、父から許可されてようやく教鞭を奮ってくれるようになったのです。そこまで行くのに半年くらいかかりました。




