レジュメが欲しいの
侍従は全身で”ヤバい。”という空気を出しています。
あぁ、これ完全にクロでしょ。
と、言う感じです。
「それは、その・・・。」
それでも何かを答えようとするプロ意識に感心します。
「どういうことだと聞いている。」
対する殿下の顔芸、いやオーラ芸が半端ない。
怒りのオーラで威圧している。
あれ、威圧って魔法だったかな。
なんて考えていますと
「王妃様の命令で・・・。」
と、侍従自白しました。
はっやっ。
早すぎです。
尋問して5分で完落ち。
やっぱり威圧は魔法かもしれません。
心の突っ込みを知らない殿下はシリアスな顔で聞き続けます。
「そういうことか。じゃあ、面会が月一回なのも短時間にしたのも、言葉を交わさないのも彼女が望んでいたというのは嘘だったのだな。」
「王妃様の・・・。」
もう、侍従は”王妃様の・・・。”しか答えない人形に成り下がりました。
あれです。お腹を押すと”お腹すいた~”とか言う人形みたいです。
しかし、殿下は諦めない。
ここは取調室となり、なだめすかし、時に恫喝し殿下は尋問を続けてました。
結果、判明した事実は悲しい物でした。
とってもとっても長いので懐かしの箇条書きです。
(殿下の前提)
記載形式 (番号・状況・殿下の心情)
1.両親は政略結婚の為冷たい家庭だった。→反面教師に暖かい家庭を作りたかった。
2.寵愛の無い元敵国の王妃と子供である殿下に宮廷貴族は冷たかったがプテリオン公爵だけは親身だった。→いずれ恩に報いたいと思っていた。
3.地位を安定させる為、側近や婚約者候補を探したが難航。プテリオン公爵が、側近候補を揃え、難がある娘だが政情の為にと私との婚約を申し出てくれた。→項目2番の恩義感が更に強固な物に。項目一番の理想と相まって何とか私と親交を深めたいと思うようになった。
(甘くない状況)
記載形式 (番号・状況・理由・結果等)
1.ディアンヌは本当に難があった。→浮かれて現王妃様のお茶会に何度も行き、そこでの噂話を鵜呑みにし、乗せられてわがまま三昧・贅沢三昧。それとなく諫めるも全く聞く耳持たない。
2.母死別後父王と疎遠になった。→現王妃と再婚。関心が薄まり、冷遇に拍車がかかるようになった。
3.側近候補との仲も上手くいかない。→いつ失脚するかわからない王子へ敬意は無く年頃のライバル心も相まって打ち解けられなかった。
4.勉強で自由になる時間が無かった。→実力で認めてもらえるよう努力するしかなかった。又、教育係もそれを強要した。
以上、箇条書き終了。
つまり、殿下は異様に時間が無く、相談できる人も居なかった。




