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ざまぁ失敗テンプレ転生悪役令嬢はもがく  作者: 佐藤なつ
テンプレ悪役令嬢のその後

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24/84

キュンとヒュンの違い。

「殿下に申し上げられるような事は何一つございません。」

私が口を開いた瞬間、ハッとした顔をして、私の答えを聞いて傷ついたような顔をする殿下。顔芸がさすが、乙女ゲーの攻略対象者です。

ゲーム終了後も、素晴らしく女性の心をついてきます。

陰のある顔・表情。

どれもとってもキュンとするでしょう。

「そんな態度を取らせてしまうのは僕のせいなんだろうね。」

額に手を当て切なげにこちらを見てきます。

さっき、私がディアンヌか確定できなかったのにそんな事を言ってきます。

「これから、時間をかけてでも君の気持ちを溶かしていけたらって思っているんだ。」

甘い・・・。

そんな言葉26年生きて初めて聞いた。

あれ?私に言ってる?

隣に誰か座ってるのか?

思わず隣を見てしまいます。

しかし誰もいません。

「王宮についたら、父に会って一緒に挨拶をしよう。」

隣を確認していたから気づきませんでした。

殿下が私に近づいていたことに。

避ける間もなくぎゅっと私の手を握ってきました。

これ、もしかして本当にゲーム二部開始とかじゃないよね?

王宮についたら主人公が居るとかじゃないよね。

あるかも。

急に不安になってきました。

でも、乙女ゲーの枠で言ったら、26歳だとオジサン枠じゃないでしょうか?

主人公も同い年でしたから、この世界の常識で行くと行き遅れです。

転生前の日本だったら26歳なら全然結婚適齢期ですけどね。

でも、

「私、26歳。失敗も多いけど、頑張るぞ~。てへっ。」

なんて会社でやったら、存在を抹消されそう。

心の中でやってくれ。

いや、心の中でも辛いかも。

そんな同僚いたらきついわ。

「もっと落ち着いてから渡したかったが仕方が無い。」

考え込む私をよそに殿下は何か胸元から取り出しました。

ハンカチから出されたのはむき出しの指輪です。


えっ?

って、思っていると、何と私の手を取ります。

もしや?

って、思っていると、案の定私の薬指に嵌めました。

マジか!

って、思っていると、殿下が口を開きました。

「これは母の形見なんだ。」

重いわ!


もうそれ以外言葉がでません。

これは胸がキュンとしないといけない所なんでしょうが、私の場合はヒュンと心臓が縮みました。

動悸がする勢いです。

そうだった。

この人超絶マザコンだった。

主人公を前王妃様の庭に案内して、長々とそして切々と母への思い、自分の置かれた状況の厳しさ、不安を吐露するシーンがあった。

今、思い出しちゃった。

遅いよ!私。

そもそも私がアレアレ言いながら昏倒したのも現王妃様の庭だった。

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