本音がスケスケ
先人の知恵に習いまして、まずノートに現状と今後の展開と対策について書いてみました。
テンプレ的流れに沿って誰が見てもわからないように日本語で。
書いてみて愕然としました。
現状は、上に書いた箇条書き以上の事がなかったのです。
展開、イベントは、ほぼ記憶にありません。
王立学校に13歳で入学、三年制なので16歳で卒業。
入学式で特待生入学する主人公とエンカウント+初バトル。
卒業式で断罪。
断罪コースは、娼婦落ち、幽閉、国外追放(山賊に遭いなぶり殺し)の三種。
まさかの三種盛り。
モノクロでしたがちゃんとスチルありました。
こんな所に力入れてどうするの?
って突っ込んだ記憶は鮮明にありました。
他の記憶はありませんけど。
モノクロスチル三種盛りの話はさておき、本題に戻ります。
ここまでで皆さん、重大な事にお気づきでしょうか?
はい、そうです。
間がない!
何の陰謀か肝心要の入学から卒業の間の記憶がごっそりない。
神様はどれだけ悪役令嬢たる私に試練を与えるのですか?
と、恨みたくなりますが、13歳まで後3年しかないので恨む時間を惜しんで対策を練りましょう。
私は思い直し対策を現状箇条書きに追加しました。
1.王太子殿下・そのご友人には嫌われている→婚約破棄を試みる。無理なら距離を取る。
2.家族・使用人・友人にも嫌われている→今までの我が儘をやめ、優しくする、無理なら当たらず触らず距離を取る。出来たら交流を持ち、今後の協力者となってくれるような関係作りをする。
3.勉強できない。(しない)→命に関わるので努力する。
4.魔術も使えない。(しない)→人生に関わるので努力する。
5.性格が悪い。→自重する。率先して良い行動を行う。
6.衣装・化粧が良いだけで実際は美人でもない→これは今まで通りの努力を継続。但し贅沢は控える。
等と書いて、このノートもテンプレ通りきちんと隠しました。
けども、メイドと言うのは掃除のプロでおまけにディアンヌはお菓子を隠して食べてたりする子なので放置したらカビてしまうとばかりにメイドさんは一生懸命掃除する訳です。
よって、見つかりました。
訳のわからない文字で書き連ねられたノート。
呪いのノートと、ひそひそ噂話され、更に遠巻きにされました。
2項目の一つ、使用人を協力者にする計画は遠のきました。
そして、ノートも没収されてしまいました。
先日の「アレアレ」昏倒事件も尾を引いていたのでしょう。
こんな物を作ってしまう精神状態は良くないとお医者様に判断されたようです。
どちらにしろ、暗記できてしまう程の内容の薄い本でしたので、無くなっても問題はありませんでした。
あ、余談ですが前世での薄い本は別な意味で読み込んで暗記してました。
特技、薄い本の暗記。
それは今も生かされているようでございます。
さて、また脇道に逸れてしまいましたが、そこから私は気を取り直して1から対策を取りました。
アレアレ昏倒事件を理由に婚約破棄を申し出てみました。
お父様に速攻却下されました。
曰く、どんなに性格破綻していても健康上問題があっても、政情的に婚姻が必要。
王太子殿下の心がなくても側室制あるから無問題。
はっきり、きっぱり、よどみなく言われました。
マジ?
10の子供に愛無い結婚してね。側室いるからお飾りで良いよ。
って言っちゃう。
言っちゃうの?
公爵はヤバい人だ。
もうダメだ。
私は公爵を諦めました。
次、更に気を取り直してお母様にトライしました。
「愛のない結婚なんて。」
と、お父様の言動をチクってみました。
鼻で笑われました。
「貴族なのだから当然でしょう。」
何言ってるの?おバカちゃん。
そんな本音が透けて聞こえてきました。
貴族は言葉の裏に本音をすり込ませてくるというのは本当でした。
現代人の私には「もっとハッキリ言って!」と、「ハッキリ言われたら死んじゃう。」
の合間を行ったり来たりするお母様との会話は精神的にきつかったです。
「あなた、おバカちゃんだから、わたくし、相手したくないのよ。」
まで言われてしまいました。
なので、母もダメでした。
ヤバい人でした。
1の対策中に、2がダメだと言うことがわかってしまいました。
こんな両親なので断罪時もすっぱり私を切ったのでしょう。
断罪後の支援なんて望むこともできません。
今現在、既に他人の気配なので、有事の際は更に他人になるでしょう。