生きる意味。3
今日二つ目の投稿です。
「...え...は?」
すべての音が止まり、誰も動かない。
「な、なんだ?何が起こった?」
状況が理解できず混乱に陥る。
そしてさらに、俺を中心として、幾何学模様の光が現れた。
「い、いったい何が起こって、」
幾何学模様の光はさらに発光を強め、俺を包み込む。
そして爆発かのように思われるほどの光を一瞬放ち、
この世界から俺が消えた。
目が覚めると、そこは宮殿のような場所だ。
同じ高校生と思られる男女も数十名おり、その周りには鎧を着た兵士だと思われる者が数人と、
「よくぞ召喚に応じてくれた、勇者たちよ。我はランナ王国の国王リグース4世だ。」
王様がいた。
「悪意を払いのけ、どうか我らを救いたまえ!」
これは俗にいう異世界転移だろう。
が、俺は今そんなことをしている場合ではない。
「すみません、俺はやらなくちゃいけないことがあるんです。すぐに元の場所に戻してください。」
「うむ、すまないがそれはできない。」
「え、?な、なんで?」
「うむ。悪意の象徴と言われる魔を束ねる王、魔王を倒すまでは生還の扉が開かぬのじゃ。」
「生還の扉?」
「さよう。生還の扉とはそなたらの心の臓に刻まれておる召喚魔法の一種じゃ。魔王を倒したその時、生還の扉が開かれ、元の世界に戻ることができる。」
「な、なら今すぐ魔王を倒しに!」
「ならん。そなたらはまだ赤子同然じゃ。この世界に来たばかりじゃから......
王様の声はだんだん聞こえなくなった。
「ははっ、」
笑えるよな?
必死にあがいて、もがいて、生きてるって感じたくて、
それで、それでやっと証明できるって、
そこまで来たのに、
「ぜ...全部...無駄...。」
涙は出なかった。
空っ風のように冷たく、乾いた笑いが俺の意識を奪っていった。
次の投稿は遅くなります。
ごめんなさい。