生きる意味。2
今日は二つ投稿するつもりです。
あれから月日がたち、2月4日。
そう、日本一大学の受験日だ。
体調は万全。あれから死に物狂いで勉強をしたので首席合格以外はあり得ない。
そう思えた。
開始1時間前に試験会場についた。
単語帳やノート、参考書を見て勉強しているものもいれば、音楽を聴いてリラックスしているものもいる。
俺は特に周りを気にせずノートを開いた。
ノートには今まで記してきた数式や文字が並べられていた。
おそらくこのノートが一番受験勉強に世話になっただろう。
ノートの節々にまで記された文字を見て思う。
意味はあったんだろうか。
今まで過ごしてきた時間は無駄だったんだろうか。
いや、それを今から証明するんだ。
すーっ、と深呼吸をし、頭をリセットする。
そしてまたノートに目を向ける。
ん?なんだこれ?
ノートの最後のページ、一番下の切れ端に不可解な絵が記されていた。
猿のような亀のような、はたまた蛇のような。
誰の落書きだろう、と考えたが答えはすぐに見つかった。
おそらくあいつだろう。
高校2年の時、やたらと話しかけてくるやつがいた。
俺はうざがってまともに話を聞いたこともないが、俺のノートをよく持って行ったりしていた。
そういえば3年に上がるときに引っ越したらしいが、いったいどこにー
「受験者の皆さんは試験室に移動してください。」
試験官から声がかかった。
ついにこの時が来た。
俺は余計なことを考えるのをやめ、さっそうと準備して試験室へ向かった。
受験時間5分前。
緊張はない、が、
貧乏ゆすりの音、時計の音、指を鳴らす音が乾いた空気に浅く響く。
鳥が鳴いている。草が揺れている。
視界に入るものすべてがうるさく感じた。
試験官が注意事項を読み上げ終えた。
「では、」
心臓が鼓動を始めた。
ひどくうるさい。
「よーい、」
ごくりと固唾をのむ。
ついに、試験が―
始まらなかった。