フランの兄
思い出すあの頃の記憶はとても鮮明で、でもぼやけていてそれは自分の悲しみが原因なのだと分かってい
た。兄が自分を残して遠くの星へ旅立ち、兄を一時期嫌いになった。だが、それでも大好きだったのだ。
そんな記憶を思い出し、フランは目を覚ました。ベットから起き上がる。兄の星は近いのだろうかと
思い、探してしまう。何処にいるかなんてわかりはしないのに…。フランはあの日、兄が最後に歌ってくれた
歌を口ずさんだ。水の様に静かに流れ、海の深い底にある遺跡を思い出し歌う。
その歌は誰に届くのか。
一方でとある星に風に揺れ、まるで海の波の様な青い髪の男は悲しく歌っていた。周りは荒野で水も無く、
男の歌声が響くだけだった。ただ、言えるのは男がフランと同じ歌を歌っていたということだろう。
「…フランさん?」歌声が聞こえ、ミリアが体を起こす。「歌を聞くのなんて久しぶりだな…お兄ちゃんが
あの時まで歌ってくれたんだっけ。」ミリアが眠れなくていつも頭を撫でながら歌ってくれていた日々を
思い出した。悲しくて、それでも懐かしかった。「お兄ちゃん、私ね…ミエさんを守れなかった。死なせてしまった。お兄ちゃんの様に…。ごめんなさいっ!」ミリアは布団を胸の前で握りしめる。
泣きながら謝罪するミリアの思いは誰にも届かなかった。
翌日
アンナ達はとある星に来た。フランの故郷と同じく、水の色なんて何処にもなく土の色だけしか見えなかっ
た。どうしてこの星に来たのかというと、フランが兄を探しているからだ。
そして、星に降り立った。すると…「お前たち、ここは宇宙警察の支配下の筈だが」青い髪の男が近づいて
来て言う。「私の母は生前宇宙警察の者だったので許可を貰いました。逆に聞きますが、あなたもどうして
ここに?」アンナは聞く。「俺は、この星を救っている。ただその為だけにいる」何か使命を背負ってい
た。「お名前は?」「…メイデンだ」彼に名字はないかと疑問に思ったが、それはあとにした。
「私は、アンナ・フレイザーです。こっちは」「リノだ。で、こっちの金髪野郎はレオン」何気に傷ついた
レオンは言い返した。「お前…っ。黒髪が」「あ?」リノは睨み返した。アンナはその二人に呆れていた。
「おかしな奴らだ。で、お前達は何故ここに来た」「フランさんのお兄さんを探す為です」
一瞬、メイデンの動きが止まった。「メイデンさん?」「…なんでもない。ここには俺以外誰もいない」
「じゃあ、フランさんのお兄さんは…」「知らん。分かったなら早くこの星から出ていけ」頑なに侵入を
許していなく、自分以外の者を入れたくなさそうだった。




