精霊の星の崩壊
その後小屋に戻ったミリアとミエ。エドはミエを見ると、罪悪感に押し潰された。
「ミエ…」「エド…」「二人っきりで話をさせてほしい」エドがそう言うとカナトは頷いた。
「分かった。」そう言ってアンナ達と上へ上った。
「エド…すまない…俺…っ」ミエは謝ってきた。エドは首を振った。「気持ちは分かってた…君にとってこの星
は宝物で、その役目は自分の存在を証明し続けるものだって…」「…俺には最初から居場所がなくて…だから…
森を守る役目に執着して…」ミエは涙を流していた。その瞬間、エドはミエを抱き締めた。一瞬何が起きたの
か分からなかった。「すまない!俺はミエに居場所を作ってやれなかった…」「ぇ…」ミエはエドの言葉を否
定した。「そ…んなこと…エドはちゃんと居場所を作ってくれて…」
エドはクスッと笑い、ミエの頭を撫で、微笑んだ。「これからは…もっと親らしいことをするから。」
「本当に…?」聞き返した。「ああ」「本当は俺の方がもっと年上なんだけどな」ミエの言葉にエドは反抗し
た。「嫌々、俺の方が見た目で年上だ!」「でも!見た目だけだ!」「なにぃ?俺の方がもっと格好良い
からな!」何だか違う方向に言っている会話になっている気がする。「はぁ…君達何してるんだ」呆れて溜息
を吐きながらカナトが入ってきた。「何って…どっちが格好良いかって」カナトはもう一度ため息をつき、
「君達は…本当に似ているね」「親子だから?」その反応にカナトは笑ってしまった。
「眠い…」エドとミエが同時に言った。「聞けば夜中まで言い争いしていたらしいですね」
「僕も少し付き合わされたよ」カナトが疲れてそうな顔をしている。「そうだ。君達はアテナを知っている
かな?」カナトが言い始めた。「アテナって戦いを司る女神様?」「うん。実はクレアちゃんの盾がアテナ
の盾と似ているんだ」「え?」その時…酷い揺れが起こった。「もう…」エドが悔しそうに顔を歪ませる。そ
う。この星の崩壊が始まったのだ。
全員が星から出ようとする中、ミエだけは動かなかった。「ミエさん!」ミリアが戻ろうとするのを
ミエは止めた。「来るんじゃない!」そして、笑う。「また会おうな…」
「まさか…!?やめるんだ、ミエ!」エドが必死に止める。何をするか気づいたようだ。「エド、ありがとう
な」感謝を伝えた。カナトは顔を背けた。見ていられないからだ。
そして、誰も止めることは出来ずミエは行ってしまった。
森の奥へ行くと、大樹が見えてきた。光り輝いている奇妙な樹にミエは近づいた。大樹はミエに気づくと
腕を内部へ吸い込み始めた。いや、正確に言えば“喰いはじめた”だ。大樹はミエの魂と引き換えに
この星を生き永らえようとしているのだ。あまりの体力の消耗に息が乱れる。「はぁ、はぁ…」
体も光となって散り散りになり始めていた。




