クロノスの過去
「どうすれば…」「何があったんだよ!」リノが言う。
その時…突然アンナ達の前に女性が現れた。「貴方は…!」その女性はアンナがユニバースを封印から解くときに現れた人だった。白い羽を生やし、美しい金の髪をした女だった。
「彼は…クロノスは深い悲しみと憎しみを抱えています。」「悲しみと憎しみ…?」アンナ達はどうしてクロノスがそんな感情を抱えているのか分からなかった。
アンナ達の気持ちを分かったように女性は「ではクロノスの過去を見てください。そうすれば止められるはずです」女性がそう言った瞬間…アンナ達は何処かに飛ばされた…
飛ばされた場所は何処かの星の街だった。
場所は移動して家の中だった。すると…突然乾いた音が響いた。
「お前は死んだほうがいいのよ!」「そうだ!」子供に誰かが暴力や暴言を吐いていた。
「お母さん…?」子供が泣きながら言うと「その名前で呼ぶんじゃない!」怒鳴った。「お前はエドガー家の
恥よ!」そう言って子供の腹を蹴った。「がはっ!」子供の口から血が出た。その後母親と思われる女は
そこから去っていった。「ひどい…」クレアは目を逸らした。これ以上見れなかったから。
子供は泣いていた。「どうして僕のこと誰も見てくれないの?」「どうして…」その時突然声が聞こえた。
「どうして泣いているんだい?」後ろを見るとフードを被った男がいた。「皆僕のこと嫌ってるんだよ。死
んでほしいって…」子供は再び泣き始めた。そんな様子を見て男は…「それじゃあ私が君に力をあげよう。」
「え?」子供は茫然としていた。男はこう言った。
「そうすれば君を嫌って罵倒した者達を見返せる…」「本当に!」子供は聞き返した。「ああ。」「君、名前
は?」「僕はアラン・エドガー!お兄さんは?」「お兄さんは…_____________だ。」男の名前の部分は
何故か聞こえなかった。男はアランの頭を撫で、笑って…「じゃあ今日から君はクロノスだ。」「うん!」
そこからアンナ達は飛ばされ元の時間へ戻った。
「あんなことが…」「彼の精神の中へ入り語りかけて下さい。そうすれば彼は救えるはずです」
アンナ達は顔を見合わせて「行こう。そして救うよ!この星もクロノスも!」行こうとした時
ミリアは「私は残ります。出来るだけ被害は最小限に」フランも「私もです。星の者達の被害を避けます」
アンナは頷いた。「ありがとう。宜しくね」
女性はアンナ達をクロノスの精神の中に入れた。
そこは真っ白な空間だった…そこにクロノスが座っていた。
アンナ達はクロノスに駆け寄った。クロノスはアンナ達がいることを知らないようで静かに
「俺を嫌った癖に…」アンナは恐る恐る「クロノス?」クロノスの名前を呼んだ。
クロノスは「黙れ!」と、怒鳴った。
クロノスは抱えきれないほどの悲しみと憎しみを持っていた…
アンナはクロノスに近づき…抱き締めた。「!?」クロノスは驚いて顔を上げアンナの方を見た。
「大丈夫…」「私達がいるよ」そのアンナの言葉にクロノスは「ふざけるな…何も知らないくせに!」アンナを突き放した。
クロノスは涙を流していた。「俺の気持ちも知らないくせに!知ったふうなこと言うなよ!」「…クロノス」
「お前はまだ未来が…」リノの言葉を遮って「黙れ!!」「俺には未来なんかない!」否定をした。
「俺が一体何をしたと思う…?大勢の人を殺したんだよ!!未来を!奪ったんだよ!!」「お前らを見て…
俺も友達が欲しかったって思った…なんで俺は愛されてないのかって…」「気づいたら力に頼ってたんだよ…
全部俺を見てほしい為に…でも…っ…」「最後はあの人に…裏切られた…信じてたのにな…」
「クロノス…」リノはクロノスに近づき「そうか…辛かったよな」「信じてたんだな…」「…家族のことも…
信じてたのに」「俺はお前の辛さが分からない。けど…俺達を信じてほしい」「信…じる…?」
「ああ。お前には未来がある。もうその苦しみから…過去から抜け出しても良いんじゃないのか?」リノは
微笑んだ。「俺…は…」その言葉にクロノスは戸惑っていた。
「クロノス。私達はクロノスの事嫌いじゃない」「嘘…だ…皆俺の事嫌って…」
それは今までしてきた事も含めてだった。「嫌ってない。寧ろ…大好きだよ」アンナがクロノスに言った。
「…ぇ?」「私はさ。クロノスが家族に愛されなかったこと…少しは分かるよ」「え?」
「私だってお父さんに自分の髪の事でいろいろあっていなくなっちゃたもん。」「アンナちゃん…」クレアは
察した。「だけどさ…必ず自分を好きになってくれる人がいるって信じてたから。」「好きになってくれる人…」
「だから私達を信じてみて?」「っ!」クロノスはしばらく俯き…口を開いた。
「俺は…俺は!愛されたかった!あの人にも!でも最後は裏切られて…俺は自分の事しか考えられなった…」
そして、顔を上げ「お前らを…信じても良いか…?」
「勿論だよ」アンナは笑ってそう言った。クロノスは「っ!」目を見開いて…「俺は…あいつらを見返すことしか考えてなくて力だけを求めてた…俺を見てくれることだけしか考えてなかった…でも…違うんだな…」
「一緒に行こう?外へ!」「ああ!」クロノスはアンナの手を握って…「ありがとな…」(俺は…あの時点で間違ってたんだな…お前らが気づかせてくれた…)」
涙を流しながらも微笑んだ。
そのアンナ達を光が包んだ。




