海の女神アンフィトリナ
目を開けると…目の前に美しい女性がいた。
青髪で冠を乗せ、海豚が女性の周りを飛んでいた。
「あ…貴方は…」フランが恐る恐る尋ねた。女性は静かに言った。「私は海の神…アンフィトリナ。」
「アンフィトリナ様…何故我々を救ってはくれなかったのですか?」フランが聞くと
アンフィトリナは悲しそうな表情を見せた。「貴方達は争いをやめない…起きたことをすぐ忘れてしまう…
だから私は貴方達に呆れ、救おうとはしなかった…ゆえに貴方達が争いをやめれば私は救っていた。」アンフ
ィトリナの脳内にある男の姿が浮かんだ。「だから貴方の祖先にも貴方にも私の加護を与えなかった。彼が
望んでいたから」アンフィトリナの言う“彼”とは誰だか今は誰も知らなかった。フランは「そう…だったので
すか…」「そうとも知らず私達は貴方のことを…」アンフィトリナは「私も悪かったのです…あの時、いえ…あ
の時から貴方達を止めていれば…」謝罪しているアンフィトリナの姿は高貴な神の様ではなく普通の人の様だ
った。「ですが、本当に自ら悪になったのですね。」「え?」アンフィトリナは「貴方達はどうして私をお
呼びになったのです?」フランは「私は貴方に力を貸していただきたくこうしてきました」フランはアンフ
ィトリナに全てを話した。全てを聞いたアンフィトリナは「…そうですか…分かりました。」「え?」アンフ
ィトリナは笑って「これ以上私の大切なこの星に手出しはさせません」アンナ達の顔は喜びで溢れていた。
「アンフィトリナ様!」「ありがとうございます!」こうして海の神アンフィトリナの説得は成功した。
皆が戻る中、アンナは遺跡に残っていた。「あの、貴方がおっしゃっていた彼って…」薄々は感じていた。
アンフィトリナは悲しく笑った。「お気づきになりましたか。はい、貴方の言うとおり“彼”と言うのはあの
神官の先祖です。彼は独裁者などではありませんでした。彼は…リベラは、優しい王でした」アンフィトリナ
は目を伏せた。それほどまで大切な者だったのだろう。辛いはずなのに決して涙は見せなかった。
神として人間に弱っている姿など見せたりしたら威厳を失くしてしまうだろう。アンナは疑問を持った。
「どうして、リベラさんは自分から悪役に?」「リベラはこの星の者に、子孫に平和に、幸せに生きて欲しかったのです。だからこそ、ユニバースと言う争いの種となる




