リノの力
終わったと思ったその時…
「俺はまだ…諦めてねぇぞ!」その声はリノだった。その言葉からリノは諦めてはいなかった。
「俺はまだ死ねないんだよ!救うべき者達と妹や両親…仲間もいるんだ!このくらいで…死んでたまるか!」
彼には救いたい星がある。
クロノスはその言葉を聞いて心底苛立っていたが楽しんでいるようにも見えた。
「まだ戦えるのか…流石だな。だが…その気持ちを踏み潰したいのが俺だぁ!!」クロノスの手から先程よりもパワーが強い球体があった。
「ここで…死ねぇ!!」クロノスがそう叫んだ途端…アンナ達の方へ丸い球が向かっていた。
球体がアンナ達に近づくたびに風が吹いていた。
「もう…」「これ以上あの攻撃を受けたら…」リノ以外の三人は死を覚悟していた。
が…倒れた三人の前にリノが立った。「お前らはまだ死なせねぇ…!」その瞬間…リノの体を光が包んだ。
それは星を出てアンナに会うまで使わないようにしていたユニバースの光だった。
「リノ…その光…」「まさか…お前…」クレアとレオンは既に気づいた様子だった。
リノは手から炎を出し、クロノスが出した球体めがけて撃った。その瞬間、両者の力がぶつかりあった。
だが…若干リノが押されていた。「くっ…」リノの片方の足が少し後ろに押され砂がたまっていた。
「その程度か?ユニバースの持ち主はよ?」クロノスに挑発されていたが「これくらいで…負けるか!」
リノは最後の力を振り絞った。
「おりゃぁぁぁぁ!!」「うわぁぁぁ!!」クロノスはリノの力に押され、飛ばされた。
「はぁ…はぁ…」気を失いそうだったがなんとか踏みとどまった。
「はぁ…はぁ…ったく、俺はまだ本気出してないんでね」「何…だと…?」その瞬間、アンナ達の動きが止まった。時が止まったのだ。そして、リノの腹を殴った。
そして、時を戻した。「リ、リノ!」「お前…」リノが弱々しい声でクロノスに向けて言った。
「俺の力はな、時間を止めるんだよ。」「な…」「どうすんだよ…」レオンが言ったその時…
「クロノス」「ん?」クロノスの名を呼ぶ声がした。そこには男のような女のような中性的な
見た目の者がいた。「何だよ…あんた…」「お前は…何故そんなことをする」「…認めてもらう為…」
不貞腐れた声で呟いていた。「とにかく…そいつらを傷つけるな」「な、何でだよ!」「クロノス」
冷たい声で言われクロノスは「誰か知らないけど…わかったよ…」そう言って去っていった。
呆然としているアンナ達に「終わったぞ」「あ、貴方は…」アンナが聞くと…
「ヘリオットと、でも言っておこう」そう言い去っていった。
「お、終わった…」リノは肩の力を抜いて意識を手放し、倒れた。
アンナ達は慌てて駆け寄った。
一方その頃
バンっ!と音が響いた。
「仕方ないだろ!強かったんだからよ!それに邪魔者も入ったし…」
クロノスは頬を赤くしながらも言い訳をしていた。
「言い訳しないでください。舐めていたのは貴方ですよ?」「うるせぇ!ソウラ!お前も一回戦ってみろ!」
ソウラと呼ばれた男は「分かりました。ですが貴方のようにへまはしませんよ」「どうだか」
二人が話していると…「黙れ…クロノス負けたのに意地を張るな」クロノスは途端に顔を赤くした。
「ソウラもクロノスをバカにするな。お前も負けたいのか…?」「そ、その様な事は…」
さんざんクロノスをバカにしていたソウラも頭が上がらなかった。
声の主はそんな二人を見て「次は負けるな…あの男の娘も始末しろ。ソウラ、これを持て」
ソウラの手に現れたのは…「それはお前たちの力をパワーアップさせる玉だ。」「ありがたく使わせて貰います…」ソウラは片方の手を胸に置き、礼をした。
そんなソウラを苛立たしい顔で見ていた。
「なんで…あいつだけ…」クロノスは壁を叩いていた。「分かってる…俺があいつらより弱いことは…
だけど…俺を見てほしいんだ…」クロノスの脳裏に幼い子供が大人に置いてかれる映像が映った。
「俺を…俺を…見てくれよ…」クロノスの心の叫びはそこにいる誰にも受け止められることなく届かなかった。




