ドキドキ
うぁ~んまたやっちまった~
本文全消去してしまった~!
土曜日にイッ君の家に行くのが当たり前になった頃。
「今日は皆居ないんだけど、どうする?やめとく?」
その土曜日はイッ君の家族が全員留守にする日だったらしい。
紗季さんはお仕事で地方に行っていて、ダンディーさんはゴルフ旅行でカズ君はヒロちゃんとお泊まりデートらしいです。
「私は大丈夫だよ」
「良かった~飲み物持ってくるから先に部屋に行ってて」
イッ君に言われてイッ君の部屋に行くと、私は思わずベットの下を覗いた。
イッ君の部屋に遊びに来てイッ君が居ないのはあまり無い事で、ちょっとした興味本意だった。
「何やってるの?」
「………エロ本とかエロDVDがあるのかな?って」
「そんなベタな所に隠さないよ」
「………あるんだ」
「………男の嗜みです」
「あるんだ」
イッ君は苦笑いを浮かべた。
「見る?」
私は肩を跳ね上げた。
「嘘だよ。見せません」
「そうなの?」
「エロDVDなんて俺の性癖まる解りでしょ?恥ずかしいからね。ナギが俺の彼女になったら見せてあげるね」
その言葉に私はなんだかドキドキしてしまった。
イケメン、恐るべし。
お昼ご飯を作ったりテレビを見たりした後、イッ君と夕飯の買い出しに出掛けた。
帰りの道すがら、私たちは雨にふられた。
イッ君の家に着く頃には私たちはびしょ濡れで、イッ君がお風呂を進めてくれた。
「なんか少女漫画に出てきそうなシチュエーションだね」
「そうなの?俺は自分の部屋でシャワー浴びるからナギは一階の風呂使って」
「うん………」
「着替えは俺のでも良い?」
「パンツは?」
「………俺がコンビニで買って来ようか?」
「待って!やめて!私もだけどイッ君も恥ずかしいから!」
イッ君はやっぱり苦笑いを浮かべた。
「俺の未使用のパンツでも良い?無いよりましでしょ?」
「うん、ありがとう」
イッ君に滅茶苦茶迷惑をかけてしまった。
イッ君はすぐに着替えを用意してくれた。
厚手のトレーナーに某有名メーカーのジャージのズボンに未使用のボクサーパンツを渡された。
厚手のトレーナーは深い海みたいな青色で透けないし、厚手なのでノーブラでも大丈夫そうだ。
ズボンの方も紺色で透けない。
イッ君の気遣いは百点満点だ。
お風呂からあがって、ドライヤーをかりた。
私は髪の毛が長いから乾かすのに時間がかかってしまった。
外を見ると真っ暗で、まだ雨もやんでいない。
私は取り合えず乾かした髪の毛を鞄に入れていたシュシュで軽くお団子にして、夕飯を作りはじめた。
夕飯は簡単な玉子入りの中華スープにチャーハンに餃子。
餃子は冷凍食品でごめんなさいだったが、焼いたのは私だから許してほしい。
夕食が出来た頃、漸くイッ君が二階から降りてきた。
「ナギ………」
名前を呼ばれてイッ君の方に視線をうつすと、イッ君が膝をついて項垂れていた。
「イッ君!大丈夫?」
「……うなじが、鎖骨が……」
イッ君が何かをブツブツ呟いていた。
「イッ君、耳まで真っ赤だよ!のぼせちゃった?」
「………のぼせた」
私はイッ君をリビングのソファーに座らせた。
「水で良い?」
イッ君がうなずいてくれたので冷蔵庫からミネラルウォーターを出してイッ君に渡した。
イッ君はそれをゆっくりと飲むと私を見た。
「………雨、やんだ?」
「まだみたい」
「親父か兄貴が居れば送ってもらうんだけどな………」
「………傘貸してくれれば帰れるよ」
「駄目!ナギが心配だ。雨が上がったら俺がナギの家まで送ってく」
イッ君は男らしくそう言ってくれた。
私はイッ君の家のリビングのでかいテレビをつけた。
雨は明日の朝まで降り続くってニュースでやっているのを見てしまった。
「イッ君」
「はい」
「雨やまないって」
「はい」
「………泊まって良い?」
「はぃ?」
イッ君があからさまに驚いた顔をした。
「大丈夫。私はイッ君を襲ったりしないよ」
「………ナギ」
「夕食冷めちゃうよ」
「………」
「オールナイトでゾンビ見よう!」
私はキッチンに戻って夕食を盛り付けた。
「ナギ、俺を何だと思ってる?」
「へ?」
「俺も男だよ」
「知ってるよ」
「………俺がナギを襲うとは考えないの?」
「考えないよ。だってイッ君は女の人に不自由してないでしょ?」
イッ君は少しムッとした顔をした。
言葉のチョイスを間違ってしまっただろうか?
「ナギは滅茶苦茶魅力的だよ」
「あ、ありがとう」
「解ってない」
「へ?」
イッ君は私に近寄るとギュッと私を抱き締め首筋に顔を埋めた。
な、何がおきているだ?
「俺がどれだけナギにドキドキしてるか解んない?」
「い、イッ君?」
「風呂上がりだから凄く良い匂い」
イッ君の鼻が首筋に触ってくすぐったい。
いや、なんだかドキドキしてきてしまった。
「い、イッ君~」
「何?」
「な、何故か……ど、ドキドキして死にそう」
「………それは恋だよ」
「ち、違うよ!イッ君の鼻が肌にあたってるから……」
「………恋だよ」
更にドキドキで死にそうだと思った。
「………ごめん」
イッ君は苦笑いを浮かべて私から離れてくれた。
「でも、俺を含めて男って生き物はエロい事しか考えてないんだから油断したら駄目!絶対!」
「は、はい」
イッ君は食べよう!って何事もなかったようにしてくれたけど、私はドキドキが止まらなくてチャーハンが喉を通らず中華スープで流し込むしかなかったのだった。
かなり変わりました。
残念です。