土曜日
昨日、本分をフル消去と言う事故にみまわれました(泣)
土曜日、イッ君のお家に連れてきてもらいました。
カズ君が車で迎えに来てくれたからヒロちゃんと車に乗り込んで、連れてきてもらいました。
「ようこそ!」
カズ君がドアを開けてくれたが、私は思わずフリーズしてから家を見上げた。
なんてでかい家なんだ。
家の中に案内されて入ると、綺麗な女の人がスマホで電話をしながらスーツの上着を羽織っていた。
「私、今日休みなのにその男なんなの?アンタが何とかしなさいよ!………あ、裕子ちゃんいらっしゃい~!」
「紗季さんお仕事ですか?」
「残念ながらそうなの………そちらは?」
紗季さんと呼ばれた女の人が私を見ながら首をかしげた。
「私の従姉妹のナギちゃんです。」
「ナギ?あれ?どっかで聞いたような?」
紗季さんと呼ばれた女の人は私をマジマジと見つめた。
「こないだ、樹が言ってた子だよね?」
後ろから白髪混じりの黒髪のダンディーな男の人があらわれた。
私は二人に向かって頭を下げた。
「はじめまして、早乙女渚ともうします」
二人はニコニコと私に笑顔をくれた。
「………ヒロちゃん、こちらのダンディーさんがイッ君達のお父さんでこちらの美人さんがお姉さん?」
私が小声でヒロちゃんに聞くと、ヒロちゃんはニコッと笑った。
「お父さんとお母さん」
「………血の繋がらない?」
「血の繋がった」
「嘘だ~。ダンディーさんの美中年具合は解るけど、美人さんにこんなにでかい子供がいるように見えないよ?」
「紗季さんは美魔女ってやつだよ」
「………人じゃ無いって事?なら納得した」
「ちゃんと人だよ。」
「人は老いるんだよ?」
「普通はね!」
「………」
「………」
「「人じゃないって事で」」
私とヒロちゃんが納得していると、ダンディーさんがお腹を抱えていた。
どうやら聞こえてしまったらしい。
「あ、あの、失礼な事を言ってすみませんでした」
思わず頭を下げて謝ると、紗季さんに頭をなでなでされた。
「この子可愛い。もらって良いのかしら?」
「駄目ですよ紗季さん、ナギちゃんは私のです」
ヒロちゃんにぎゅっと抱き締められた。
「………裕子ちゃんもナギちゃんも私のものにすれば良くない?………ってか、仕事行きたくない!」
紗季さんが叫ぶとダンディーさんが紗季さんの頭をポンポンしていた。
こないだイッ君が私の頭をポンポンしてくれたのをおもいだした。
「仕事してる時の紗季は美しいよ」
サラリと言ってのけた甘い言葉に私が赤面してしまいそうだ。
ラブラブのオーラを出している二人をおいてヒロちゃんは私の腕を掴んで、勝手知ったる他人のお家の二階に上がった。
「さあ、樹君が出てくるように説得して」
「へ?」
広い二階の一番奥の部屋の前でヒロちゃんは私にそう言った。
「そんな立て籠り犯みたいな」
「似たようなものよ」
私は仕方なくドアに向かって声をかけた。
「イッ君、ナギだよ」
私の一言にドアは凄い勢いで開いた。
「いらっしゃい。どうぞ入って!」
イッ君は嬉しそうにニコッと笑って私をドアの中に誘導した。
「解ってると思うけど、ナギちゃんにエッチなことしたら殺すから」
ドアが閉まる直前にヒロちゃんの声が聞こえた。
「解ってます。大丈夫です」
イッ君は苦笑いを浮かべてそう言った。
「ごめんね!ヒロちゃん心配性で。イッ君だってそんな事考えても居ないのにね」
「………大丈夫!嫌われたくないからしないよ………今はね」
最後の方が良く聞こえなかったよ?
「最後なんて言ったの?」
「何も、海外ドラマのシリーズ見ようと思ってるんだけど見たことある?」
「それに手を出したら引き返せなくなりそうでまだ見てない」
イッ君はニシシって笑うと言った。
「俺とコンプリートしませんか?」
「1日じゃ見切れないよ?」
「毎週来ればいいよ。家のテレビは定額見放題のテレビサイトに繋がっています」
「なにそれ!天国じゃん!」
「通う?」
「通う!」
イッ君の部屋のテレビでかい上にテレビサイトに繋がっているなんてすごすぎる!
「何インチ?」
「48だったかな?」
「家のリビング32インチなんだけど」
「家のリビング65インチ」
自慢かこの野郎!
羨ましいぞ!
しかもイッ君の部屋、家のリビングぐらいある。
「ここに住めそう」
「住めるよ。シャワー室あるし、トイレもついてるから」
「何それ!凄い!」
「冷蔵庫もあるから引きこもるには最高の部屋だよ」
「イッ君が駄目人間になる」
私がイッ君を見上げるとイッ君は困ったように言った。
「もう、結構駄目人間かも」
「そうなの?じゃあ、私もここに通って駄目人間にならなくては!」
私が笑うとイッ君は驚いた顔のあとヘニャリと柔らかく笑ってくれた。
イケメンがイケメン過ぎてドキドキしてしまったのは仕方がないと思う。
何とか復元しました。
大分変わった気がします。