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恋人つなぎ 樹目線

辛いことがあると、打てなくなりますよね。

 ナギは可愛くて色っぽくてしっかり者で料理上手で知れば知るほど好き以外の感情なんて生まれてこない………

 ナギは俺の事どう思っているんだろ?

 ずっと考えていた。

 だからこそ、男として意識されていないって解ってムカついた。

 大好きで仕方がない気持ちを全部知ってほしくて腕の中に閉じ込めた。

 俺がどんなにナギにドキドキしているか解ってほしかった。

 腕の中でテンパっているナギの耳が真っ赤で、俺はうかれていた。

 キスしたい。

 欲望が溢れて止められなかった。

 キスする気満々でナギの顔をのぞいて、俺は冷静になった。

 顔を真っ赤に染め上げているのに、ナギの眉は下がり不安にかられた顔だったからだ。

 冷静になった頭は急激に冷えた。

 好きで好きで仕方がないから抱きしめたいし、キスだってしたい。

 だけど、俺の今のポジションはただの友人でハグもキスも許されていない。

 それなのに焦ってナギに不安な思いをさせてしまった。

 情けなくて格好悪い。

 ナギに好きになってもらわないといけないのに………

 ナギは俺にスキなんか見せちゃ駄目だ。

 ナギは可愛い女の子なんだから。

 だから、俺も含めて男に油断したら駄目だって言った。

 俺が一番危ないって解って無いんだろうな。

 ナギは俺の何事もなかったふりに徐々にいつも通りになっていった。

 

「完徹でゾンビドラマ~!」


 ナギは楽しそうにテレビに夢中になってしまう。

 もう少し俺の事を考えてくれても良いんじゃないか?


「ナギ」

「うん?」

「怖いから手を繋いでも良い?」


 ナギは呆然とした後ボンッて音がしそうな勢いで真っ赤になった。

 な、何だ、この可愛い生き物は!

 思わずナギの手に自分の手を重ねていた。

 ビクッと肩を跳ねあげていた。

 可愛い。

 ヤバイ、可愛すぎる。


「い、イッ君、怖くないよね?」

「うん」

「じゃあ………何で?」

「ナギと手が繋ぎたいなって思って」

「………無理~」

「うん?もうちょっとだけ」


 ナギは真っ赤なまま俺が重ねている手を見た。

 可愛い。

 俺はナギの手に自分の指を絡めて、恋人つなぎにした。

 また、ナギの肩が跳ねた。

 

「ナギ、テレビ見なくて良いの?」

「………だって………」

「ナギは可愛いね」

「か、からかわないで~」


 からかってなんかいないのに。

 俺はナギから手を離した。


「ナギの手は安心する。また手、繋がせてね」


 ナギは真っ赤顔をプルプル横にふった。


「い、い、イッ君は………怒ってるの?」


 目の前でシュンと顔を下げてしまったナギに俺は慌ててしまった。


「ナギ?」

「私が、女の子に不自由してないとか言ったから怒ったんでしょ?」


 そんなこと言われたのも忘れてた。

 そりゃムカついたけど………


「ナギ」


 顔を上げたナギの目に涙が浮かんでいた。

 

「ご、ごめん!泣かしたかったんじゃないんだ!」


 俺なんかに真っ赤になってくれるのが嬉しくて調子にのってしまった!

 慌ててオロオロする俺に、ナギはニコッと笑った。

 へ?


「イッ君、女って生き物はズルい事ばかり考えてるんだよ」

「へ?」

「女の涙には気を付けて」


 ああ、ナギは俺が思っているよりも可愛いだけの女ではないんだって思った。

 打算的な女なんて嫌いなはずなのに……


「ナギは格好良いね」

「でしょ」

「俺、ナギが好きだよ」

「へ?」

「ナギが好きだ」


 ナギの目から涙がこぼれた。

 ああ、泣かしちゃったな。


「ナギと仲良くなれて良かった」

「………」

「これからも仲良くしてくれる?」


 ズルい言い方をしてるって解ってる。

 ナギが勘違いしてくれたら良い。

 俺が人としてナギを好きで、まだ仲良くしていたいんだって。

 俺はナギと付き合いたいんだよ。

 

「………私もイッ君が好きだよ」


 息が出来ないほど嬉しい言葉に思わずフリーズしてしまう。


「だから、私とお友達で居てください!」


 ………チーン………

 いや、解ってたんだけどね………

 そう思うような言い方したんだけどね………

 期待するとか馬鹿だった。

 ナギは俺がからかっていただけだって判断したのか、俺の手に自分の手を重ねてニコッと笑った。

 しまいには恋人つなぎまでして………


「ドラマの続き見よう!」


 って………

 俺、意識されなさすぎ?

 何だか物凄く負けた気がしたのは俺の勘違いではないはずだ。

辛いことは活動報告にのせようかな?

フローレン話ではないので見なくても大丈夫ですよ(*´・ω・`)

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