表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/38

プロローグ

設定はかなりゆるゆるです。

時折どこかでリアルに経験したことが盛り込まれております(非恋愛エピ内)


「それじゃあ、今日も一日よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

朝十時前。いつもの朝礼で始まる。ここは住宅地の片隅にあるカフェ『エトワール』。

真っ白な白い家と広いイングリッシュガーデンがオープンテラスになっている。

徒歩5分程歩くと駅にも大きな病院にも行けるという立地の良さから客足は順調。

ギャルソン姿のスタッフ達に笑顔を向けてから、オーナーはドアの鍵を開けてエントランスにあるクローズの看板をオープンに変えた。

今日は雲ひとつない青空が広がっている。大きくのびをしてから深呼吸をする。

通りから、オープンと共にやってくる常連さんが歩いてきた。

「おはようございます。開店しますよ」

「おはよう。オーナー。今日も元気だね」

「それだけが取り柄ですから。いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ」

いつものように、今日も穏やかに最初のお客さんをお迎えする。


エトワールは、オーナーとシェフとパティシェが共同経営している店だ。

オーナーは麻生梨佳(あそうりか)。事務全般をメインとしているが、大学は家政学部を卒業していて管理栄養士を取得している。他には学生時代に取得したティーインストラクターとカフェプランナーと事務系の資格が少々。

ホームページの作成は外注しているが、店内の写真とかはオーナーが撮った写真を使っている。趣味で続けていると言うその写真はどこか暖かさが切り取られている様に感じる。

シェフは、桐谷敏也(きりやとしや)。ランチは洋食をリーズナブルな価格で、ディナータイムは予約をすればコース料理を作ってくれる。病院が近いことから塩分量とかをメニューに書くようにオーナーに提案してあり、アレルギーのある子供でも食べられるお子様ランチを提供したりと来た人皆が食事を楽しんで欲しいという思いを持っている。

パティシェは椎名幸雄(しいなさちお)。シェフの桐谷とは調理師学校で知り合った。店内のスイーツだけでなく、テイクアウト専用も作り、アレルギー除去食対応のスイーツも日替わりで置いている。それと製パン学校にも通ったようで、店で提供されるパンも一人で作っている。アレルギー対応でコメパンも作っているのだが、お客さんから頼まれると、材料費のみで作っていたのが口コミで広がって今ではケーキのショーケースの横でパンを販売するようになった。このパンの価格を決める時に、最初の経緯があった為、常連さん達皆に妥当な金額を聞いて回ったという商売ベタな所もある。

そんな三人が初めて会ったのは、パティシェ養成コースの夜間部。昼間は調理師学校に通う二人と大学生なオーナーが出会って意気投合。互いに協力して、エトワールを開業。現在に至る。


そして、この店にはなぜか男性客が多く訪れるのだ。清潔感のある外観とちがって、内装はクラシカルで落ち着いている。そして打ち合わせで利用が出来るように個室も一つだけ用意されている。

専ら利用しているのはオーナー自身だというけれども、それも納得だ。

そして、テーブルも椅子もちょっとゆったりと配置されている。

フローリングの床は綺麗に磨かれているが、滑らないタイプのワックスを使っているという。


そして店内の電話は鳴り響く。オーナーは落ち着き払って受話器を取った。

「はい、予定の時間より遅れると言う事ですね。こちらは構いませんよ。よろしくお願いします」

オーナーは取引先との打ち合わせ変更の電話を快く引き受けて受話器を置いて厨房に向かう。

「ごめんね。正午過ぎに打ち合わせが入ったから。打ち合わせ中は個室なのでお願いします」

「了解。今日はどこだ?」

「会計事務所。今月の収支報告ですって。ランチ終了後にその事で打ち合わせをしましょう」

「その時に、新作メニューの打ち合わせいいか?」

「いいわよ」

「これから、上か?」

「うん。どこまで出来ているか確認しないと」

「そうだな。行って来いよ」

オーナーは、言ってくるねって笑顔になって非常階段を上がって行った。


「おはよう」

「ああ、おはよう。オーナー」

二階はデザートとパンを作れるキッチンになっている。学校の家庭科室みたいな作りになっているのは、オーナーのこだわりがあったらしい。

「作業はどうかしら?」

「順調さ。もうすぐで今日のスイーツの仕込みは終わる。パンも後は焼き上がるだけだ」

「申し訳ないんだけど、お昼に誰かカウンターに入って貰ってもいいかしら?」

「どうした?外出か?」

「会計事務所さん。似た様なものよ」

「それなら、俺がいた方がいいか。バリスタは……まだ出勤していないか」

「そうなの。終わったらすぐに戻るので、それまでお願いします」

「その位構わないさ。自分の店ならオーナーのする事も自分でするからな。感謝しているさ」

「それじゃあよろしくね」

オーナーは忙しくなりそうねって呟きながら店舗に戻って行った。


次回から最初のルートスタートします。

12月6日、一部訂正しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ