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Prologue
暗い場内に観客は誰もいない。物音一つせず正しく静寂とはこの事なのだと悟ってしまうほど。その静寂は長くは続かず、舞台袖の辺りからコツコツと足音が聞こえだす。その足音も直ぐに止み、足音の主と思しき少女にスポットライトが当てられる。年齢は15,6位で銀色の長髪は腰の辺りまで伸びていて目は緑色で整った顔、体は華奢ですらっと背が高く着ている白をベースにした質素なメイド服が似合っている。少女は手に持っていた薄い本を開き、そっと話し始めた。「夜咄シアターにお越しいただき真に有難う御座います。僭越ながら私、アリア・クロードが代表して挨拶させていただきます。」そう言うとアリアは深々と礼をしてさらに語りだす「これより当劇場でお送りいたしますのは“死者の軌跡”でごさいます。では今しばらくそのままの状態でお待ちください。間もなく開始いたします。」そう言うと彼女に向けられたスポットライトは消え、またコツコツコツと足音が鳴りそしてまた静寂に戻っていった。