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seventh  作者: 篠原リラ
第一章
3/19

斜宮学園

斜宮学園へ入りたいか。

そう聞いたのなら、おそらく十人中九人が首を横に振るだろう。

所謂普通の学校とは何もかもが違うからだ。


幻獣、悪魔、妖怪、吸血鬼、獣人、妖精および精霊、そして邪に堕ちた神。

斜宮学園は、かつて七人の偉大なる討伐者たちが自分たちの後継者を生み出すために作りだした、それら「人ならざるもの」と戦うための組織である。

なぜ学園の名を冠しているのか。それは育成のシステムに依るところが大きい。

入学者の年齢は問わないが、入学には試験合格が必須だ。どんなに腕っ節が強くとも、適性がなければ「人ならざるもの」と戦うことはできないからだ。


めでたく合格すると、戦いの基礎知識と体力作りを全員が共通したプログラムで一年目に行う。ここで脱落する者も少なくはない。

二年目には適性検査を行い、それぞれの科に別れて実践的な演習を交えた訓練を行う。学園には六つの科があり、他の科との合同演習などもある。

三年目になると、さらに専門的な知識と応用の効く戦闘術を身につけるための訓練になる。学園に寄せられる依頼などを受けることもあり、他の科と班を組むことも珍しくなくなるのだ。


三年間を学園で過ごし、最終試験に合格すれば晴れて卒業。世界で通じる「討伐者」の称号を得ることができる。

その後は本人の自由だ。家業を継ぐもよし、どこかに雇われるもよし、フリーの討伐者として賞金稼ぎに精を出すのもよし、学園に留まりさらに自分を高めるのもよし。


だが、当然危険も大きい。演習や依頼訓練の最中、命を落としてしまうことも無きにしも非ずだ。

よって、彩芽と映司がサインしたような誓約書の内容になる。




割り当てられた部屋に荷物を運び入れ、一息ついた後で入寮規則を開いた。

見取り図やら学園の歴史やら、いろいろなことが書いてある。ざっと目を通して、彩芽は自分のベッドへ倒れこんだ。


「疲れたか?」


机に向かったまま映司が言う。

少し、と答えて目を閉じた。彼と同室なのが救いだと思う。

四月なのに汗ばむぐらいの陽気で、いつもより早くつけられたであろう扇風機が、傍らで首を振っていた。


「彩芽?」

「……ねむい」


ぼうっとした声で答えると、笑いが返ってくる。


「夕飯前には起こすぞ」

「あーうん……お願いします」

「まったく……」


呆れたような映司の声を遠くに聞きながら、彩芽の意識はゆっくりと落ちていった。

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