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-一章- ~十三~

もうちょっと続きます。


戦闘シーンとかはほとんどないので、あしからず。


では、どうぞ。

鏡side


「な、何で銀司が?っていうか、あの傷はいったい」


「傷はともかく、菜々さん。アレがそうですか?」


九凰さんが黒い何かに身を包んだ銀司を睨みながら言った。


『はいです。あの黒いのなのです。何であの覗きにくっついているかは分かりませんけど』


俺の背に隠れながら言う菜々。

まったく調子のいい幽霊だ。怯え顔で、『守ってくださいますよね?っていうか守ってくれないと許さないです』と言う姿を見ると可愛らしいと思わなくもないが、人を盾にするというのは如何なものか。

まあ、俺は別に構わないし、それだけアレが恐ろしいということなのだろうが。

つーか覗きってなんだ。


「さて、どうしたものですかね。こんな事例は初めてですし、下手に攻撃する訳にも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ったくあの駄犬、本当に使えない」


九凰さんの最後の方の呟きは、聞かなかったことにしよう。

しかし、本当にどうしたものか。物理攻撃で効果があるというならいいが、それで効かなかった場合、ただ銀司を傷つけるだけになる。どのみち、俺には出来ることはあまりなさそうだ。


「九凰さん。そっち方面のプロでしょう。何とか出来ないんですか?何か、俺じゃあんまり役にたたなそう・・・って、おわ!?」


九凰さんに尋ねていると、それまで動きを見せなかった黒銀司が襲い掛かってきた。


「チッ、このぉ!!」


無造作に振り下ろされる爪を半身をずらしてかわし、反射的に拳を銀司の腹に繰り出した。

銀司は回避行動を取ることもせず、拳をくらい身体が中に浮いた。

本来の銀司なら十分に回避行動ないしは何らかの反応が出来たはずだ。反射的にといっても殺すつもりではないのだし、ある程度加減はしたのだから。

俺は殴った手で、空中にある銀司の頭を掴み、そのまま躊躇無く地面に叩き付けた。

その衝撃で若干地面が抉れ、土埃が舞う。


『おお!流石鏡さん。容赦ないです!!」


「この程度、銀司なら大丈夫だろ。多分」


どこか感心したような表情で騒ぐ菜々。見ると、今度は哭月の背に隠れていた。

我ながら酷い言い草だとは思うが、身体が丈夫な人狼ならば、この程度の打撃は問題にならない。筈だ。


「鏡さん。とりあえず、ソレの相手してて下さい。手はこちらで考えます」


「了解。でも、早く頼みますよ。じゃないと、本当に銀司を殺してしまう」


背後の九凰さんに苦笑で言いつつ、よろよろと立ち上がった銀司を睨む。

その目に光は無く、操られているとはいえ、その速度は俊敏。

一歩間違えば、こちらが殺られる可能性だってある。それ故に、あまり加減が出来ない。

相手を縛る捕縛術もあるにはあるが、得体の知れない相手である以上どこまで通用するか分からないし、どんな攻撃をしてくるかも不明。

相手が銀司とはいえ油断は出来ないのだ。

ただ銀司をボコるだけなら簡単だっただろうに。


「はい。善処します。出来れば、あまり外傷は与えず、適度に身体を壊して動けなくしてくれると助かります」


・・・・・・そんなに銀司が嫌いなのだろうか。

そんな、無理難題を九凰さんに押し付けられ、頬が引き攣る。


「んな無茶な・・・・・・・・・・・・まぁ、やるだけやってみますか、ね!!」


俺は、再び向かってきた銀司を迎え撃つため、駆け出した。


鏡side end

はい、すみません。何か、終わるとか言っておいてまだ終わりません。といっても、あと二話で解決まで何とかこぎつけようと思います。

そのうち、とはいっても大分先のことになりますが、「狭間の世界で」をリメイクしようかなと思っています。その本編に、今回の旅行編が加わるかもしれません。登場するキャラは同じですが、構成はかなり変わるかと。

全然先のことですがね。

そんなこんなで後三話ほどになるかと思いますが、お付き合いください。

では、また次回。

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