3-4
マルクスは、再びテレポートで砦に戻った。
「お疲れ様です」
アリアが微笑む。
「さて、次は砦の中を調べよう」
マルクスが言った。
「盗品が、あるはずだ」
七人は、砦の中に入った。
倉庫には、大量の物資。
食料、武器、金貨。
そして、村から奪った品々。
「これ全部...村のものか」
ティグリスが呟く。
「酷いな」
ギムリも怒っている。
「こんなに奪っていたのか」
マルクスは金貨の袋を確認した。
「金貨が、500枚以上ある」
「これも、村から奪ったものだ」
「全部、返そう」
ルーナが頷く。
「そうね」
「村人たちに、返すべきだわ」
カミラが他の部屋を調べている。
「こっちに、人質がいるわ!」
マルクスは駆けつけた。
牢屋に、数人の村人。
女性と子供。
「助けて...」
震えている。
マルクスは、牢屋の鍵をテレキネシスで壊した。
「もう大丈夫です」
「盗賊たちは、全員捕まえました」
村人たちが、涙を流した。
「ありがとう...!」
「本当に、ありがとう...!」
セリアが、村人たちに回復魔法をかける。
「ヒール」
傷が癒えていく。
「さあ、村に帰りましょう」
マルクスは、村人たちと物資を全てテレポートで村に送った。
村は、大歓声に包まれた。
「帰ってきた!」
「盗賊団が倒された!」
「灰色の刃が、救ってくれた!」
村人たちが、マルクスたちに駆け寄る。
「ありがとうございます!」
「命の恩人です!」
涙を流して、感謝する。
マルクスは微笑んだ。
「これが、俺たちの仕事です」
村長が、金貨の袋を持ってきた。
「これは、せめてものお礼です」
だが、マルクスは首を振った。
「いえ、結構です」
「これは、あなたたちのものです」
「俺たちは、ギルドから報酬をもらいます」
マルクスは続けた。
「この金貨は、村の復興に使ってください」
村長は、涙を流した。
「あなた方は...本当に優しい...」
「神の使いだ...!」
村人たちも、感動している。
「ありがとう...!」
「一生、忘れません!」
マルクスは、村人たちに頭を下げた。
「それでは、失礼します」
七人は、村を後にした。
歩きながら、ティグリスが笑った。
「金貨、受け取らなかったな」
「村の方が、必要だからな」
マルクスは答えた。
「俺たちは、十分持ってる」
ギムリも頷く。
「確かにな」
「俺たち、もう金貨6000枚以上持ってるし」
ルーナが微笑む。
「それに、村人たちの笑顔が見れた」
「それが、一番の報酬よ」
カミラも賛成した。
「そうね」
「お金より、大切なものがあるわ」
アリアが嬉しそうだ。
「人を助けるって、いいですね」
「心が温かくなります」
セリアが祈っている。
「神に感謝します」
マルクスは空を見上げた。
青い空。
白い雲。
「前世では、こんな気持ちになれなかった」
「毎日、数字を追いかけて」
「売上、利益、目標」
「でも、それだけじゃ」
「心は満たされなかった」
マルクスは仲間たちを見た。
「この世界では、違う」
「人を助けて、感謝されて」
「仲間と笑い合って」
「これが、本当の幸せだ」
ティグリスが肩を叩いた。
「そうだな」
「俺たちは、幸せ者だ」
七人は、王都への帰路についた。
夕日が、彼らを照らしている。
「さあ、帰ったら」
マルクスが言った。
「アリシアに、土産話をしよう」
「それと、ギルドに報告だ」
全員が頷いた。
「了解!」
灰色の刃の、また一つの冒険が終わった。
王都に戻ると、夜になっていた。
「まず、ギルドに報告するぞ」
マルクスが言った。
七人は、冒険者ギルドに向かった。
夜のギルドは、まだ賑わっている。
「いらっしゃいませ...あ!」
受付嬢が驚いた。
「もう、戻られたんですか!?」
「ええ、任務完了です」
マルクスは、報告書を渡した。
「盗賊団50人、全員捕縛」
「人質5人、全員救出」
「盗品、全て村に返却」
受付嬢は、報告書を読んで驚愕した。
「た、たった一日で!?」
「しかも、死者なし!?」
「ええ」
マルクスは頷いた。
「全員、王都の牢にいます」
「確認してください」
受付嬢は、慌ててギルドマスターを呼んだ。
ギルドマスターが現れた。
「本当か? 一日で?」
「はい」
「信じられん...」
ギルドマスターは、首を振った。
「Sランクとは、こういうことか...」
「報酬の金貨500枚だ」
マルクスは受け取った。
「ありがとうございます」
一人当たり、71枚と銀貨42枚。
ギルドマスターが続けた。
「それと、村からも感謝状が届いている」
「君たちは、英雄だ」
マルクスは微笑んだ。
「俺たちは、ただの冒険者です」
ギルドを出ると、ティグリスが伸びをした。
「さて、これから飲みに行くか?」
「いや」
マルクスは首を振った。
「俺は、アリシアの元に帰る」
「妻を、待たせすぎた」
ギムリが笑った。
「新婚だもんな」
「じゃあ、俺たちだけで飲むか」
ルーナも頷く。
「そうしましょう」
マルクスは、仲間たちに手を振った。
「また明日」
「おう、気をつけてな」
マルクスは、テレポートで自宅に戻った。
「ただいま」
アリシアが、笑顔で迎えた。
「お帰りなさい」
「無事で、良かった」
マルクスは、アリシアを抱きしめた。
「心配かけたな」
「いいえ」
アリシアは微笑んだ。
「あなたの帰りを、信じていました」
二人は、食堂で夕食を取った。
「今日は、どんな冒険だったんですか?」
アリシアが聞く。
マルクスは、盗賊団討伐の話をした。
村人の救出。
人質の解放。
物資の返却。
「素晴らしいですね」
アリシアが微笑む。
「あなたは、本当に優しい方です」
「村の金貨も、受け取らなかったんですね」
マルクスは頷いた。
「村の方が、必要だからな」
「俺たちは、十分持っている」
アリシアは、マルクスの手を握った。
「だから、あなたを愛しているんです」
「強いだけじゃなく」
「優しくて、正義感がある」
マルクスは照れくさそうに笑った。
「褒めすぎだ」
夕食後、二人はバルコニーに出た。
満月が、王都を照らしている。
「綺麗な月ですね」
アリシアが呟く。
マルクスは、アリシアの肩を抱いた。
「ああ、綺麗だ」
「でも、お前の方が綺麗だ」
アリシアは顔を赤らめた。
「もう...」
二人は、しばらく月を眺めていた。
静かな時間。
穏やかな夜。
「マルクス様」
アリシアが、小さな声で言った。
「私...嬉しい報告があります」
「何だ?」
アリシアは、マルクスの目を見た。
涙が浮かんでいる。
だが、嬉しそうな涙。
「私...赤ちゃんができたみたいです」
マルクスは、一瞬固まった。
「え...?」
「赤ちゃん...?」
アリシアは頷いた。
「ええ」
「まだ確実ではありませんが」
「おそらく...」
マルクスは、アリシアを優しく抱きしめた。
「本当か...!」
涙が溢れてきた。
「俺が...父親に...」
前世では、家族を持てなかった。
結婚もできなかった。
子供なんて、夢のまた夢だった。
だが、この世界では。
妻がいて。
子供ができる。
「ありがとう...」
マルクスは、アリシアの額にキスをした。
「本当に、ありがとう」
アリシアも涙を流していた。
「こちらこそ」
「あなたと出会えて」
「本当に、幸せです」
灰色の刃 - 新しい命
翌朝。
マルクスは、早朝に目を覚ました。
隣で、アリシアが安らかに眠っている。
「赤ちゃんか...」
マルクスは、そっとアリシアのお腹に手を当てた。
まだ、何も感じない。
だが、そこに新しい命がある。
「俺の子供...」
マルクスの目に、涙が浮かんだ。
「前世では、考えられなかった」
「家族も、子供も」
「全て、諦めていた」
「でも、この世界では」
「全てを手に入れた」
マルクスは、窓の外を見た。
朝日が、王都を照らしている。
「これからは、もっと慎重に行動しないと」
「父親になるんだから」
その時、テレパシーが響いた。
(マルクス、起きてるか?)
ティグリスの声だ。
(ああ、どうした?)
(今日も、依頼を受けに行こうと思ってるんだが)
マルクスは少し考えた。
アリシアが妊娠している。
あまり危険な依頼は避けるべきか。
だが。
(わかった。少し待ってくれ)
マルクスは、アリシアを起こした。
「アリシア」
「んん...おはようございます」
「今日も、依頼を受けに行こうと思うんだが」
「お前が妊娠しているから」
「少し控えた方がいいかと思って」
アリシアは首を振った。
「いいえ、行ってください」
「え?」
「あなたは、冒険者です」
「それに、灰色の刃の団長です」
「民衆を守るのが、使命です」
アリシアは微笑んだ。
「私は、ここで待っています」
「あなたを、信じています」
マルクスは、アリシアの手を握った。
「ありがとう」
「でも、約束する」
「無茶はしない」
「必ず、帰ってくる」
アリシアは頷いた。
「はい、待っています」
マルクスは、アリシアにキスをした。
「行ってくる」
「行ってらっしゃい」
30分後。
マルクスは、屋敷の庭で仲間たちに会った。
「おはよう」
「おう、おはよう」
ティグリスが笑った。
「今日は、何の依頼にする?」
マルクスは少し考えた。
「今日は...あまり危険じゃない依頼がいい」
「護衛とか、調査とか」
ギムリが驚いた。
「お前がそんなこと言うなんて」
「どうした?」
マルクスは微笑んだ。
「実は...アリシアが妊娠したんだ」
一同が、驚いた。
「え!?」
「本当か!?」
ティグリスが目を見開いた。
「マジかよ!」
ギムリも驚いている。
「お前、父親になるのか!」
ルーナが駆け寄ってきた。
「おめでとう、マルクス!」
カミラも微笑んでいる。
「素敵なニュースね」
アリアは感動で涙ぐんでいた。
「おめでとうございます...!」
セリアが祈るように手を組んだ。
「神の祝福がありますように」
マルクスは照れくさそうに笑った。
「ありがとう、みんな」
「だから、今日は無茶はできない」
「父親としての責任がある」
ティグリスが肩を叩いた。
「当然だ」
「お前には、守るべき家族がいる」
「俺たちも、全力でサポートする」
ギムリも頷く。
「そうだ」
「お前の子供は、俺たちの甥っ子だからな」
「大切に守る」
ルーナが微笑む。
「私も、叔母さんになるのね」
「楽しみだわ」
カミラが言った。
「じゃあ、今日は本当に安全な依頼にしましょう」
「護衛とか、調査とか」
アリアも賛成した。
「はい、マルクスさんの身の安全が第一です」
セリアが続けた。
「神も、家族を大切にすることを望んでおられます」
マルクスは、仲間たちを見渡した。
涙が、溢れそうになった。
「ありがとう...」
「お前たちがいてくれて」
「本当に、良かった」
ティグリスが笑った。
「何を言ってるんだ」
「俺たちは、家族だろ」
「ああ」
マルクスは頷いた。
「家族だ」
七人は、抱き合った。
温かい絆。
強い絆。
それが、灰色の刃だ。
「さあ、ギルドに行こう」
マルクスが言った。
「安全な依頼を、探しに」
全員が頷いた。
「了解!」
七人は、笑顔で冒険者ギルドに向かった。
新しい命が宿り。
新しい未来が始まる。
灰色の刃の物語は。
まだまだ、続いていく。
冒険者ギルド。
七人は、依頼掲示板の前に立っていた。
「護衛の依頼は...」
マルクスが掲示板を見る。
『商人の護衛。王都から東の街まで。報酬:金貨100枚』
『貴族の娘の護衛。舞踏会まで。報酬:金貨150枚』
『学者の護衛。遺跡調査。報酬:金貨200枚』
ティグリスが指差した。
「遺跡調査の護衛、どうだ?」
「学者を守りながら、遺跡を探索」
「戦闘は少なそうだ」
ギムリも頷く。
「いいんじゃないか」
「遺跡なら、魔物も少ないだろ」
マルクスは依頼書を取った。
「これにしよう」
受付嬢が、依頼を受理する。
「学者のフェリックス先生です」
「古代文明の研究者で」
「東の森にある遺跡を調査したいそうです」
「わかりました」
マルクスは頷いた。
「いつ出発ですか?」
「明日の朝、東門で待ち合わせです」
「了解しました」
七人は、ギルドを後にした。
「遺跡調査か」
ルーナが呟く。
「久しぶりね、こういう平和な依頼」
カミラも微笑んでいる。
「たまには、いいわね」
「戦闘ばかりじゃ、疲れるし」
アリアが嬉しそうだ。
「古代文明...興味深いです」
「どんな遺跡なんでしょう」
セリアが祈っている。
「神の導きがありますように」
マルクスは空を見上げた。
「明日は、のんびり行こう」
「家族のためにも」
「無茶はしない」
ティグリスが笑った。
「そうだな」
「お前も、変わったな」
「昔は、もっと無茶してた」
マルクスは微笑んだ。
「守るべきものができたからな」
「アリシアと、子供」
「それに、お前たち」
「だから、慎重に行動する」
ギムリが頷く。
「いいことだ」
「強いだけじゃ、駄目だ」
「生きて帰ることが、一番大事だ」
七人は、屋敷に戻った。
マルクスは、アリシアに報告した。
「明日、遺跡調査の護衛に行く」
「危険は少ない」
「すぐに帰ってくる」
アリシアは微笑んだ。
「わかりました」
「気をつけて」
マルクスは、アリシアを抱きしめた。
「約束する」
「必ず、無事に帰ってくる」
翌朝。
七人は、東門で学者を待っていた。
「おはようございます!」
白髪の老人が現れた。
フェリックス。60代。
分厚い眼鏡をかけている。
「私が、フェリックスです」
「よろしくお願いします!」
マルクスは頭を下げた。
「こちらこそ」
「『灰色の刃』です」
フェリックスの目が輝いた。
「おお! あの伝説の!」
「Sランク冒険者の!」
「こんな凄い方々に護衛していただけるなんて!」
「光栄です!」
ティグリスが笑った。
「そんなに喜んでもらえると」
「こっちも嬉しいな」
フェリックスは、地図を広げた。
「では、行きましょう」
「遺跡は、東の森の奥です」
「徒歩で、半日ほどです」
「わかりました」
マルクスは頷いた。
「では、出発しましょう」
八人は、東門から出た。
森への道。
鳥のさえずり。
爽やかな風。
「いい天気ですね」
フェリックスが嬉しそうだ。
「遺跡調査には、最高の日和です」
ギムリが聞いた。
「先生、どんな遺跡なんですか?」
「ああ、それはですね」
フェリックスは興奮気味に語り始めた。
「古代魔法文明の遺跡です」
「今から1000年前」
「高度な魔法技術を持っていた文明が」
「この地にあったんです」
アリアが目を輝かせた。
「1000年前の魔法文明!」
「どんな魔法を使っていたんですか?」
「それが、まだわかっていないんです」
フェリックスは続けた。
「遺跡には、古代文字が刻まれています」
「それを解読すれば」
「失われた魔法技術が」
「明らかになるかもしれません」
マルクスは興味深そうに聞いている。
「古代の魔法か...」
「現代の魔法より、強力なんですか?」
「おそらく」
フェリックスは頷いた。
「古代文明は、我々よりも」
「遥かに進んでいたと言われています」
ルーナが周囲を警戒している。
「魔物の気配は、ないわね」
「平和な道だわ」
カミラも頷く。
「このまま、何事もなく着くといいわね」
数時間後。
八人は、森の奥に到着した。
そこには、巨大な石造りの遺跡。
崩れかけた塔。
苔むした壁。
古代の文字。
「これが...古代遺跡...」
マルクスが呟いた。
巨大な石門。
壁一面に、複雑な文字。
「素晴らしい...!」
フェリックスが感動している。
「保存状態が、良好です!」
「これなら、文字が読めるかもしれない!」
老学者は、早速壁に近づいた。
ノートを取り出し、文字を書き写し始める。
マルクスは、遺跡の中を見た。
暗い通路。
奥に続いている。
「魔力の反応がある」
マルクスが呟く。
「奥に、何かある」
ティグリスが剣を抜いた。
「魔物か?」
「いや、違う」
マルクスは首を振った。
「魔法装置のような...」
「まだ、動いている?」
ギムリが驚く。
「1000年前の装置が?」
「ああ」
マルクスは頷いた。
「古代の魔法技術は、凄まじいな」
フェリックスが振り返った。
「皆さん、中に入りましょう!」
「きっと、貴重な発見があるはずです!」
七人は、フェリックスを守りながら遺跡の中に入った。
松明を灯す。
石の廊下。
壁には、古代文字と絵。
「これは...魔法陣の図です」
アリアが壁を見ている。
「現代の魔法陣より、複雑ですね」
「ああ」
マルクスも観察する。
「幾何学的で、精密だ」
「これを解読できれば」
「新しい魔法が使えるかもしれない」
廊下を進むと、広い部屋に出た。
中央に、巨大な石柱。
その上に、青く光る水晶。
「あれは...!」
フェリックスが叫んだ。
「魔力水晶です!」
「古代文明の動力源!」
「まだ、魔力を保っている!」
マルクスは、水晶に近づいた。
膨大な魔力を感じる。
「これは...凄い」
「この魔力量は」
「俺の、100倍以上だ」
その時。
水晶が、強く光り始めた。
ブゥゥゥン...
低い音が響く。
「まずい...!」
マルクスが叫んだ。
「何かが、起動した!」
石柱の周りに、魔法陣が浮かび上がる。
そして、その中から。
光の人型が、現れた。
「侵入者...検知...」
機械的な声。
「排除...スル...」
光の人型が、手を上げた。
「全員、散開!」
マルクスが叫んだ。
光の人型が、魔法を放つ。
「ライトニングボルト!」
巨大な雷が、床を焼く。
七人は、素早く避ける。
「なんだ、こいつは!?」
ティグリスが驚く。
「古代の守護者です!」
フェリックスが叫んだ。
「遺跡を守るために作られた!」
「魔法で動く自動人形!」
ギムリが戦斧を投げる。
だが、光の体を通り抜ける。
「物理攻撃が効かない!」
「魔法で攻撃しろ!」
マルクスが命令した。
アリアが魔法を放つ。
「ファイアボール!」
炎が、守護者に命中。
「グゥゥゥ...」
守護者が、少し怯む。
「効いてる!」
ルーナが魔法の矢を放つ。
「マジックアロー!」
守護者に命中。
カミラも魔法短剣を投げる。
次々と、魔法攻撃が守護者を襲う。
だが、守護者は倒れない。
「再生...スル...」
光の体が、元に戻る。
「くそ...! 再生能力があるのか!」
マルクスは考えた。
「なら、動力源を断つ!」
マルクスは、水晶を見た。
「あの水晶が、エネルギー源だ!」
「あれを破壊すれば、守護者も止まる!」
「やってみろ!」
ティグリスが守護者を引きつける。
マルクスは、水晶に向かって走った。
「テレキネシス!」
水晶を、魔力で掴む。
だが。
「バリアが...!」
水晶の周りに、強力な魔法障壁。
「くそ...! 硬い!」
守護者が、マルクスに向かって魔法を放つ。
「ファイアストーム!」
炎の竜巻。
「危ない!」
セリアがバリアを張る。
「バリア!」
光の壁が、炎を防ぐ。
「ありがとう、セリア!」
マルクスは、再び水晶に集中した。
「もっと、魔力を込める!」
「テレキネシス!」
最大出力。
水晶の障壁が、軋む。
ピシッ。
ひびが入る。
「もう少し...!」
「テレキネシス!」
バキィ!
障壁が、砕け散った。
「今だ!」
マルクスは、水晶を魔力で握りつぶした。
パリィン!
水晶が、粉々になる。
瞬間。
守護者の光が、消えた。
「侵入者...排除...失敗...」
守護者が、消滅する。




