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悪い奴を成敗する話  作者: 慈架太子


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18/24

3-1


一週間後。

マルクスは、王宮に呼ばれていた。

王の私室。

王エドワード三世が、深刻な表情で座っている。

「よく来てくれた、マルクス伯爵」

「何か、ありましたか?」

王は、書類を差し出した。

「これを見てくれ」

マルクスは、書類を読んだ。

目が、徐々に険しくなる。

『闇の教団に関する報告書』

「王国各地で、闇の教団の活動が確認されている...」

「南部では、村が丸ごと消失」

「東部では、貴族が暗殺」

「西部では、謎の疫病が発生」

マルクスは顔を上げた。

「全て、闇の教団の仕業ですか?」

「おそらく」

王は頷いた。

「北部での魔物大量発生も、彼らの仕業だった」

「そして、今度は別の手段で攻撃してきている」

「目的は?」

「王国の崩壊だ」

王は立ち上がった。

「彼らは、既存の秩序を破壊し」

「新しい世界を作ろうとしている」

「そのために、王国を混乱させている」

マルクスは拳を握った。

「許せない」

「そなたに、頼みたい」

王はマルクスを見た。

「闇の教団を、壊滅させてほしい」

「教主を見つけ出し、始末してほしい」

「承知しました」

マルクスは即答した。

「だが、情報が少ない」

「教団の本拠地は、どこですか?」

「それが...わからないのだ」

王は苦い顔をした。

「教団は、巧妙に隠れている」

「スパイを放っても、すぐに殺される」

「手がかりすら、掴めない」

マルクスは考え込んだ。

「なら、こちらから罠を張ります」

「罠?」

「ええ」

マルクスは説明し始めた。

「闇の教団は、俺たちを敵視しているはず」

「北部で、司祭ゼノスを殺した」

「必ず、復讐に来る」

「その時を、待ち伏せる」

王は理解した。

「なるほど...そなたたちを囮にするのか」

「ああ」

マルクスは頷いた。

「俺たちが、目立つように動く」

「そうすれば、教団が動く」

「その足跡を追って、本拠地を見つける」

王は少し不安そうだった。

「危険ではないか?」

「大丈夫です」

マルクスは自信に満ちていた。

「俺たちは、どんな敵が来ても倒せます」

「それに」

マルクスは微笑んだ。

「教団を挑発すれば、向こうから来てくれる」

「手間が省けます」

王は笑った。

「そなたは、本当に頼もしいな」

「では、頼んだぞ」

「報酬は?」

「教団を壊滅させたら、金貨5000枚」

「それと、公爵位を授ける」

マルクスは驚いた。

「公爵...ですか?」

「ああ」

王は頷いた。

「闇の教団は、王国最大の脅威だ」

「それを倒せば、そなたは王国の大恩人だ」

「公爵位にふさわしい」

マルクスは頭を下げた。

「ありがとうございます」

「必ず、成功させます」


屋敷に戻ると、仲間たちに作戦を説明した。

「闇の教団を、おびき出す」

「そのために、俺たちが目立つ」

ティグリスが笑った。

「目立つって、どうやって?」

「簡単だ」

マルクスは答えた。

「王都で、派手に活動する」

「悪人を狩り、民衆を助ける」

「『灰色の刃』の名を、さらに広める」

「そうすれば、教団が黙っていない」

ギムリが戦斧を握った。

「なるほどな。向こうから来てくれるわけか」

ルーナが心配そうに聞いた。

「でも、教団はどれくらい強いの?」

「わからない」

マルクスは正直に答えた。

「だが、司祭ゼノスは相当な実力者だった」

「教主は、それ以上だろう」

「それに、メンバーも何人いるかわからない」

カミラが微笑んだ。

「でも、勝つんでしょ?」

「もちろんだ」

マルクスは断言した。

「俺たちは、今までどんな敵も倒してきた」

「騎士団長、商人、貴族、侯爵、公爵」

「そして、魔物の大群」

「全て、勝ってきた」

「闇の教団も、同じだ」

アリアが魔法書を開いた。

「私たち、もっと強くなりましょう」

「新しい魔法を、習得しましょう」

「そうだな」

マルクスは頷いた。

「これから一ヶ月、訓練する」

「魔法を磨き、連携を完璧にする」

「そして、闇の教団との決戦に備える」

セリアが祈るように手を組んだ。

「神のご加護がありますように」

全員が立ち上がった。

(了解!)

テレパシーの声が、響く。

マルクスは窓の外を見た。

「闇の教団」

「お前たちが、次の敵だ」

「覚悟しろ」

「灰色の刃が、お前たちを狩る」

夜が、王都を包んでいく。

新たな戦いの、幕が上がろうとしていた。

闇の教団との、最終決戦が。

近づいている。


(続く)

マルクスと仲間たちの戦いは、まだまだ続く。

前世の知識と、この世界の魔法。

そして、最強の絆。

全てを武器に、理不尽と戦い続ける。

灰色の刃の物語は、終わらない。



一ヶ月後。

マルクスたちは、想像以上に強くなっていた。

屋敷の訓練場。

マルクスは、複数の標的を同時に操っていた。

「テレキネシス」

10個の石が、空中で複雑な動きをする。

そして、全てが同時に的に命中する。

「完璧だ」

アリアも、新しい魔法を習得していた。

「サンダーストーム!」

空から、無数の雷が降り注ぐ。

訓練用の人形が、一瞬で焼け焦げる。

「威力が、以前の三倍です!」

ティグリスは、剣技を磨いていた。

一瞬で、10体の人形を斬り倒す。

「速度が上がった」

ギムリも、戦斧の扱いが上達していた。

一撃で、石の壁を砕く。

「パワーも増したぜ」

ルーナは、動く標的を百発百中で射抜く。

「精度が完璧になったわ」

カミラは、毒と暗器の技術を向上させていた。

「新しい毒を開発したの」

「これなら、どんな敵も倒せるわ」

セリアは、回復魔法の範囲を広げていた。

「全員を、同時に回復できます」

そして、全員で連携訓練。

テレパシーで意思疎通しながら、完璧なチームワーク。

「俺たちは、さらに強くなった」

マルクスが言った。

「これなら、どんな敵が来ても勝てる」


その夜。

マルクスは、執務室で報告書を読んでいた。

「闇の教団の動きが、活発化している...」

各地で、事件が起きている。

村の消失。

貴族の暗殺。

謎の疫病。

「確実に、こちらを狙っている」

その時、窓が開いた。

黒い影が、部屋に侵入する。

マルクスは即座に反応した。

「テレキネシス!」

影の体が、動かなくなる。

「な...!?」

影は、黒装束の男だった。

マルクスは、男を壁に押し付けた。

「何者だ」

「く...俺は...」

男は、何か言おうとした。

だが、その時。

男の口から、黒い煙が出た。

「ぐああああ!」

男が、苦しみ始める。

「毒か!?」

数秒後、男は絶命した。

マルクスは舌打ちした。

「自決用の毒...」

「闇の教団の刺客か」

マルクスは、男の服を調べた。

懐から、一枚の紙が出てきた。

『灰色の刃へ

我々は、お前たちを排除する

三日後の満月の夜

王都の廃教会で待つ

来なければ、王女アリシアを殺す

闇の教団・教主』

マルクスの目が、鋭くなった。

「ついに、来たか」

マルクスは、すぐに仲間たちを集めた。


深夜。

全員が、執務室に集まった。

マルクスは、紙を見せた。

「闇の教団から、挑戦状だ」

全員が、紙を読む。

「三日後、王都の廃教会...」

ティグリスが呟く。

「罠だな」

「ああ」

マルクスは頷いた。

「確実に、罠だ」

「だが、行くしかない」

「王女殿下が、人質にされている」

ギムリが拳を鳴らした。

「なら、全力で叩き潰すだけだ」

ルーナが地図を見る。

「廃教会は、王都の北端」

「周囲は、廃墟だらけ」

「伏兵を配置しやすい場所ね」

カミラが考え込んでいる。

「教団は、何人くらいいるのかしら」

「わからない」

マルクスは答えた。

「だが、教主と幹部が来るはずだ」

「おそらく、10人から20人」

「それに、雑魚が100人ほど」

アリアが不安そうだ。

「100人以上...大丈夫でしょうか」

「大丈夫だ」

マルクスは断言した。

「俺たちは、侯爵の私兵100人を倒した」

「教団も、同じだ」

「それに」

マルクスは全員を見渡した。

「俺たちは、一ヶ月訓練した」

「以前より、遥かに強い」

「勝てる」

全員が頷いた。

「では、作戦を立てる」

マルクスは地図を広げた。

「三日後、廃教会へ向かう」

「だが、正面からは行かない」

「周囲から、教団の配置を確認する」

「そして、最適なタイミングで突入する」

「目標は、教主の捕獲または排除」

「それと、王女アリシア様の救出」

「優先順位は?」

ティグリスが聞く。

「王女様だ」

マルクスは即答した。

「まず、王女様を安全な場所に移す」

「その後、教主を倒す」

「了解」

マルクスは、各自の役割を説明し始めた。

詳細な配置。

緊急時の対応。

撤退ルート。

全てを、細かく決めていく。

三時間後。

完璧な作戦が、完成した。

「これで、勝てる」

マルクスは確信していた。

「三日後」

「闇の教団を、壊滅させる」

全員が立ち上がった。

(了解!)

テレパシーの声が、力強く響く。


三日後の朝。

マルクスは、王宮に向かった。

王女アリシアに、状況を説明するため。

だが。

王女の部屋に着くと、衛兵が倒れていた。

「まずい...!」

マルクスは部屋に飛び込んだ。

空っぽだった。

窓が開いている。

机の上に、血文字で書かれたメッセージ。

『遅かったな

王女は、すでに我々の手の中だ

今夜、廃教会で待つ

闇の教団』

マルクスは拳を握りしめた。

「くそ...先手を取られた...!」

(全員、緊急招集!)

マルクスがテレパシーで叫んだ。

(王女が、拉致された!)

(今夜、決戦だ!)

仲間たちの声が、響く。

(了解!)

マルクスは窓から外を見た。

「闇の教団...」

「今夜、決着をつける」

「必ず、王女様を救い出す」

「そして、お前たちを全員倒す」

夕日が、王都を赤く染めていく。

運命の夜が、近づいていた。

灰色の刃と、闇の教団の。

最終決戦が。



夜。

満月が、王都を照らしている。

マルクスたちは、廃教会の周囲に配置についていた。

古びた石造りの建物。

窓は割れ、壁は崩れかけている。

「周囲に、敵の気配がある」

マルクスが魔力探知をする。

「30人...いや、50人」

「思ったより多いな」

(全員、警戒しろ)

マルクスがテレパシーで伝える。

(ティグリス、東側)

(ギムリ、西側)

(ルーナ、南側の屋根)

(カミラ、北側)

(アリア、俺の隣)

(セリア、後方待機)

(了解)

全員の声が響く。

マルクスは、教会の正門を見つめた。

「行くぞ」

マルクスとアリアが、正門に近づく。

扉が、ゆっくりと開いた。

中は、薄暗い。

蝋燭の明かりだけが、揺れている。

奥の祭壇に、人影が見えた。

黒いローブを纏った男。

そして、その足元に。

縛られた王女アリシア。

「アリシア様...!」

アリアが叫びかける。

黒いローブの男が、フードを外した。

白髪の老人。

鋭い目つき。

不気味な笑み。

「よく来たな、灰色の刃」

老人の声が、教会に響く。

「私が、闇の教団の教主」

「ダークロード・モルガンだ」

マルクスは、冷静に観察する。

「王女を、解放しろ」

「ふふふ...」

モルガンが笑った。

「解放する? なぜ私が、そんなことを?」

「王女は、人質だ」

「お前たちを、ここに呼ぶための餌だ」

マルクスの目が、鋭くなる。

「お前たちの目的は何だ」

「世界の破壊か?」

「いや」

モルガンは首を振った。

「我々の目的は、再生だ」

「この腐った世界を、一度滅ぼし」

「新しい世界を作る」

「そのために、既存の秩序を壊す」

「王国を、崩壊させる」

マルクスは拳を握った。

「狂ってる」

「狂っている?」

モルガンの目が、光った。

「お前も、この世界の腐敗を知っているだろう」

「貴族の横暴、民衆の苦しみ」

「お前は、それと戦ってきた」

「ならば、我々と同じではないか?」

「違う」

マルクスは即答した。

「俺は、世界を壊さない」

「変えるんだ。少しずつ」

「悪人を倒し、民衆を守り」

「この世界を、より良い場所にする」

「だが、お前は違う」

「全てを破壊しようとしている」

「無辜の民も、子供も、老人も」

「全て巻き込もうとしている」

「それが、俺とお前の違いだ」

モルガンの顔が、歪んだ。

「ならば」

「お前を、ここで殺す」

モルガンが手を上げた。

教会の影から、黒装束の男たちが現れた。

50人。

全員、武器を持っている。

「殺せ」

モルガンが命令した。

黒装束の男たちが、一斉に襲いかかる。

だが、マルクスは動じなかった。

(全員、突入!)

テレパシーで叫ぶ。

教会の窓が、次々と割れた。

ティグリス、ギムリ、ルーナ、カミラ。

四人が、一斉に飛び込んでくる。

「遅くなったな!」

ティグリスが剣を振るう。

黒装束の男、5人を斬り倒す。

ギムリが戦斧を叩きつける。

10人を吹き飛ばす。

ルーナの矢が、次々と飛ぶ。

正確に、敵の急所を射抜く。

カミラが短剣を投げる。

三人の喉を貫く。

アリアが魔法を放つ。

「サンダーストーム!」

雷が、敵を焼く。

戦闘が、始まった。

マルクスは、モルガンを見据えた。

「お前の相手は、俺だ」

「テレポート」

マルクスは、一瞬でモルガンの目の前に転移した。

モルガンが驚く。

「速い...!」

マルクスは、剣を振るう。

だが、モルガンは影のように消えた。

「影遁か」

背後から、モルガンの声。

「ダークブレード!」

黒い刃が、マルクスを襲う。

マルクスは、テレポートで回避。

「テレポート」

再び、モルガンの背後に転移。

「テレキネシス!」

モルガンの体を、魔力で拘束する。

だが、モルガンは笑った。

「その程度か」

黒い魔力が爆発する。

マルクスの拘束が、解ける。

「やはり、教主だけあって強い」

マルクスは、本気を出すことにした。

「なら、これで行く」

マルクスは、両手を前に出した。

「連続テレキネシス」

複数の方向から、同時に魔力を放つ。

モルガンの体を、あらゆる角度から締め付ける。

「ぐ...!」

モルガンの防御が、軋む。

「まだだ!」

さらに魔力を込める。

「テレキネシス!」

「テレキネシス!」

「テレキネシス!」

何度も、何度も。

モルガンの防御が、ついに崩れた。

「ぐああああ!」

「今だ!」

マルクスは、最後の魔法を放った。

「テレキネシス!」

モルガンの首を、魔力で掴む。

そして、ねじろうとした。

だが。

「甘い!」

モルガンの体が、黒い霧になって消えた。

「また影分身か!」

天井から、モルガンの声。

「お前の魔法は、全て読んだ」

「もう、通用しない」

マルクスは見上げた。

モルガンが、天井に立っている。

「ならば」

マルクスは、新しい戦術に切り替えた。

「アリア!」

「はい!」

アリアが、魔法を放つ。

「サンダーボルト!」

雷が、モルガンを襲う。

モルガンは、影遁で回避しようとした。

だが、その瞬間。

マルクスがテレポートで、モルガンの逃げ先に先回りしていた。

「読んだ」

「テレキネシス!」

至近距離から、魔力を放つ。

モルガンの体が、拘束される。

「な...!?」

「終わりだ」

マルクスは、モルガンの首を魔力で掴んだ。

そして。

ねじった。

グキッ。

モルガンの体が、地面に落ちる。

「やった...!」

だが、その時。

モルガンの死体が、煙のように消えた。

「まだ、影分身か!?」

背後から、モルガンの笑い声。

「ふふふ...お前は、まだ真の力を見ていない」

マルクスが振り返ると。

モルガンの体が、巨大化していた。

黒い翼が生え、角が伸びる。

「これが、私の真の姿だ」

「闇の魔王、モルガン!」

教会が、黒い魔力で満たされる。

マルクスは、仲間たちを見た。

黒装束の敵は、ほぼ全滅している。


その時、全員に光が注いだ。

キィン!


『レベルアップ!』

『マルクス レベル60 → レベル61』

『ティグリス レベル57 → レベル58』

『ギムリ レベル54 → レベル55』

『ルーナ レベル51 → レベル52』

『アリア レベル58 → レベル59』

『セリア レベル55 → レベル56』

『カミラ レベル49 → レベル50』


(また上がった)

ギムリの声。


「全員、俺に合流しろ!」

仲間たちが、駆け寄ってくる。

「あれは...何だ!?」

ティグリスが驚く。

「教主の、真の姿だ」

マルクスは答えた。

「全員で、戦う」

「総力戦だ」

全員が、武器を構えた。

灰色の刃、7人。

対、闇の魔王モルガン。

最終決戦が、始まる。



「全員、散開しろ!」

マルクスが叫んだ。

巨大化したモルガンが、腕を振るう。

黒い魔力の波が、床を砕く。

「くそ、でかいだけじゃねえ!」

ティグリスが剣で受け止めるが、吹き飛ばされる。

「ティグリス!」

セリアが駆け寄る。

「ヒール!」

回復魔法が、ティグリスを癒す。

ギムリが、モルガンの足に戦斧を叩きつける。

「食らえ!」

だが、モルガンの皮膚は硬い。

斧が弾かれる。

「硬え...!」

ルーナが矢を放つ。

目を狙う。

だが、モルガンは腕で防いだ。

「効かない...!」

カミラが毒の短剣を投げる。

首に命中する。

だが、モルガンは笑った。

「毒か。無駄だ」

黒い魔力が、毒を浄化する。

「厄介ね...」

アリアが魔法を放つ。

「サンダーストーム!」

無数の雷が、モルガンを襲う。

「ぐ...!」

モルガンが、少し怯む。

「効いてる!」

「魔法が有効だ!」

マルクスが叫んだ。

「アリア、魔法で攻撃し続けろ!」

「他は、援護しろ!」

「はい!」

アリアが、連続で魔法を放つ。

「ファイアボール!」

「アイススピア!」

「ライトニングストライク!」

次々と、魔法がモルガンを襲う。

モルガンは、黒い翼で防御する。

「ちょこまかと...!」

モルガンが、黒い魔力球を放つ。

アリアに向かって飛んでくる。

「危ない!」

マルクスが、テレポートでアリアの前に転移する。

「テレキネシス!」

魔力球を、魔力で弾く。

「マルクスさん!」

「大丈夫だ」

マルクスは、モルガンを睨んだ。

「お前の相手は、俺だ」

「テレポート」

マルクスは、モルガンの頭上に転移した。

「テレキネシス!」

モルガンの頭を、魔力で押さえつける。

「ぐ...!」

モルガンが、膝をつく。

「今だ! 総攻撃!」

全員が、一斉に攻撃する。

ティグリスが剣を振るう。

ギムリが戦斧を叩きつける。

ルーナが矢を射る。

カミラが短剣を投げる。

アリアが魔法を放つ。

全ての攻撃が、モルガンに命中する。

「ぐああああああ!」

モルガンが、苦痛の叫びを上げる。

だが。

「この程度...!」

モルガンが、全身から黒い魔力を爆発させた。

全員が、吹き飛ばされる。

「ぐあっ!」

「くそ...!」

マルクスも、壁に叩きつけられた。

「まだ...倒れない...!」

セリアが、必死に回復魔法を使う。

「ヒール! 全員回復!」

光が、全員を包む。

傷が癒えていく。

「ありがとう、セリア」

マルクスは立ち上がった。

「まだだ...まだ戦える」

だが、モルガンも立ち上がった。

体中に傷があるが、まだ倒れない。

「ふふふ...強いな、灰色の刃」

「だが、私は不死身だ」

「この黒い魔力がある限り」

「何度でも蘇る」

マルクスは考えた。

「不死身...?」

「なら、その魔力の源を断つ」

マルクスは、モルガンの胸を見た。

そこに、黒い宝石が埋め込まれている。

「あれが、魔力の源か」

「アリア、あの宝石を狙え!」

「わかりました!」

アリアが、魔法を集中させる。

「ライトニングスピア!」

雷の槍が、宝石に向かって飛ぶ。

だが、モルガンは腕で防ぐ。

「させるか!」

「なら、こうだ!」

マルクスは、テレポートでモルガンの背後に転移した。

「テレポート」

そして、モルガンの腕を魔力で拘束する。

「テレキネシス!」

「今だ、アリア!」

「はい!」

アリアが、全魔力を込めて魔法を放つ。

「サンダーランス!」

巨大な雷の槍が、宝石に命中した。

パリィン!

宝石が、砕け散る。

「ぐああああああああ!」

モルガンが、絶叫する。

体から、黒い魔力が抜けていく。

巨大な体が、縮んでいく。

元の老人の姿に戻る。

「そんな...私の力が...」

マルクスは、冷静に近づいた。

「終わりだ」

「テレキネシス」

モルガンの首を、魔力で掴む。

「待て...!」

モルガンが叫ぶ。

「私を殺せば、世界は変わらない!」

「腐敗は続く!」

「王国は、いずれ崩壊する!」

マルクスは首を振った。

「それでも、俺は戦う」

「少しずつ、この世界を変えていく」

「お前のように、全てを破壊するんじゃない」

「希望を、作っていくんだ」

「それが、俺のやり方だ」

マルクスは、手を動かした。

グキッ。

モルガンの首が、折れる。

老人の体が、地面に倒れる。

「終わった...」


その瞬間、全員に強烈な光が満ちた。

キィィィィン!


『レベルアップ!』

『マルクス レベル61 → レベル65』

『ティグリス レベル58 → レベル62』

『ギムリ レベル55 → レベル59』

『ルーナ レベル52 → レベル56』

『アリア レベル59 → レベル63』

『セリア レベル56 → レベル60』

『カミラ レベル50 → レベル54』


(4レベル...!)

全員が驚愕する。


(闇の魔王の経験値は桁違いだ...)

マルクスが呟く。


キィィィン!

『パーティー平均レベル: 59.9』

『伝説級の冒険者集団』

『王国史上最強』


『マルクス 新スキル習得!』

『テレポートLv7 習得!』

『テレキネシスLv7 習得!』

『英雄の証Lv1 習得!』

『魔王殺しLv1 習得!』


「これが...最強の力か」

マルクスは自分の手を見つめた。


「闇の教団の教主...倒した」


マルクスは、深く息を吐いた。


全員が、駆け寄ってくる。

「やったな!」

ティグリスが肩を叩く。

「勝ったぞ!」

ギムリが叫ぶ。

「お疲れ様です」

アリアが微笑む。

その時、マルクスは思い出した。

「王女様!」

祭壇に駆け寄る。

縛られたアリシアが、まだそこにいた。

マルクスは、縄を解く。

「大丈夫ですか?」

アリシアは、目を開けた。

「マルクス様...」

涙が、頬を伝う。

「助けてくれて...ありがとうございます...」

「当然です」

マルクスは微笑んだ。

「あなたを守るのが、俺の使命ですから」

アリシアは、マルクスに抱きついた。

「怖かった...本当に怖かった...」

マルクスは、優しく背中を撫でた。

「もう大丈夫です」

「全て終わりました」

教会の外から、朝日が差し込んできた。

長い夜が、終わった。

灰色の刃は、勝利した。

闇の教団を、壊滅させた。

新しい朝が、始まる。



数日後。

王宮で、盛大な祝賀会が開かれた。

広間には、王国中の貴族が集まっている。

玉座に、王エドワード三世が座っている。

その隣に、無事に救出された王女アリシア。

「本日は、王国の英雄を讃えるために集まっていただいた」

王の声が、広間に響く。

「灰色の刃」

「彼らは、闇の教団を壊滅させた」

「王女を救出し、王国を救った」

「その功績を、讃えたい」

拍手が、広間に響く。

マルクスたちが、前に進み出る。

「マルクス・フォン・グレイウルフ伯爵」

王が立ち上がった。

「そなたの功績を讃え」

「公爵位を授ける」

侍従が、金の冠を持ってくる。

王が、マルクスの頭に冠を載せる。

「マルクス・フォン・グレイウルフ公爵」

拍手が、さらに大きくなる。

「そして、そなたの仲間たちも」

王は、他の六人を見た。

「全員、伯爵に昇格させる」

一人ずつ、冠が授けられる。

ティグリス、ギムリ、ルーナ、カミラ、アリア、セリア。

全員が、伯爵になった。

「そして」

王は、大きな箱を持ってこさせた。

「報酬として、金貨5000枚」

「さらに、王家の秘宝」

箱の中には、七つの指輪が入っていた。

「これは、王家に代々伝わる魔法の指輪だ」

「魔力を増幅し、身を守る」

「そなたたちに、授けよう」

一人ずつ、指輪が渡される。

マルクスは、指輪を嵌めた。

温かい魔力が、体を包む。

「素晴らしい...」

祝宴が始まった。

豪華な料理。

音楽。

踊り。

貴族たちが、次々とマルクスたちに挨拶に来る。

「公爵様、素晴らしい功績です」

「王国の救世主ですね」

「ぜひ、我が領地にもお越しください」

マルクスは、笑顔で応対した。

だが、少し疲れた様子。

「貴族の社交って、面倒だな...」

バルコニーに出ると、王女アリシアが立っていた。

「疲れましたか?」

「少し」

マルクスは微笑んだ。

「俺は、戦場の方が楽です」

アリシアは笑った。

「私もです」

二人は、王都の夜景を眺めた。

「マルクス様」

アリシアが、真剣な顔で言った。

「お願いがあります」

「何でしょう?」

「私と...結婚してください」

マルクスは、驚いて振り向いた。

「え...?」

アリシアは、顔を赤らめながら続けた。

「あなたは、二度も私の命を救ってくれました」

「それに、あなたは強く、優しく、正義感がある」

「私は...あなたを愛しています」

マルクスは、言葉を失った。

「でも、俺は...」

「転生者です」

「前世の記憶を持つ、異世界人です」

「それでも、いいんですか?」

アリシアは頷いた。

「ええ」

「あなたが誰であろうと」

「私は、あなたを愛しています」

マルクスは、少し考えた。

前世では、結婚できなかった。

仕事に追われ、恋愛する暇もなかった。

そして、過労で死んだ。

だが、この世界では違う。

新しい人生。

新しい可能性。

「わかりました」

マルクスは微笑んだ。

「喜んで」

アリシアの顔が、明るくなった。

「本当ですか!?」

「ええ」

マルクスは、アリシアの手を取った。

「俺と、結婚してください」

「アリシア様」

アリシアは、涙を流しながら頷いた。

「はい...!」

二人は、抱き合った。

月が、二人を照らしている。


翌日。

王宮で、婚約の発表があった。

「王女アリシアと、マルクス公爵の婚約を、ここに発表する」

王の声が、広間に響く。

貴族たちが、驚きの声を上げる。

「王女と、マルクス公爵が!?」

「これは...大ニュースだ」

「王家と、英雄の結びつきか」

拍手が、広間を包む。

マルクスとアリシアが、前に出る。

二人は、手を繋いでいる。

「結婚式は、一ヶ月後に執り行う」

王が宣言した。

「王国中の民を招待し」

「盛大な祝宴とする」

「これは、王国の新しい時代の始まりだ」

拍手が、さらに大きくなる。


屋敷に戻ると、仲間たちが祝福してくれた。

「おめでとう、マルクス!」

ティグリスが笑った。

「まさか、お前が王女と結婚するなんてな」

ギムリも笑っている。

「D級冒険者から、王女の婿か」

「すげえ出世だな」

ルーナが微笑んだ。

「幸せになってね」

カミラも嬉しそうだ。

「王女様、素敵な方よ」

アリアは感動で泣いていた。

「マルクスさん...本当におめでとうございます...」

セリアが祈るように手を組んだ。

「神のご加護がありますように」

マルクスは、全員を見渡した。

「ありがとう、みんな」

「お前たちがいなければ」

「ここまで来れなかった」

「これからも、一緒に戦ってくれるか?」

全員が頷いた。

(当然だ)

(俺たちは仲間だ)

(永遠にな)

テレパシーの声が、温かく響く。

マルクスは微笑んだ。

「では、乾杯しよう」

「俺たちの未来に」

全員がグラスを掲げた。

「乾杯!」

グラスが、カチンと鳴る。


その夜。

マルクスは、一人執務室にいた。

窓から、満月を見上げている。

「前世では、何もできなかった」

「ただのサラリーマンで」

「理不尽に耐えるだけだった」

「でも、この世界では違う」

マルクスは拳を握った。

「魔法を手に入れ」

「仲間を得て」

「悪を倒し」

「公爵になり」

「王女と婚約した」

「全て、夢のようだ」

だが、マルクスの目は鋭い。

「でも、まだ終わっていない」

「この世界には、まだ理不尽がある」

「腐敗した貴族」

「苦しむ民衆」

「不正義」

「全てを、変えていく」

マルクスは決意を新たにした。

「俺は、灰色の刃」

「この世界を、少しずつ変えていく」

「前世でできなかったことを」

「全部やる」

月が、マルクスを照らしている。

新しい時代が、始まろうとしていた。

マルクス公爵と、灰色の刃の。

新たな物語が。


(第二部・完)

物語は、まだまだ続く。

結婚、そして新たな冒険。

王国の改革、新たな敵。

全てが、これから始まる。

灰色の刃の伝説は、永遠に続く。

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