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悪い奴を成敗する話  作者: 慈架太子


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15/24

2-10

二週間後。

マルクスたちは、休む間もなく動き続けていた。

宰相派の貴族、7人。

一人ずつ、確実に狩っていく。

『男爵トーマス』

民衆から金を搾り取っていた悪徳領主。

テレポートで屋敷に侵入し、テレキネシスで首をねじった。

事故死として処理された。

『子爵ヘンリー』

密輸組織のボス。

港で取引中に襲撃。

生け捕りにして、組織を壊滅させた。

『伯爵エドワード』

暗殺者を雇っていた貴族。

逆に、マルクスに暗殺された。

やはり、事故死として処理。

『男爵フィリップ』

賄賂で裁判を操っていた。

証拠を集めて、公開裁判。

処刑された。

『子爵ロバート』

領民を奴隷のように扱っていた。

テレキネシスで心臓を握り潰した。

心臓発作として処理。

『伯爵チャールズ』

敵国に軍事情報を流していた。

スパイとの密会中に捕らえた。

反逆罪で処刑。


二週間で6人。

マルクスたちは、確実に宰相派を排除していった。


その時、全員に光が注いだ。

キィィィン、キィィィン...!


『レベルアップ!』

『マルクス レベル51 → レベル54』

『ティグリス レベル48 → レベル51』

『ギムリ レベル45 → レベル48』

『ルーナ レベル42 → レベル45』

『アリア レベル49 → レベル52』

『セリア レベル46 → レベル49』

『カミラ レベル40 → レベル43』


(6人分の経験値が、一気に来たな)

ティグリスがテレパシーで言う。


(これで、さらに力が増した)

アリアの声。


キィン!

『パーティー平均レベル: 49.1』

『王国最強の実力者集団』


『マルクス 新スキル習得!』

『暗殺マスターLv1 習得!』

『作戦立案Lv3 習得!』


「力が...また増した」

マルクスは自分の手を見つめた。


そして、最後の一人。

『公爵アルバート』

宰相派の中で、最も危険な男。


王の私室。

マルクスは、最後の標的について報告を受けていた。

「公爵アルバート...」

王が、重い口調で言った。

「奴は、宰相派の真の黒幕だ」

「宰相ヴィクターでさえ、公爵の操り人形だった」

マルクスは資料を見た。

『公爵アルバート・フォン・ダークネス』

年齢:65歳

私兵:1000人

魔法使い:10人

屋敷:王都郊外の要塞

「これは...」

「そうだ」

王は頷いた。

「奴の屋敷は、城塞だ」

「正面から攻めれば、何千人の兵が必要になる」

マルクスは考え込んだ。

「テレポートで侵入すれば...」

「それも難しい」

王が遮った。

「公爵の屋敷には、強力な魔法防御が張られている」

「テレポートを妨害する結界だ」

マルクスの顔が、険しくなる。

「なら、どうやって...」

「一つだけ、方法がある」

王は地図を広げた。

「公爵は、月に一度、王宮に来る」

「定例会議のためだ」

「その時を狙うのか?」

「いや」

王は首を振った。

「王宮で殺せば、余が疑われる」

「だが」

王は地図の一点を指差した。

「公爵が王都に来る時、必ずこの街道を通る」

「森の中だ」

マルクスは理解した。

「待ち伏せる、ということですか」

「ああ」

王は頷いた。

「公爵の護衛は、100人」

「全員、精鋭だ」

「それに、魔法使いが5人同行する」

「厳しい戦いになる」

マルクスは仲間たちを見た。

ティグリス、ギムリ、ルーナ、カミラ、アリア、セリア。

全員、真剣な顔で聞いている。

「俺たち7人で、100人を相手にするのか...」

「無謀だ」

王も認めた。

「だが、他に方法がない」

「公爵を放置すれば、いずれ別のクーデターを起こす」

「この国は、崩壊する」

マルクスは深呼吸した。

「わかりました」

「やります」

王は驚いた顔をした。

「本当に...できるのか?」

「できます」

マルクスは断言した。

「俺たちには、魔法がある」

「テレポート、テレキネシス、テレパシー」

「それに」

マルクスは仲間たちを見渡した。

「最強の仲間がいる」

全員が頷いた。

(やるぞ)

(当然だ)

(最後の仕事だ)

テレパシーの声が、響く。

王は感動した表情を浮かべた。

「そなたたちは...本当に強いな」

「力だけでなく、心も」

「では、頼む」

「報酬は、金貨2000枚」

「そして、そなたを伯爵に昇格させる」

マルクスは頭を下げた。

「ありがとうございます」

「公爵の王都訪問は、いつですか?」

「一週間後だ」

「わかりました」

「一週間で、完璧な作戦を立てます」


宿に戻ると、マルクスは全員を集めた。

「最後の敵だ」

「公爵アルバート」

「護衛100人、魔法使い5人」

「今までで、最も強力な敵だ」

ティグリスが剣を握った。

「やっと、本気の戦闘ができるな」

ギムリも戦斧を磨き始めた。

「1000人の私兵を持つ相手か」

「胸が熱くなるぜ」

ルーナが弓を確認している。

「魔法使いが5人...厄介ね」

カミラが微笑んだ。

「でも、勝てるわ」

「私たちには、マルクスがいる」

アリアも頷いた。

「はい。マルクスさんなら、必ず勝てます」

セリアが祈るように手を組んだ。

「神のご加護がありますように」

マルクスは地図を広げた。

「作戦を立てる」

「公爵の行列が、この森を通る」

「俺たちは、ここで待ち伏せる」

「まず、魔法使いを最優先で倒す」

「奴らがいる限り、魔法が使えない」

「次に、護衛を分断する」

「100人を、一度に相手にしない」

「少しずつ、確実に減らしていく」

「そして、最後に公爵を捕らえる」

全員が真剣に聞いている。

「具体的な配置は...」

マルクスは、詳細な作戦を説明し始めた。

地形の利用。

魔法の組み合わせ。

各自の役割。

緊急時の対応。

全てを、細かく決めていく。

前世の、プロジェクト管理の経験が活きる。

三時間後。

完璧な作戦が、出来上がった。

「これで、勝てる」

マルクスは確信していた。

「一週間、訓練する」

「連携を完璧にする」

「そして」

マルクスは全員を見渡した。

「灰色の刃、最後の大仕事を」

「完璧に成功させる」

全員が立ち上がった。

(了解!)

テレパシーの声が、力強く響く。

一週間後。

王国最大の敵との、最終決戦が始まる。



一週間後。

早朝。

マルクスたちは、森の中に潜んでいた。

街道を見下ろせる、高台。

木々に隠れ、息を殺して待つ。

「もうすぐだ」

マルクスが双眼鏡で、街道を見ている。

時刻は、午前9時。

公爵アルバートの行列が、この道を通る。

(全員、配置は良いか?)

テレパシーで確認する。

(ティグリス、東側の崖)

(ギムリ、西側の岩陰)

(ルーナ、北側の大樹)

(カミラ、南側の茂み)

(アリア、マルクスの隣)

(セリア、後方で待機)

全員の声が、響く。

「来た」

遠くから、行列が見えてきた。

豪華な馬車。

その周囲を、騎士たちが囲んでいる。

100人。

重装備の騎士。

全員、剣と盾を持っている。

そして、5人の魔法使い。

黒いローブを纏い、杖を持っている。

「まず、魔法使いを倒す」

マルクスは手を前に出した。

行列が、森の中央に差し掛かる。

「今だ」

(攻撃開始!)

マルクスがテレパシーで叫ぶ。

「テレキネシス」

5人の魔法使いの首を、同時に捕らえる。

そして、ねじった。

グキッ、グキッ、グキッ、グキッ、グキッ。

5人が、同時に倒れる。

「な、何だ!?」

騎士たちが、混乱する。

ルーナの矢が、次々と飛ぶ。

一人、二人、三人。

確実に急所を射抜く。

アリアが魔法を放つ。

「ファイアストーム!」

巨大な炎の竜巻が、騎士たちを包む。

10人が、一瞬で焼かれる。

ティグリスが、崖から飛び降りた。

「うおおおお!」

剣を振るう。

騎士たち、5人を斬り倒す。

ギムリが、岩陰から突撃する。

「かかってこい!」

戦斧を叩きつける。

騎士たちを、次々と吹き飛ばす。

カミラが、短剣を投げる。

三人の喉を、正確に貫く。

騎士たちは、必死に抵抗する。

「敵はどこだ!?」

「森の中だ! 探せ!」

だが、マルクスたちは見えない。

木々に隠れ、一瞬だけ姿を見せて攻撃する。

ゲリラ戦だ。

前世で学んだ、非対称戦術。

数で劣る側が、地形を利用して戦う方法。

10分後。

騎士たちの数は、半分に減っていた。

50人。

だが、彼らも学習した。

「円陣を組め!」

騎士たちが、馬車を中心に円陣を組む。

全方位を警戒する。

「厄介だな...」

マルクスは考えた。

「なら、これだ」

マルクスは、テレポートを発動した。

円陣の中心、馬車の屋根に転移する。

「テレポート」

視界が歪む。

次の瞬間、マルクスは馬車の上に立っていた。

騎士たちが、驚いて見上げる。

「敵だ!」

「馬車の上だ!」

だが、マルクスの方が速い。

「テレキネシス」

周囲の騎士、20人の首を同時に捕らえる。

そして、一斉にねじった。

グキッ、グキッ、グキッ...

20人が、同時に倒れる。

残りは、30人。

ティグリスが叫んだ。

「今だ! 突撃しろ!」

全員が、一斉に飛び出した。

ティグリス、ギムリ、カミラ。

三人が、剣と斧と短剣を振るう。

ルーナの矢が、次々と飛ぶ。

アリアの魔法が、騎士たちを焼く。

5分後。


その瞬間、全員に強烈な光が満ちた。

キィィィィン!


『レベルアップ!』

『マルクス レベル54 → レベル58』

『ティグリス レベル51 → レベル55』

『ギムリ レベル48 → レベル52』

『ルーナ レベル45 → レベル49』

『アリア レベル52 → レベル56』

『セリア レベル49 → レベル53』

『カミラ レベル43 → レベル47』


(4レベル...!)

ティグリスが驚愕の声を上げる。


(公爵+護衛100人+魔法使い5人の経験値...)

アリアが呟く。


(これで、俺たちは...)

ギムリの声。


キィィィン!

『パーティー平均レベル: 52.9』

『王国最強の実力者集団』

『伝説級の冒険者へ到達』


『マルクス 新スキル習得!』

『テレポートLv6 習得!』

『テレキネシスLv6 習得!』

『戦術指揮Lv5 習得!』

『伝説の暗殺者Lv1 習得!』


「これが...最強の力か」

マルクスは自分の手を見つめた。

魔力が、今までとは比べ物にならないほど溢れている。


マルクスは、馬車の扉を開けた。

中には、老人が震えて座っていた。

公爵アルバート。

「き、貴様...『灰色の刃』か...!」

「そうだ」

マルクスは冷たく言った。

「お前を、逮捕する」

「ま、待て!」

公爵が叫んだ。

「私には、金がある!」

「領地もある!」

「全て、やる!」

「だから、命だけは...!」

マルクスは首を振った。

「要らない」

「お前は、この国を腐敗させた」

「宰相を操り、クーデターを企てた」

「民衆を苦しめた」

「だから」

マルクスは公爵の襟を掴んだ。

「裁かれる」

公爵を、馬車から引きずり出す。

ティグリスが、縄で縛る。

「確保完了」

マルクスは仲間たちを見渡した。

「怪我は?」

「俺は大丈夫だ」

ティグリスが答える。

「問題ないぜ」

ギムリも頷く。

「無傷よ」

ルーナが笑う。

「私も」

カミラが微笑む。

「魔力を使いすぎました...」

アリアが少し疲れた顔。

「回復します」

セリアが駆け寄って、回復魔法をかける。

マルクスは安堵の息を吐いた。

「全員無事か」

「よくやった」

「俺たち7人で、100人を倒した」

ティグリスが笑った。

「楽勝だったな」

ギムリも笑う。

「魔法があれば、数なんて関係ねえ」

マルクスは公爵を見下ろした。

「これで、宰相派は完全に壊滅した」

「お前が、最後だ」

公爵は、絶望した顔で地面に座り込んでいた。

「そんな...私の計画が...」

「30年かけて作り上げた組織が...」

「全て、貴様らに...」

マルクスは冷たく言った。

「自業自得だ」

「悪事を働けば、いずれ報いを受ける」

「それが、この世界の摂理だ」

公爵を馬車に押し込む。

「王都へ戻る」


王宮。

王エドワード三世は、報告を聞いて驚愕していた。

「7人で...100人を...!?」

「はい」

マルクスは淡々と答えた。

「魔法と、地形を利用しました」

「それに、仲間の連携が完璧でした」

王は、しばらく言葉を失っていた。

そして、ゆっくりと口を開いた。

「そなたたちは...もはや人間ではない」

「神の使いだ」

マルクスは首を振った。

「いえ、俺たちはただの人間です」

「ただ、前世の知識と、この世界の魔法を組み合わせただけです」

王は立ち上がった。

「いや」

「そなたたちは、英雄だ」

「この国を、救った」

王は、マルクスの肩に手を置いた。

「感謝する」

「約束通り、報酬を支払う」

侍従が、巨大な箱を運んでくる。

金貨2000枚。

「そして」

王は、もう一つの書類を取り出した。

「そなたを、伯爵に叙する」

「マルクス・フォン・グレイウルフ伯爵」

マルクスは、爵位証書を受け取った。

「ありがとうございます」

「そして、そなたの仲間たちも」

王は続けた。

「全員、男爵に昇格させる」

全員が、驚いた顔をした。

「俺たちも!?」

「ああ」

王は頷いた。

「そなたたちは、全員この国の英雄だ」

「当然の報いだ」

全員が、深々と頭を下げた。

王は窓の外を見た。

「これで、この国の腐敗は一掃された」

「宰相派の貴族、全員排除」

「クーデター計画、全て阻止」

「そなたたちのおかげだ」

マルクスは頭を下げた。

「俺たちは、ただ正しいことをしただけです」

王は振り返った。

「そなたは、謙虚だな」

「だが、そなたのしたことは偉大だ」

「歴史に、刻まれる」

マルクスは微笑んだ。

「それは光栄です」

王宮を出ると、夕日が王都を照らしていた。

「終わったな」

ティグリスが呟く。

「ああ」

マルクスは答えた。

「宰相派との戦いは」

「これで、終わった」


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