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悪い奴を成敗する話  作者: 慈架太子


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10/24

2-5

午後。

マルクスたちは宿の一室に集まっていた。

「商人ダリウスの死因は、転倒による首の骨折」

カミラが街で集めた情報を報告する。

「騎士団は、事故として処理するつもりよ」

「完璧だな」

ティグリスが笑った。

「誰も暗殺だとは思っていない」

ギムリが酒を飲みながら言った。

「それにしても、テレポートとテレキネシスか」

「魔法だけで人を殺すなんてな」

「痕跡が残らない」

ルーナが弓を磨きながら言う。

「凶器もない、血も流れない」

「完全犯罪ね」

セリアは複雑な表情をしていた。

「私たち...また人を殺しましたね」

「ああ」

マルクスは頷いた。

「だが、後悔はない」

「ダリウスは騎士団長と癒着し、違法取引をしていた」

「民衆から金を搾り取り、私腹を肥やしていた」

「そんな奴は、生きている資格がない」

その時、ドアがノックされた。

全員が警戒する。

「誰だ?」

「私です」

聞き覚えのある声。

王女アリシアだ。

マルクスは扉を開けた。

アリシアが、またも変装して入ってくる。

「お疲れ様です、マルクス様」

「情報が早いですね」

「ええ。宮廷にも、すぐに報告が入りました」

アリシアは微笑んだ。

「商人ダリウス、転倒事故死」

「見事です」

アリシアは懐から、書類を取り出した。

「これは、ダリウスの財産目録です」

「彼の屋敷と倉庫を調査しました」

「そこには、違法な品々が大量にありました」

「盗品、密輸品、禁制品...」

「これで、ダリウスの悪事が明るみに出ます」

マルクスは書類を受け取った。

「これを、公表するんですか?」

「はい。父上の命令で」

アリシアは真剣な顔で言った。

「騎士団長とダリウスの癒着」

「その証拠を、王国中に広めます」

「腐敗した者たちへの警告です」

アリシアは全員を見渡した。

「そして、皆様への新しい依頼です」

「次の標的、ですか?」

「はい」

アリシアは地図を広げた。

「貴族フェルディナンド」

「彼もまた、騎士団長と繋がっていました」

地図に印がつけられている。

王都の貴族街。

「フェルディナンドは、領民を虐げています」

「過酷な税を課し、反抗する者は投獄する」

「さらに、若い娘を屋敷に連れ込み...」

アリシアの声が震える。

「許せません」

マルクスは地図を見つめた。

「報酬は?」

「金貨150枚」

「それと、Bランクへの昇格推薦状」

ティグリスが口笛を吹いた。

「Bランクか。いいな」

「受けます」

マルクスは即答した。

「ただし、条件があります」

「何でしょう?」

「フェルディナンドの屋敷に囚われている娘たちを、全員救出します」

アリシアの目が輝いた。

「ありがとうございます」

「それと、もう一つ」

マルクスは続けた。

「フェルディナンドの死は、事故に見せかけます」

「暗殺だと気づかれないように」

「お任せします」

アリシアは頷いた。

「実行日は?」

「一週間後」

マルクスは答えた。

「まず、フェルディナンドの屋敷を調査します」

「警備、配置、娘たちの居場所」

「全てを把握してから、動きます」

「わかりました」

アリシアは立ち上がった。

「では、詳細な情報は後日お渡しします」

「期待しています、マルクス様」

アリシアが去った後。

マルクスは仲間たちを見た。

「新しい仕事だ」

「貴族の暗殺か」

ティグリスが剣を撫でる。

「今度は、人質救出もあるのね」

ルーナが言った。

「ああ。だから、慎重に計画する」

マルクスは地図を広げた。

「一週間で、完璧な作戦を立てる」

「テレポート、テレキネシス、テレパシー」

「全ての魔法を駆使する」

「そして、貴族フェルディナンドを」

「誰にも気づかれずに、始末する」

全員が頷いた。

(了解)

テレパシーで、全員の声が響く。

マルクスは窓の外を見た。

王都の貴族街。

あそこに、次の標的がいる。

「前世では、貴族や権力者に逆らえなかった」

「でも、この世界では違う」

「俺たちは、灰色の成敗人」

「悪人を、容赦なく狩る」

「貴族だろうと、騎士だろうと、商人だろうと」

「悪事を働く者は、全て裁く」

マルクスは決意を新たにした。

次の戦いが、始まる。



翌日から、マルクスたちは貴族フェルディナンドの調査を始めた。

カミラが最初に動いた。

貴族街の社交界に潜入する。

華やかなドレスを着て、舞踏会に紛れ込む。

貴族たちの会話に耳を傾ける。

「フェルディナンド様は、最近ご機嫌斜めらしいわ」

「また新しい娘を、屋敷に連れ込んだそうよ」

貴婦人たちが、ひそひそと噂する。

カミラは笑顔で相槌を打ちながら、情報を集めた。


ルーナは、屋敷の周辺を偵察していた。

屋根の上から、双眼鏡で観察する。

「警備は...12人」

「交代は6時間ごと」

屋敷の構造も記憶する。

三階建て。東棟と西棟に分かれている。

「娘たちは、おそらく西棟の地下だな」

ルーナは地図に書き込んでいく。


ギムリは、屋敷に出入りする商人に接触した。

酒場で、わざと隣に座る。

「なあ、フェルディナンド様の屋敷って、どんな感じだ?」

「ああ、あそこか」

商人が酒を飲みながら答える。

「立派な屋敷だが...気味が悪い」

「地下から、時々悲鳴が聞こえるんだ」

ギムリは拳を握りしめた。

「悲鳴...?」

「ああ。若い娘の声だ」

「何をしてるのか、知らないが...」

ギムリは情報を記録した。


三日後。

全員が宿に集まった。

「情報を共有する」

マルクスが言った。

カミラが報告する。

「フェルディナンドは、毎週土曜日に舞踏会を開きます」

「その日は、警備が手薄になります」

「次は?」

ルーナが地図を広げた。

「屋敷の配置図です」

「娘たちは、西棟の地下に監禁されています」

「人数は?」

「少なくとも5人」

ルーナが答えた。

ギムリが続けた。

「地下には、鉄格子の牢屋があるそうだ」

「鍵は、フェルディナンドが持ってる」

マルクスは情報を整理した。

「土曜日の夜、舞踏会の最中に実行する」

「まず、俺がテレポートで屋敷に侵入」

「フェルディナンドを始末し、鍵を奪う」

「次に、地下へ移動して娘たちを救出」

「その間、お前たちは外で待機」

ティグリスが聞いた。

「一人で大丈夫か?」

「テレポートとテレキネシスがある」

マルクスは答えた。

「姿を見せず、音も立てず、敵を倒せる」

「それに、テレパシーでお前たちと常に連絡が取れる」

「もし何かあったら、すぐに助けを呼ぶ」

アリアが心配そうに言った。

「でも、貴族の屋敷は魔法防御があるかもしれません」

「確認済みだ」

マルクスは資料を見せた。

「カミラが、フェルディナンドの執事から聞き出した」

「屋敷に魔法防御はない」

「フェルディナンド自身も、魔法使いじゃない」

「つまり、俺の魔法は効く」

セリアが祈るように手を組んだ。

「娘たちを、必ず救ってくださいね」

「約束する」

マルクスは立ち上がった。

「あと三日」

「各自、準備を進めろ」

「救出用の馬車を用意しろ」

「娘たちを、安全な場所に運ぶ」

ギムリが頷いた。

「任せろ。知り合いの商人に頼む」

「それと、娘たちのケア」

マルクスはセリアを見た。

「お前が担当だ」

「回復魔法と、精神的なケアを頼む」

「はい」

セリアが答えた。

「では、散会」

全員が部屋を出ていく。

一人残ったマルクスは、フェルディナンドの肖像画を見つめた。

傲慢な顔。

太った体。

欲望に満ちた目。

「お前のような奴が、一番許せない」

マルクスは拳を握った。

「弱者を食い物にする権力者」

「前世でも、この世界でも、変わらない」

「だが、俺は変わった」

「今の俺には、力がある」

「魔法と、知識と、仲間」

「全てを使って、お前を裁く」

マルクスは窓の外を見た。

貴族街の豪華な屋敷が見える。

「土曜日」

「お前の最期の日だ」

「覚悟しろ、フェルディナンド」

夜風が、マルクスの決意を運んでいく。

あと三日。

灰色の成敗人の、次なる狩りが始まる。



土曜日。

夜が訪れる。

フェルディナンドの屋敷では、華やかな舞踏会が開かれていた。

貴族たちが集い、音楽が流れ、笑い声が響く。

マルクスは、屋敷から少し離れた路地に立っていた。

黒い服に身を包み、闇に溶け込んでいる。

(全員、配置についたか?)

マルクスがテレパシーで問いかける。

(ティグリス、東門で待機中)

(ルーナ、屋根の上から監視してる)

(ギムリ、馬車を用意した。いつでも行ける)

(カミラ、舞踏会に潜入済み。フェルディナンドを視認)

(セリア、待機場所で準備完了)

(アリア、マルクスさんの後方で待機しています)

全員の声が、次々と響く。

(よし。これから侵入する)

マルクスは深呼吸した。

魔力を集中させる。

屋敷の三階、フェルディナンドの私室。

カミラが事前に確認した場所だ。

空間という紐をイメージする。

この路地と、あの部屋を結ぶ。

持ち上げて、折り曲げる。

「テレポート」

視界が歪む。

次の瞬間。

マルクスは、豪華な部屋に立っていた。

金の装飾。高価な絨毯。巨大なベッド。

「成金趣味だな」

(侵入成功。フェルディナンドの私室にいる)

(了解。フェルディナンドは、まだ舞踏会にいます)

カミラの声。

(どれくらいで戻る?)

(あと30分ほどで、一旦部屋に戻ると思います)

(わかった。待機する)

マルクスは部屋の隅に身を隠した。

カーテンの影。

そして、待つ。

20分後。

廊下から、足音が聞こえた。

重い足音。酔った笑い声。

「ふふふ...今夜も、楽しい夜だった」

扉が開く。

太った男が入ってくる。

貴族フェルディナンド。

使用人が一人、ついてくる。

「酒を持ってこい」

「はい、すぐに」

使用人が部屋を出る。

フェルディナンドは、一人になった。

ベッドに腰掛け、靴を脱ぐ。

マルクスは、影から見ている。

(標的、単独。実行する)

(了解。気をつけて)

アリアの声。

マルクスは手を前に出した。

魔力を集中させる。

フェルディナンドの首。

そこに、魔力を巻きつける。

「テレキネシス」

目に見えない力が、フェルディナンドの首を捕らえる。

「な、何だ!?」

フェルディナンドが驚く。

首に手を当てる。

だが、遅い。

マルクスは手首を、ねじった。

グキッ。

骨が砕ける音。

フェルディナンドの体が、ベッドに倒れる。

痙攣が止まる。

「終わった」

ルクスは影から出た。


その瞬間、体に温かい光が満ちた。

キィン。


『レベルアップ!』

『マルクス レベル36 → レベル38』

『HP: 475 → 505』

『MP: 650 → 690』


「2レベル上がった...!」

マルクスは驚いた。

貴族という高位の存在を単独で討伐した経験値は、予想以上に大きい。


フェルディナンドに近づく。

脈を確認する。

無い。

「死んだ」


マルクスは影から出た。

フェルディナンドに近づく。

脈を確認する。

無い。

「死んだ」

ポケットを探る。

鍵の束を見つけた。

「これが、地下牢の鍵か」

(標的、沈黙。鍵を入手した。これから地下へ向かう)

(了解!)

マルクスは扉を開けた。

廊下を確認する。

誰もいない。

足音を殺して、階段へ向かう。

一階、そして地下への階段。

薄暗い廊下。

松明の光だけが、闇を照らす。

突き当たりに、鉄格子の扉。

マルクスは鍵を開けた。

ギィ...

扉が開く。

中には、狭い牢屋がいくつも並んでいる。

そして、若い娘たちが、怯えた目でマルクスを見ていた。

「誰...?」

「助けに来た」

マルクスは静かに言った。

「もう大丈夫だ」

娘たちの目に、涙が浮かぶ。

「本当に...?」

「ああ。お前たちを、ここから出す」

マルクスは牢屋の鍵を次々と開けていく。

五人の娘たち。

皆、衰弱している。

「立てるか?」

「はい...なんとか...」

(娘たちを保護した。これから脱出する)

(了解。馬車を正門前に移動させる)

ギムリの声。

(警備は、こちらで引き付ける)

ティグリスの声。

マルクスは娘たちを連れて、階段を上がった。

一階の廊下。

舞踏会の音楽が、まだ聞こえる。

「静かに、ついてこい」

裏口へ向かう。

その時、使用人が現れた。

「誰だ、お前!?」

マルクスは手を振った。

「テレキネシス」

使用人の体が、壁に叩きつけられる。

気絶する。

「急げ」

裏口を開ける。

外に出る。

(脱出した。ギムリ、位置は?)

(正門前だ。すぐに来い!)

マルクスは娘たちを連れて、走った。

正門に、馬車が待っている。

ギムリが手を振っている。

「乗れ!」

娘たちを馬車に乗せる。

その時、屋敷から悲鳴が聞こえた。

「フェルディナンド様が死んでいる!」

「侵入者だ!」

警備兵が走ってくる。

「行け、ギムリ!」

馬車が走り出す。

マルクスは、追ってくる警備兵を見た。

(全員、撤退しろ!)

(了解!)

マルクスは魔力を込めた。

「テレポート」

視界が歪む。

次の瞬間、マルクスは宿の前に立っていた。

(全員、無事か?)

(ああ、問題ない)

(こっちも大丈夫)

(娘たちは、安全な場所に運んだ)

マルクスは深呼吸した。

「成功だ」

貴族フェルディナンド、死亡。

娘たち、救出。

完璧な作戦だった。


その時、他のメンバーにも光が注いだ。

キィィィン、キィィィン、キィィィン...


『ティグリス レベル33 → レベル35』

『ルーナ レベル27 → レベル29』

『ギムリ レベル30 → レベル32』

『カミラ レベル25 → レベル27』

『セリア レベル31 → レベル33』

『アリア レベル34 → レベル36』


(みんな、レベルが上がったな)

マルクスがテレパシーで言う。


(2レベルも上がった!)

ティグリスの声。


(貴族討伐の経験値、すごいわね)

カミラの声。


(これで、もっと強くなれます)

アリアの声。


貴族フェルディナンド討伐。

人質5人救出。

高難度任務の完遂による、大量経験値だった。

翌朝。

王都中が、衝撃のニュースに揺れていた。

「貴族フェルディナンドが急死!」

「首の骨折による事故死!」

「屋敷から、監禁されていた娘たちが救出された!」

街の人々が、噂話をしている。

マルクスは食堂で、新聞を読んでいた。

『貴族フェルディナンド急死の謎』

『地下牢から5名の女性を救出』

『騎士団、事故と侵入事件の両面で捜査』

「事故死、か」

マルクスは冷静に読み進める。

「だが、侵入者については捜査中、か」

アリアが隣に座った。

「大丈夫でしょうか...」

「問題ない」

マルクスは答えた。

「テレポートで侵入し、テレポートで脱出した」

「目撃者はいない」

「使用人を気絶させましたが...」

「あいつは、俺の顔を見ていない」

「暗かったし、一瞬だった」

その時、宿の扉が開いた。

黒いローブの女性。

王女アリシアだ。

マルクスは立ち上がり、個室に案内した。

「お疲れ様です、マルクス様」

アリシアはローブを外した。

「見事な仕事でした」

「娘たちは?」

「教会で保護しています」

アリシアは微笑んだ。

「セリア様が、献身的にケアしてくださっています」

「皆、徐々に回復しているそうです」

「それは良かった」

アリシアは書類を取り出した。

「これが、報酬の金貨150枚です」

重い袋を渡す。

「そして、これが」

もう一つの書類。

「Bランク冒険者への昇格推薦状です」

「明日、ギルドで正式に認定されます」

マルクスは受け取った。

「ありがとうございます」

「いえ、こちらこそ」

アリシアは深々と頭を下げた。

「あなた方のおかげで、王都の腐敗が一つずつ取り除かれています」

「騎士団長、商人ダリウス、貴族フェルディナンド」

「三人とも、民衆を苦しめていた悪人です」

「父上も、大変喜んでおられます」

「王も、ですか」

「はい」

アリシアは真剣な顔になった。

「実は、父上があなたにお会いになりたいと」

マルクスは少し驚いた。

「王が、直接?」

「はい。来週、宮廷にお越しいただけますか?」

「...わかりました」

「ありがとうございます」

アリシアは立ち上がった。

「それでは、詳細は後日」

「お待ちしています」

アリシアが去った後。

マルクスは金貨の袋を見つめた。

「Bランクか...」

「そして、王との謁見」

アリアが不安そうに言った。

「大丈夫でしょうか...王宮は危険では...」

「いや、逆だ」

マルクスは答えた。

「王が俺たちを認めたということは」

「公式に、悪人退治を依頼されるということだ」

「つまり?」

「俺たちの行動が、正当化される」

マルクスは微笑んだ。

「今までは、闇に隠れて動いていた」

「だが、これからは違う」

「王の密命として、悪人を狩れる」

アリアは理解した。

「なるほど...それなら安全ですね」

「ああ。むしろ、好都合だ」

マルクスは立ち上がった。

「全員を集めろ」

「報告会だ」


午後。

全員が集まった。

「Bランク昇格、おめでとう」

ティグリスが拍手した。

「ありがとう」

マルクスは金貨の袋を机に置いた。

「報酬は、全員で分ける」

「一人、金貨25枚だ」

「マジか!」

ギムリが目を輝かせた。

「俺、こんな大金初めて見たぜ!」

ルーナも笑顔だ。

「これで、新しい装備が買えるわ」

「好きに使え」

マルクスは言った。

「ただし、武器と防具の強化を優先しろ」

「次の仕事は、もっと危険になる」

カミラが聞いた。

「次の仕事?」

「ああ」

マルクスは頷いた。

「来週、王との謁見がある」

「おそらく、新しい依頼が来る」

「王直々の依頼か」

ティグリスが興奮している。

「報酬も、もっと高くなるな」

「その可能性は高い」

マルクスは答えた。

「だが、危険度も上がる」

「王が直接依頼するということは」

「それだけ重要な、そして困難な仕事だということだ」

全員の表情が引き締まる。

「準備を怠るな」

マルクスは命じた。

「装備を整え、魔法を磨け」

「テレポート、テレキネシス、テレパシー」

「全員、完璧に使いこなせるようにしろ」

(了解!)

全員の声が、テレパシーで響く。

マルクスは窓の外を見た。

王宮が、遠くに見える。

「いよいよ、本格的に動き出すか」

前世では、ただのサラリーマンだった。

権力者に逆らえず、理不尽に屈していた。

だが、今は違う。

「俺たちは、王に認められた」

「公式に、悪を狩る者として」

「これからが、本当の戦いだ」

マルクスは決意を新たにした。

灰色の成敗人。

その名が、王都に広がり始めている。


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