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ダメ元告白から始まった奇跡のラブストーリー!

プロローグ ――ファンという名の片想い


俺の名前はタモツ。


ごく普通の底辺サラリーマン。


で、趣味はアイドル応援。


そう。

いわゆるファン(ヲタク)。


もちろん彼女いない歴=年齢の、大文字のDで始まる童貞(DOUTEI)さ!


特にナンバッチ46のさやキッスこと山根さやかちゃんが大好きだった。

あの透き通る歌声、ステージで弾ける笑顔、抜群のダンス。

スポットライトを浴びて輝く姿――。

そしていつも清純ながらギリギリ限界の”ヘンタイ”水着グラビア。


心を奪われて、もう何年も経つ。

ライブに通い、握手会に並び、グッズを買い漁り……。

ファン(ヲタク)として全力疾走。


でも、現実を見れば、ただのファン(ヲタク)とトップアイドルの交際なんて。


ありえない。夢のまた夢だ。


第1章


 ――運命の抽選


ある日、ナンバッチの劇場公演が終わった直後。


さやキッスがSNSで「ファン交流イベント」を告知していた。


抽選で数名だけ、いつもの握手会よりたっぷり長く、話せるという。


応募するっかないよなあ!


第2章 ――告白


イベント当日。

スペシャルイベントだけにいつもの握手会のチーム制服姿ではなくて、私服の、より素のさやキッス、いや「さやか」がいた。


握手会は慣れているはずなのに、今日はいつにまして緊張で手が震える。

何を話せばいいのか。全くネタが思いつかない。

遂に俺の番が来た。


「あー!たもっちゃんやん!いらっしゃい。当たったんやね!」


「山根さん。いつも応援しています」


さやかはアハハと笑った。

「知っとーよ。誰もが認めるトップファンやん。どないしたん?今日はまた改まって山根さんだなんて」


「さやキッス、、というか、さやかさん」


さやかが俺の目を見てぐっと身体を寄せてくる。


「なになに?タモツさん」


「実は……好きです!」


「あはは、知っとーよ。めっちゃいつも応援してくれてるやん」


僕はさやかの目を見て言った。


「結婚前提で付き合ってください!」


勢いで言った。

冗談半分、当然ダメ元。

バカなヲタクのギャグとして受け流されるの前提。


さやかは一瞬、目を丸くして――


そして、くすっと笑った。


「たもっちゃんって、ほんまおもろいやな。OKやで!」


――頭、真っ白。


夢かと思った。でも、これは現実だった。


第3章――ファンとアイドル、境界の向こう側。


それから本当にデートが始まった。

最初は「ファンとアイドル」の空気。

でもカフェで話すうち、さやかは意外と普通の女の子だった。

仕事の裏話、プライベートの悩み、ポロポロと零れる本音。

俺はただ聞き役。でも確実に二人の距離は近づいていった。


第4章 ――東京タワーで、ダメ元プロポーズ


数ヶ月後。

東京タワーの夜景をバックに、俺はまたダメ元で言った。


「さやか、結婚してくれないか?」


彼女は少し驚いた顔――でも、すぐに優しく笑った。


「ええで!っていうかそれ前提やったんちゃうん?」


「も、もちろん!」


第5章 ――シンプルな誓い。


そして結婚式はシンプルに。

ナンバッチメンバーや「一部の」ファンが祝福してくれた。

その夜。

2人きりになって、さやかは言った。

「ファンだった人と結婚するなんて、夢みたいやわ」


俺は言った。

「夢はかなうのさ」


さやかは笑うと。

「ほんまたもっちゃんはおもろいわ!」


そういって俺の胸に飛び込んできた。


第6章 ――子宝。そして家族の笑顔。


結婚から1年後。

俺とさやかの間には双子の女の子がうまれた。

名前は「凪咲なぎさ)」と「花梨かりん」。

将来はもちろんアイドルだ!


俺は仕事から帰ると、家族の笑顔に癒される毎日。


さやかはアイドル卒業後はアーティストとして相変わらず多忙な日々だ。


それでも時間をみつけては家族と仲間たちで大自然のピクニック。


さやかがギターを弾きながら、優しく歌ってくれる。


エピローグ ――奇跡の続きは、日常の中に。


あのダメ元の告白が、すべてを変えた。


ファン → 彼氏 → 夫 → 父親。


というわけで!


憧れのアイドルであり理想の恋人であった愛するさやかと一緒に、幸せに暮らせてしまった人生!


奇跡みたいだけど、これが俺たちのストーリー。

いつか子供たちに話すよ。

「パパはママにダメ元で告白したら、なんとOKもらっちゃったんだぜ!」って。

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