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異世界生物録  作者: 邪神ネコザメ
0章 異常世界の始まりに
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5話 天の牙烏、堕天の闇鳥

朝になった。

天鼠は「姉貴のとこ行ってくる!」と言って飛んでった。マギアさんもギルドに行ったため、1人で行くことになった。クラウスさんとマギアさんからは持って行けと言われ色々貰った。使えそうな物は包帯、ナイフ、例の本だ。


早速、重竜車へ乗り山へ向かった。

お金は天鼠から結構貰っている。

「御者さん!生き物って乗せられたりしますかね?」

御者は前と同じ人だった。

「別に乗せらはしますけど、狭くないですかね?もしあれなら席空けときますけど...?」

と、快く承諾してくれた

「ありがとうございます!」

すると御者は心配そうに

「次にここを通るのは夕方頃になりますけど...。大丈夫そうですか?」

と聞いてきた。

「大丈夫です!」



こうして巨鳥探しの旅に出た。


相変わらず針葉樹の茂った山を歩いていると、鳴き声がした。


『グーガガガガッ....グーガガガガガガッ...』


恐らくあの時のと同じ鳥のだろう...

しかし鳴き声が違う...

あの鳥は攻撃された時と威嚇の後にガッ、ガ、ガー等と発していた。恐らく見慣れない侵入者に恐怖を感じたという意味と攻撃されて怖いという意味だったということだと考えることにする。


『ルーガッガグ〜ググッ!』

聞き慣れないが巨鳥に似た鳥のものだろうか?

なにはともあれ巨鳥の鳴き声の方へ行くことにする...やっぱり咆哮の主の事を思い出した。



鳴き声のする方へ行ってみると怪我をして地面に落ちた巨鳥がいた。翼開長2.5mと、前の個体よりかなり小さい。羽毛が一部生え変わっている。巣立ったばかりだろうか?。翼や足には怪我が見られる。

怪我には噛み跡がくっきり残っていた。少なくとも同種の巨鳥のものでは無い。



『グェアーーーッアッ!』



遠くの倒木に1羽の巨鳥が翼を広げ止まっていた。

しかし、翼開長7m程のこの種の巨鳥には歯があり、クチバシと言うよりかは爬虫類の口に近いものを感じた。また、角は無く、棘のついたたてがみが生えていた。


『グェッゲッゲッゲッ...』

その巨鳥は何処かへ飛んでいってしまった。

木に2種の爪痕がある...。それがマーキングだとしたら、縄張りを形成している途中の幼鳥と縄張りが被ったと考えるのが妥当である。


『ガガガガガガッ!』


とりあえず巨鳥の手当てをすることにした。

右足の骨折(腓骨の粉砕骨折)と、右翼からの出血以外には特に大きな怪我はなく、止血が済めば後は骨折の治療だけで回復しそうだ。まぁ半年はかかりそうだが...


翼を止血し、足には木の板で仮のギブスを作り、包帯で固定した。


『ガガッガッ...』


少し落ち着いてきたようである。

「大丈夫だからね〜」

目隠しのために軽く顔に包帯を巻き、連れて行くことにした。勿論歩かせるわけにはいかないので、背負っていくことにした。体は大きくても鳥は基本、飛行のために体重が軽くなっている。

とは言えこの大きさである。大体10kg程だろうか?



まだ夕方ではないので道の隅で巨鳥を降ろした。

まず確認したい事はこの巨鳥の正体。借りた本を読み漁るとしっかり記載されていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オルクスト 人害指数 3+

雑食の巨鳥で5本の角から闇属性のある霧を帯びる事で知られている。あまり町に降りてこないため発見例が少ない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「こんだけしか載ってないの...?」

まぁあの謎のエネルギーが闇属性と分かっただけでも進捗である。

何もしないのもあれなので重竜車が来るまでスケッチを進めることにした。


あれから2時間程たち、重竜車がこちらへ向かってきた。

「まさか生き物ってその巨鳥のことですか...?」

「大丈夫、迷惑は掛けないよ!」

この時間に出歩く人は殆どいない様で、乗客が俺1人だけだった為、マギアさん家の近くまで行って降ろしてくれた。めっちゃ気が利く。


「ただいま戻りました〜!」


「おう!帰ってきたか!」

「弘原海さん!ペット連れてきてたりしませんか?...その...もし良ければ見させていただきたいのですが...」

なんかもう連れて帰ってくる前提だったらしく、二人とも期待していた。

「それで、ペットの正体はなんですか...?」

クラウスがワクワクした感じで聞いてきた。

「研究対象兼、山でケガしてたからペットにすることにした鳥...!」

オルクストを家の中に入れ、顔に巻いた包帯を取った。

「オルクストです!」


『ガーックックック...』


「オルクストってあの幻の!?」

「いや知らないけど...」

「襲ってこないんですか!?」

「今は落ち着いてる。この様子じゃ多分すぐに人慣れするよ。」

質問攻めだったが当の本人はそんな事など気にせず

翼で這って家の奥へと進んで行った。



後日昼頃。

連れて帰ったオルクストと魔法原理、闇属性についての書物を元に研究結果をまとめることが出来た。


どうやら闇属性は対象を侵食する性質を持った反魔力の総称。一般的な魔力を限界まで圧縮することで一部が魔力を吸収する様な性質に変化するらしい。オルクストはそれぞれの角で発生させた魔力を圧縮し、角から溢れ出した闇属性を武器にしているということらしい。


「魔法のある世界では魔力を活かして進化するのか...流石生物。予想以上だな...」

あとは魔力を発生させる仕組みを書き上げるだけだ。


「弘原海さん、そろそろ出ますよ。」

そう言って荷物をまとめたクラウスが現れた。

「えっもう?」

「王都まで重竜車で数時間ですよ、危険な夜になる前に出発です。」

「わかった!すぐに準備する!」

こうして俺は荷物をまとめた。

やぁみんな!俺だ!

皆はブクマがついて励みになる

俺はブクマがつかずにハゲになる

それじゃ!


遺伝的にハゲそうなんだよなぁ...心に響いたらブクマして、響かなかったらなんか面白いことしてくれ。


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