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異世界生物録  作者: 邪神ネコザメ
0章 異常世界の始まりに
3/9

3話 登録への道、朱の道

10分ほど歩くと、曲がり道に出た。


「あそこを曲がればギルドだよ!本当、襲われなくてよかったね〜!」

と、天鼠は安心したように言った。

「まだ着いて無いけどね...?気抜いてると殺されるかもよ?」

天鼠はそんなこと気にしていない様だ。自慢じゃないが、俺が昔サバンナの岩の上で休んでいるときに近くの木からヒョウが飛びかかってきた事がある。だからこういう時ほど寒気がしてくるのだが...。




ふと下を見ると、地面が朱くなっていた。

少ししゃがんで触ってみるとまだ少し温かかった。

「天鼠...多分ヤバい...」

と、小声で天鼠に言った。

「どうしたの弘原海?別に何もいないよ?まさか怖くて〜...まって...この赤いのって血?」

「そうだよ。しかも流れたてホヤホヤ」

「でもこの辺りには誰もいないよ...?」



[ボトッ...]


 

建物の上から何かが落ちてきた。

何が落ちてきたかは見なくてもわかる。

「...死体?」

天鼠の顔は青ざめていた。

そこには上半身が何かに食べられた死体があった。

「まぁ...知ってた...。」




「おやぁ?案外驚かない物だねぇ〜感心したよ。」

建物の上には少女...?の様な人物が座っていた。黒いサングラスの様な物をかけ、ツインテールの白髪に左右に赤いメッシュの入った髪をしていて、顔には血がついている。

和服とジャンバーを掛け合わせたような服と刃のついた下駄の様な物を履いている。手に持っているのは武器だろうか?錨に長い鎖がついているような見た目だ。


「まぁ世界中旅してれば人が食べられてることなんて数回くらいは目撃するよ...好きで見てるわけじゃないけどね?」


「弘原海!何話してんの!?グールだよグール!人喰い種族だよ!?私ならまだしも弘原海は逃げないと殺されるから!!」


「いや、後ろを向いた瞬間その錨が飛んでくると見た。」


「そこら辺の奴らよりは多少頭が回りそうだな。」

「まぁ、獲物なのは変わり無いんだけどな。」


「避けて!」

天鼠は叫んだ


[ドカッ!ガラガラ...]


しゃがんでなんとか避けることが出来たが、後ろにあるレンガの建物には大きな穴が空いてる。


「有効射程距離は...10mかな?」

グールと破壊された壁の距離からしてそれくらいの距離である。


「逃げられそう?」

天鼠が不安そうに聞いてきた。

「いや、全く。バウンドチャージャーがあればどうにかなったかもしれないけど...」

「なっ!しょうがないじゃん!」


すると、屋根の上から声がした。

「...バウンドチャージャー...金髪の娘、もしかして...魔王関係者...?」


「いかにも!魔王雷貴の妹、彩裕天鼠!どっかいけよグール!」


「...魔王関係者はめんどくさいんだよなぁ...ま、あれ避けれたのあんたらだけだし。今回は...と言うか今後も気分次第で見逃してやる...。」


「いやいいの?魔王関係者ってだけで狙わないとか...?」


「幹部がめんどくさいんだよ。昔雇われて何回か幹部の奴らと戦ったけどさ...あんな厄介な奴ら初めてみた。もう二度と戦いたくないね。」


「いや、そこまでのもんなの?」


「確かに幹部はめんどくさいからね...ちなみに誰と?」

「確か強欲と暴食って言ってる奴らと戦った。なんだよあいつら攻撃全然通んねぇし...」

グールはとても嫌そうな顔をしてる。


「なるほど。1番クセの無い2人だね。あ、強欲は私の師匠だからあのくらいの強さだと思ってもらって構わないよ!」


「...はぁ?」

天鼠の次はこっちの顔が青ざめてしまった。

平然と追い打ちをかけてる辺り自覚してないんだなぁと思う...。流石にちょっと気の毒である...


このままだとグールのメンタルが崩壊してしまうので速くギルドへ向かうことにする。

「天鼠!早く行くよ!」

「しょうがないな〜」




「あいつ少しは気が利くな...」




それから少しして、ギルドに着いた。

酒場のような雰囲気だが、とても広い。

また、並んだテーブルの奥には売店、風呂、娯楽場などがある。


「で、そもそもギルドでなにするの?」

「ギルド行ったら登録するとき能力とかスキルなんかが見れるんだよねぇ〜」

「登録するとなんか仕事くるの?」

「緊急時以外は好きな時に好きなの選んでやるって感じかな?駆除やら素材集めが多いね。」

すると天鼠は立ち止まり、

「あんま調子には乗らないでね?多分弘原海が思ってる100倍はモンスターとか危険だよ。」

と、言った。

「それは身を持って実感してる。」

「それならいいんだけどね...」

天鼠は少し心配そうだった。

冒険者ギルド(?)に入ると沢山のテーブルが置いてあった。

「じゃ、カード作ってきな!」

天鼠は軽く肩を叩いた

「えっ1人で?」

「大丈夫、登録したいって言うだけだから!」

と言って、今度は強く背中を押した。


「すみませ〜ん!」

茶髪で長髪の受付嬢の人に声をかけてみた。

「はい、なんでしょうか?」

と、元気よく言った。

「登録?をしたいのですが...」

「登録ですね!ではこちらの紙に個人情報を記入してください!」

と言うと彼女は笑顔で紙を渡してきた。


記入事項

名前

住所

職業

その他


記入事項にありのままを書いてしまうと住所不定無職になってしまう...。

「あのぉ〜転移したばかりなので住所とかは...」

「わかりました!では、お名前だけで結構です!」

かわいい。やさしい。

ということで名前を書いた。

「わだつうみぎんさん...ですかね?」 

彼女はほんの少し悩んだような顔をしていた。

「わだつみです!」

「わだつみさんですね!わかりました!」

そうして明るい表情に戻ったのであった。

「何故かこの種類の言語は誤訳が多くて...」

「多分1つの字で読み方が何種類もあるからですね...」

「難解ですね...イベロ文字に近い感じですか...」

彼女は小さくそう呟いた。


すると彼女は裏の方から大きな板を取り出した。

木の枠に入った石の様な物で、基本的には茶色く霞んでいるが、研磨された部分が青い水晶のようになっていて、土台もついている。


「では、スキルを鑑定しますので、この板に手をかざしてください。2分ほどで結果が出ると思います。」


こうして手をかざし続けること2分。

板と土台の隙間からカードが出てきた。

受付嬢はそれをじっと見て、


「鑑 定 結 果 がでましたよっ♪」

と、ノリノリで言った。かわいい。

「ありがとうございます!」


「まず、体力、知能、魔力ですね。」


「体力、知能はいずれも平均よりそこそこ高いですね。いい感じです!ただ、魔力が結構少ないので魔法やスキルの使いすぎには気をつけてください!」


「分かりました!」

魔力は知らんがとりあえず知能が低くなくてよかった。それだけは思う。


「...では、スキルの方を発表致します...」


「...このスキル中々レアっすよ...」

彼女はとてもニヤニヤしていた。


「弘原海さんのスキルは!獣王です!やったね!」


「獣王?」


「獣王...それは世界でもあんまりいないレアスキル...簡単な話知能の分だけ強くなる様な力ですね...」


「と、いいますと?」


「獣王は名前の通り獣の王です。弘原海さんの知っているありとあらゆる動物の力が、知識の分だけ強くなる...って感じかな?」


「...つまりめっちゃ詳しければ最強ってことですか?」

と言うと彼女は自慢げに言った。


「そりゃ欠点もありますよ?このスキルは知識があるほど強くなります。逆に言えば知識があったら弱く出来ません...なのであまりにもその道を極めすぎると、今度は逆に魔力が追いつかなくなっちゃうんですよねぇ」


「成程...ちなみに今の俺にはどれくらい使えそうですかね?」


「まぁ1日三十分程度ですかね?」


「短っ!」

思っていたより短かった。長時間飛行とかはむりそうかな...

「一応獣王の中から分岐したスキルを作り出せば節約も出来るはずなんですけどね?」

そんなことも出来るのか...

「まぁその辺りは追々聞くことにします!」

「わっかりましたぁ!ではカードを渡しますね!」

と言って、カードを渡してきた。

カードには大きく冒険者ギルド/討伐特区北軍都と書いてある。

「なんかめっちゃ雰囲気あるなこれ...」

「でしょでしょ〜?では、また今度〜!」


こうして天鼠の元に戻った。

「天鼠〜帰ってきたよ〜」

「おかえり!ちょっとカード見してね〜?」

といって、カードを取り上げた。

「ごめん!後で返すからね!」

と言って、天鼠は遠くへ行くのであった。




「...獣王ねぇ...獣姫よりも厄介かな...?」

「どちらにせよ、この国は手を出しにくいな...」

ありがとう。読んでくれて。

さて、問題ですこれは倒置法でしょうか?体言止めでしょうか?この話が面白かったらブックマークつけてね。おいしいよ。

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