ララバイの遺書
ちいさいころは
しあわせだったね。
『 ぼくたちは 、 ずぅっといっしょだよね ? 』
そんなことを言い合った8年前
おとなになるにつれて遠ざかる
ぼくたちの距離。
それがきっと3年前
いつからだったかな
手を繋がなくなったのは。
ぼくたちは当然のように手を繋いで
遊んで
笑って
怒られて
一緒に悲しんだり
一緒に楽しんだり
あのころは幸せだったんだって
何もかんがえなくてもきみと一緒にいれたこと。
きみはぼくからはなれていってしまったね
どこか遠いところへ行ってしまったね。
きみはぼくのすべてでした。
きみがいれば
しあわせだったんです。
きみさえいれば。
ぼくは
ひとりになりました。
でも 、きみが悪いわけじゃないんだよ
これだけはわかってね。
ぼくはもともと、
世間でいう ”ふつう” ではなかったので
異常 、といわれるせかいに生まれたので
だから、
きみとずっといっしょにいることは
できないんだ。
15歳の卒業式
ぼくがなんて言ったかおぼえていますか ?
きみは 、忘れてるかもしれないけど
ぼくを 、はじめて拒絶したよね。
でも 、それはぼくがぜんぶ悪くて
きみは ”あたりまえ” の対応をしただけであって
きみは 、
きみは 、 ぼくを振ったんだ
ぼくたちは
親友といえるぐらい 、大変なかよしだったけど
他にはもう 、なにもいらなかったのに
ぼくのすべて
だったのに。
しってたよ。
きみは 、
普通で
正常で
ぼくとは違うって。
ずっと
気づかないふりをしてたんだ。
なのに 、ぼくは 、
最低。
でした
だからね 、
もうおしまい
好きじゃないって嘘をついて
さよならって言って
きえるから
許してね
ぼくのことは忘れてね
きみなんか 、きらいだ。
次は
堂々ときみのとなりにいられるように
ずぅっときみといれるように
普通に生まれるように
明日に祈って。
『 』
忘れないでね。
これでぼくのはなしは終わりです。
これが 、ぼくがきえた
15歳の春でした。
もう
こどもじゃないから。