表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/80

38.ゴッチンの提案


『ステージの整備も終わりましたので、第3グループの試合を開始します!』

 

 まだ膨れているルビィと、珍しくテッカンさんと共に観客席へときていた。

 恐らくゴッチン組が勝ち残るだろうが、どんな武器か観てみたかったのだ。

 

『それでは……開始!』

「ま”!!」

 

 試合開始直後の侍は腕組みをして動かなかった。

 しかし変化は突如として起こる。

 

変体鎧刀(へんたいよろいがたな)武者六道(むしゃむどう)――アシュラ!」

 

 侍が叫ぶと、鎧の背中から腕が新たに4本生えた!

 さらに抜いた刀を右手に持ち、黒い鞘を左手に持った。いや、鞘に見えるがこれも刀だ。

 

「ま”!」

 

 緩慢な攻撃を避けようともせず、後ろの腕で受け止め――そのまま持ち上げた。

 

『う、嘘ぉぉ!?』

「木偶が――はぁッ!」

 

 左の黒い刀と右の銀の刀が同時にゴーレムの胸元を突き刺し――コアごと、ゴーレムの胴体を穿つ。

 コアを失ったゴーレムはそのまま地面へと崩れ落ちた。

 

『なんというスピード決着! ちなみに解説しますと、ゴッチン殿の”ムシャムドウ"は、一見は鎧に見えますがその全てが武器! この鱗のような鎧も刃で出来ています! いやー凄い! 』

 

「昔から奴は主張しておった。人が武器を使うのではなく、人が武器そのものとなり戦う姿が美しいと……その完成形がアレか」

「いやアレってセーフなん?」

「審査員が認めてるんだしセーフなんじゃないの?」


 ―――――――――――― 

 

『それでは決勝の準備が整いましたので、ゴッチン殿、テッカン殿とヨーイチ殿、ダイアー殿はステージまでお越しください!』


 俺とテッカンさんがステージに上がると、既にゴッチンとタイアーは到着していた。

 

「……ふん」

 

 こちらを一瞥するだけで、特に何も言ってこないダイアー。

 ゴッチンは目をつむり、何かを考えているように見える。

 

「ふぅ……」

「なんじゃ緊張しとんのか」

「結局あんまり活躍出来ていない気がする……」

「気にするな。お前はよくやった」

 

『さぁ全員出揃いました。ではこれより決戦投票前の最後のアピールタイムを――』


「ちょっと待った!」


 その大声を発した人物に一瞬で会場の注目は集まる。

 ゴッチンだ。右手を上げ、審査員席の前で立ち止まる。

 

「アピールタイムの代わりに、決戦御前試合を所望する」


 会場全体がざわめく。

 こんな事は前代未聞なのだろう。

 

『おおっとゴッチン殿からのいきなりの提案だ!』

「その理由をお聞きしても?」

 

 副団長のウォルコットがゴッチンへと尋ねる。

 

「理由は明白じゃ。あの魔道ゴーレムは弱すぎる。弱すぎて、儂の自慢の武器がその性能を十全に発揮出来ておらん」

『おぉーっと我々運営サイドへの苦情だ!』

「偶然にも小奴らは全員冒険者でもあるので、戦うのは問題ないじゃろ」


 その提案に、審査員達は好意的な反応をした。

 

「ほー。あの鎧刀とやらはさらなる機能があると! それはちょっと見てみたいですね」

「確かに……素材もあの伝説の八竜を使ってらっしゃるのに、相手が不足していた感はありますね」


 口々にそんな事を言い出す。

 MCは困ったように、黙って聞いていたウルフに助け舟を求める。

 

『ええっと、どうしましょうウルフ様』

「――イイでしょう! 時間も押してますし、ワタクシは3人同時バトル形式を提案しマース!」

「それで構わんが……テッカンとそこの若僧はどうだ」

「儂は構わんぞ」

「ボクもです……むしろチャンスを頂いて嬉しく思います」

 

『話がまとまったので今一度ルールを確認します! 今からステージで15分1本勝負、3名によるバトルを行います! 武器の完全破壊、ステージからの落下、その他試合続行不能と判断とした場合は敗北とします。また、登録された武器以外の道具や魔法の使用は禁止です……よろしいですね?』

 

「はい」「おぅ」「あぁ」


 とそれぞれ返事をする。

 

『では、皆様お待たせしました。ただいまより、決戦御前試合を行います!』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ