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23短話.それはまるで
森の中を、黒い影が走る。
コーディアを出る8つの馬車を追跡するのは黒装束の男2人、女2人だ。
動きやすさを優先する為、腕から肩は露出しており、全員口元を黒いマフラーのようなもので覆っている。
いわゆる忍者スタイル――ヨーイチが居ればそう言っただろう。
馬車を見下ろせる場所に潜んでいると、そこへさらに忍者が1人、彼らの下へやってきた。
「目標は予定通り、元鉱山の町へ向かっているようでゴザル。さらに先回りした者は、魔力隠遁の結界を発動したでゴザル」
「承知した。我々もすぐに合流する也――頭領にも通達だ」
「御意」
「では――散ッ」
その場の全員が一瞬で姿を消し、残ったのは女の忍者1人だった。
「なんでこんな事に……辞めたい」
その言葉を聞いた者は居らず、彼女もまたすぐに元鉱山の町へと急ぐのであった。




