9.強盗は見た
「惨いですね――仲間割れでしょうか?」
「いや。これは獣型の魔物か――」
五体満足に残っている方が珍しいレベルの惨殺っぷりだ。
ジェイドの言う通り、確かに遺体の身体には爪で切り裂かれたと思われる傷が多数残っている。腕や脚なんかも食い千切られたようだ。
「ひぇ。こ、ここって街はずれの遺跡跡ですよね。そんな凶悪な魔物が出るなんて聞いてないですよ!」
「落ち着けって。多分これは――さっきオレ達が戦ったシャドーウルフの仕業だ。それも召喚されて使役された、な」
「そ、そうなんですか?」
「野良の魔物がこんな食い方するかよ。臓物も食い荒らされてないし……犯人が雑に隠滅工作したんだろ」
「なるほど……」
兵士とジェイドが会話するのを後ろで待機する俺とアムル(中にいることは兵士には内緒だ)
ちなみにニーアデスに頼んで視覚情報をカットして貰っているが、会話で察しているだろう。
「こんな結果になるとはな」
「おいヨーイチ。ひとまず兵士達に応援呼んで貰うから、しばらくここに待機な」
「げぇ、化けて出そうだな」
「化けてくれた方がいいよ。そしたらここで何があったか分かるし――結局犯人の目的とか分からず仕舞いか。後でどやされそうだ」
『周囲の魔力反応、ナシ――魂の存在、確認できません』
(魂の存在とかも感知できんの?)
『魂にはマナと呼ばれる魔力が含まれるのでそれを感知することができます。しかし、人が死ねば魂が解放され周囲に漂うはずですが、その反応が一切ありません』
(即成仏しちゃったってことか?)
『不明です。しかし人為的な要素が深く関わっていると思われます』
(うーん、もう魂とか無いなあ調べることもできないか)
『いいえ。魂はなくとも、そこに肉体はあります』
(ん?)
――――――――――――
「お前、本気でそれやるの?」
「俺だって嫌だよ!」
「すいませんヨーイチさん。私からもお願いします。どうしてお爺ちゃんは死なないといけなかったのか……犯人はどうして美術品を狙ったのか知りたいです」
「……頑張ります」
アムルに外へ出て貰い、1番無傷そうな遺体を探し出す。
それは奇しくも、あの時マーキングを付けた親分と呼ばれた男だった。
身体から大量の血が流れ出て、既に死後硬直も始まっていたが無理矢理、俺の”鎧内”へ押し込んだ。
「うぇ……感触が最悪だ」
『搭乗を確認しました。これより脳へ侵入。記憶の解析を行います』
ニーアデスには祝福を目覚めさせる以外にもいくつか機能がある。それはかつて魔力の枯渇に伴い、意図的に封印された。
それが俺という存在。そしてアムルからの魔力供給によって1つ解放されたのだ。
乗っている人間の記憶の解析を行い、俺の知識へと加えることができるらしい。
『解析終了。映像を出します』
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