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紺碧のサジタリアス  作者: はちろく
4/5

親しき仲にも礼儀あり?

何度目かの轟音が耳を劈く。

「レーダーから反応が消えました!」

「あの速度なら機体の残骸が余裕で突っ込んでくる。何かに掴まれ!」

ミドウスジさんの言った通り、音速の機体の勢いは止まらず全身を燃やしながら分解し、シャイローの船体に突き刺さった。

激しい揺れと衝撃音で艦内がどよめく。

ミサイルが直撃したのと大差ない衝撃だ。

「大丈夫か!?」

「えぇ、何とか…。被害状況は?」

「右舷のSPYレーダーが完全に故障。使い物になりません。修理費が高くつきますよ。」

「只今、司令部より連絡がありました。当海域に第七艦隊空母打撃群を派遣するそうです。既に艦載機の一部がこの空域に向かっているそうです。」

「大事にはなったが、追撃される心配は無いわね。」

CICは普段通りのお気楽な状況に戻り、あちこちからブラックジョークが聞こえた。

いかにもアメリカ軍らしい。

「逆カミカゼだなジャパニーズ。」

コーヒーを汲みに歩いてきた対艦要員がミドウスジの肩を叩き皮肉気味に語りかける。

ミドウスジは怪訝そうに対艦要員を睨んだ。

「笑えねぇよ。」

「そう?みんな笑ってたぞ。」

彼女の曽祖父は特攻で亡くなった。

その分彼女はアメリア軍人のジョークに敏感だ。

今でも日本を蔑視する傾向が僅かながら存在する。

最初のうちは私達も笑い飛ばしていたが、今は複雑な気持ちである。

そういうとこも如何にも日本人らしい。

実際のところ、日本人では無いのだが。

「第1、そんな100何年前の話なんて笑い飛ばせば済む話だろ?」

「お前は、アタシたちが何のためにこの船に乗ってるのか分かってないようだな。」

「は?」

「先の戦争の過ちを二度と繰り返さないようにアタシらはここにいるんじゃなかったのか?小学生でも分かるよな?」

「それなら、なんで人を殺す軍隊に入ったんだ?」

「それは…!」

ミドウスジが少し言葉を詰まらせた。

「それを理解するために今こうやって経験を積んでるんだろが!」

「経験ねぇ。まぁ、戦争はもうすぐ始まるだろうし好きにしな。」

対艦要員は満足気な顔でどこかへ歩いていった。

悔しそうなミドウスジの背中をパーキンソンさんが軽く叩く。

「気にしないで。」

彼女の手を振り解き、向こうで誰かと呑気に話している対艦要員を睨みつけると、急に俯いて落胆してしまった。

昔から負けず嫌いだったのは覚えている。

演習だってふざけた真似はするけど、全力だったことは伝わってきた。

1度だけ彼女の功労によりヴェラ・ガルフの空母打撃群が勝利したことがあった。

この上なく嬉しそうで今まで見た中で1番幸せに浸っていたようで、晩御飯に寿司をみんなに奢ってくれた。

ちなみに、これが私の初めて寿司だった。

ワサビやらショウガやらが何かわからずにやらかしたことが鮮明に記憶されている。

あと鯛が美味しかった。

こんなことはどうでもよすぎるが、なにせ彼女の自分を貫き通そうとする意思は、決して砕けることは無い。

こればかりは日本人らしくない1面。

彼女のような卓越したリーダー性、これが今のアメリアが必要とする要素なのかもしれない。


「進路を変更して大阪に帰港します。」

「了解。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊丹基地隊員宿舎中央ロビー 夙川奏羽


「で、仲直りは済んだのか?」

あの後色々あって何とか今に至った。

「誰がこんなのと…。」

桂川ほたる、蛍と言うが全くそんな風情のあるやつじゃない。兵学校では隣の部屋で挨拶する程度の仲だった。

けど事件は卒業式の数日前、配属部隊が発表された日に起きた。



日本海軍関西トレーニングセンター

卒業式の数日前ー



「そんな…。」

ロビーに貼りだされた配属先の前で落胆する少女。

「紗奈絵ちゃん…、」

彼女は相川紗奈絵、凄く可愛くて学園内随一の人気者だった。

神戸の名家出身で育ちが良く、絵にかいたようなお嬢様であるがメンタルが少し弱くて、よく私が支えてあげていた。

そんなこともあって2人で遊んだりすることも多く、何度か彼女の家に上がらせてもらったこともある。

何を着ていけば良いのか分からず、パリコレみたいな服になってしまったのは思い出すだけで恥ずかしい。

メイドさんが紗奈絵ちゃんに肩を並べるレベルで可愛かったのを覚えている。

パイロットとしても文句なしの技術力で、主力部隊への配属は固いものだった。

しかし…。

「みんなと別れるなんてヤダ…。」

彼女の配属先は私たちずいほう航空隊とは異なり、航空母艦かがへの配属だった。

かがは日本軍が自衛隊の頃に今となっては懐かしいヘリ搭載護衛艦から改造された航空母艦で、今の原子力空母らと比べるとかなり小さく感じる。

大体の新人はかがやいずもなどで訓練を積み、最終的に主力部隊へと異動になる。

「何で紗奈絵ちゃんだけ…。」

かがの母港は呉亡き今、大湊へ移された。

だが彼女は主力部隊に入れなかったことよりもみんなとの別れを惜しんだ。

長年学園生活を共にしたルームメイトとの別れは辛い。

そんな現実を受け止められなかったのだろう。

そこに絡んできたのが桂川だった。

普段から愛想悪く反抗期の子供みたいなところが多かったひねくれ者。一人でいるのが好きで、桂川を見掛けた時はだいたい1人。

腕も悪くは無いのだが判断力に欠ける部分が多いようだ。

「残念だったな。まぁせいぜい頑張って私らの後方支援、よろしくな。」

かなり調子に乗っているようで無性に腹が立つ言い方だった。

こんな時に急に絡んでくるやつが1番気に食わない。

今まで本気のライバル関係で競り合ってきた仲間になら言われても悔しいことは悔しいが、どこか清々しい。

顔を真っ青にしてついに泣き始めようとした紗奈絵ちゃんを見て、いても立ってもいられなくなった私は桂川に近寄った。

しかし桂川に対してここまで腹が立った理由としてはそれだけでは無かった。

「お前は所詮親の七光りだろうが、知ってるぞ?桂川と言えばローゼンリア戦争の英雄だろ?たったそれだけでずいほう隊に入れてそこまで調子に乗るか?腕なら紗奈絵の方が上だ!」

「何だよお前デタラメ言いやがって、お前もそうじゃねぇのか?あんた、護衛艦ゆきやまの娘だろ?」

彼女がどこでその情報を仕入れたのかは分からない。

けれど私はそこで自分の溢れ出る感情を抑えられなくなってしまった。


「殴ったな…!貴様!」


「お前ら、落ち着け!!」


「お前が入ってこなければ紗奈絵は!」

「何だよ言いがかりつけやがって!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「みんな仲良くしようよ、ね?」

事情の知らない紅莉が2人を引っつけようと必死になる。

私と紗奈絵ちゃんは訓練の都合で後から見に行ったので桂川と今私たち以外は誰も立ち会っていない。

「ていうか誰なんだこの性格悪いですよオーラ出してるこいつ。」

「性格悪い言うな!」

初対面の蓮巳がいきなり攻撃すると初対面の桂川も乗じて攻撃する。

制空戦闘の基本と同じだ。

「お名前だけでも。これからずっと一緒にやっていく仲ですし。」

未來さんが上手く仲介に入ろうとする。

「別に。」

結果虚しくかわされる。

「まずまずのところ何があったんスか。」

みなもさんがスマホ片手に地雷を踏んだ。

戦場には向かないタイプかもしれない。

「向こうが悪いんだよ。知らねぇ。」

「でも、このままじゃチームとしての出だしが悪いよ。」

「そうだなぁ…、仲直り大作戦と行くか。」

「イイっスね。」

「そうしましょうか。」

勝手に盛り上がってる彼女らに悪い予感がし始めた。

「や、やめろよ!こいつとは仲良くなんか!」

そう叫んで桂川は急に立ち上がり前に立つみんなを押し退けてどこかへ走って行ってしまった。

「あーあ。」

「待ってよー!」

紅莉が必死追い掛けて行ったものの、誰も追おうとはしなかった。

「なんか感じ悪いッスね。」

スマホ片手に喋ってた人間が言うのもどうかと思うがそれは確かである。

「奏羽、何があったんだ?」

「別に、何も。」

これ以上チーム内の雰囲気を壊したくなかったので、喋らないことにした。

桂川に悪い印象を持つのは私だけで十分だ。

「先が思いやらまスね。」

そう言ってみなもさんはようやく分割画面のスマホを折りたたみ、大きくため息をついた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


時刻は午後6時を回っていた。

私は一人で屋上の元展望デッキに来ている。

さっきの喧嘩で少し気まずくなって体調が悪いと言って部屋から出てきたきり。


夜の空港は美しいものだ。

そこらのイルミネーションより綺麗だと個人的には思っている。

そういえば昔来たことがあったっけ。

父が海外派遣に行って一ヶ月会えなくなっちゃう時に見送りに行ったんだった。

何歳かは忘れたけど、あの時と同じ光。

「今頃何してるのかな。」

父は今、家には居ない。

何処にいるかは言えないけど、確か特別な研修プログラムの教官に任命されたとか。

いつ帰ってくるかも分からない。

そんなことを考えていると、どこからか煙草の匂いが漂ってきた。

振り向いてみると、少し離れたところに人影があった。

「あっ。」

ユキミさんだった。

向こうもこちらに気づいたようだったが、その瞬間彼女は慌ててタバコを消し、足で踏みつぶした。

そしてこちらに駆け足で向かってくる。

「い、いいか?私はタバコは吸ってない。火をつけたくなっただけだ。OK?」

「え、えぇ…?」

どうやら禁煙中だったのに、欲望に負けていたようだ。

「…、ていうか、アンタもおひとり様ー?」

言葉にキレがなくなっている。最初にあった時のユキミさんだ。

「ちょっと、喧嘩しちゃって。初日から喧嘩なんてバカですよね私。」

「そんなの気にしてたらダメだよー?ある程度経ったら喧嘩なんて毎日するからねー。私みたいに二度と仲直り出来なくなったりしたら終わりだけどねー。早めに謝ったらそんな心配もないよー?」

「そう…なんですか。」

「何があったのー?聞かせてよ。」

夜のユキミさん。何だか頼り甲斐のあるお姉さんみたいな雰囲気で話を聞いているだけで何だか落ち着いてしまう。

理想の上司とでも言おうか、昼間の中学生みたいな意地の張り様と違って大人っぽさに満ち溢れている彼女。

「その、話すと長くなるんですけど…。」


奥の格納庫が開き、中からB-1ランサーが顔を出した。

こんな夜中にどこへ行くというのだろうか。


「なるほどねー。沙奈絵ちゃんを庇ってあげたんだ。優しいじゃん。」

「でも…。」

「まぁな、でもさ、探してみたら桂川にも良いとこはあるんじゃないかな?」

「そうですかね…。」

「まぁそれは一緒に何年かやらないと分からないけどねー。私も、居たよ。そんな人。私の最初の僚機のパイロットだったんだけどねー。」

ユキミさんがどこか悲しげな表情で空を見上げた。

「なんかどうでもいいことで喧嘩してさ、お前あざといんだよとか言われて。初めて出撃した時もずっと喧嘩してた。」

今のユキミさんとは無縁なコトバだ。

「私の個人データ見たでしょ?ほら、銃のチップ認識した時に。」

「え、あぁ…そうですね。見ました。」

何も悪いことをしていないのに気まずい。

「可愛かったろ?」

「は、はい。それはとてもとても…。」

彼女は苦笑いして応える。

「誰にも言わないって決めてるんだけど、私ってカワイイ系目指してたんだ。例えて言うならば…、うーん。」

深く考え込んだ後、彼女は私の顔をまじまじと見つめた。

「あんたみたいな?あざとくは無いけどね。」

「私なんて全然…。」

「もっと自分に自信もったら?ほら、そのインナーカラーとかも結構拘ってるんでしょ?」

「まぁ…。」

空港独特の強めの風が、私の前を横切る。

いつのまにかB-1は滑走路手前までタキシングしていた。

白鳥のような美しいフォルムにして真っ黒な機体が誘導灯に照らされて反射する。

「で、その僚機の奴なんだけどさ。輸送機を庇って死んだんだ。確か、5回目の出撃でな。」


「そ、そんな…。」

「そんな悲しむようなことじゃねえよ、ドッグファイトってのは2分の1で必ず死ぬんだ。」

しばらく間を置いてからユキミさんは再びゆっくり喋り始めた。

「私が敵を迎撃できなかったってのが悪かったんだ。焦ってミサイルを6発全部外しちまった。彼女のおかげで援軍が来るまでの時間稼ぎになって輸送機は無事だった。最後までアイツと復縁することは無かったけど、自分の任務を全うする良い奴だったことは確かだよ。」

私は何を言えばいいか分からず、口を開けたまま立ち尽くしていた。

私も知り合いが死んだことはある。

話したことはあまりないけど、彼女の心境を考えると胸がグイッと締め付けられる。

けど、それだけで表せてしまう感情。

言葉で表すことの出来る心情。

短くても同じ部屋で同じ部隊で僚機なら、そして何より初めての相棒。

決して"悲しい"だけじゃ補えないはずだ。

「このピアス、そいつがくれたんだ。初めての僚機だからって2人で片耳ずつ付けようぜって話になってな。」

長い髪を掻き分けて黄色っぽいインナーカラーの下に赤いピアスが見えた。

よく見ると飛行機のような形をしている。

「まぁ、今じゃアイツの肩身みたいなものかな。片耳だけにね。」

駄洒落は思い付いたら無性に言いたくなるが、今言うのかと思ってしまった。

けど、それぐらい言い合える仲なのだろう。

「どうだ?意外と面白いやつだろ。」

「そうですけど、その分、残念というか…。」

そう言うと彼女は少し笑い、空に向かって呟いた。

「どうやらお前のこと心配してくれてる後輩が居るらしいぞー。実戦で活躍できなかった分、奏羽ちゃんのこと守ってやってくれよー?」

すると、何処からか取り出した缶ビールの蓋を開けて宙に手を差し伸べる。

「今日もお疲れ様。相棒。」


滑走路のランサーに火が灯る。

エンジンを唸らせると、瞬く間に舞い上がった。

空に灯った4つのオレンジ色の光は高度が上がると、やがて消えてしまった。

グイッと口にビールを注ぎ込む。

すごく冷えてそうで美味しそうだ。

「どうだ?飲むか?」

私に1口飲んだビールを差し出すユキミさん。

「わ、私は…まだ飲める年齢じゃ。」

「あ、そうだったな、19だっけ?」

「えーと、はい。」

「一番楽しい時期だよな、その頃って。1度だけ戻れるなら私ならその時期かな。」

満面の笑みを浮かべているユキミさん。

多分、楽しかった思い出が沢山あるのだろう。

「私、奏羽ちゃんのこと好きかも。なんか昔の私みたい。私もよくこうやって先輩に相談乗ってもらってたなぁ。まぁ私なんかまだまだ先輩って呼べるほどじゃないだろうけどね。」

「いやいやそんな…。」

ふと思ったのだが私はユキミさんみたいになるということなのだろうか。

星5の内3.7ぐらい嬉しい。

長い髪を夜風になびかせながら頬杖をついて滑走路を見ている横顔。

夜にとても映えていて、写真に収めたくなる。

彼女に見とれていると気付いたのか、こちらに顔を向けた。

「…ん?」

私の考えていることを察したかのように微笑む彼女。

女だけどかなり自分が照れているのが分かった。

別に百合展開はIFには要らないけど始まりかねない。

「誰か来たぞ。」

ユキミさんが私の向こうを見ながら呟いた。


「げ…。」

私も釣られて見ると、そこに居たのは一人でやけに落ち込んだ様子の桂川だった。

「知り合いか?」

「桂川さんです…。」

「おぉ、そうかそうか。ちょうどいいや。」

機嫌良さそうな返事をするとユキミさんは抵抗なく桂川の方に向かった。

桂川はベンチに座って俯いた。

何かあったのだろうか。

ユキミさんが近づき何やら喋りかけている。

何度か桂川が首を縦に振ると、いきなり首根っこ掴んで彼女を持ち上げた。

呆気にとられていると、なんの躊躇も無くそのままこちらへ空輸してくる。

「ちょ、まっ。」

桂川も焦りまくっているようだ。

私の前まで戻って来ると、桂川を私とくっつけようとする。

「な、何するんですか?」

ユキミさんは何も答えずに静かにポケットから5000円札を取り出した。

「2人で晩飯食いに行ってこい!あれは嫌でも仲良くなるぞー!」

あまりの唐突な展開に私も桂川も困り果て互いの顔を見て、すぐに逸らした。

「様子を見れば、どっちも仲直りしたいみたいだしね。これで好きな物食べてこい!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

食堂ー。


初日の昼飯と晩飯をルームメイトと食べていないのは私だけだろう。

帰ってからまた蓮巳たちに謝って、明日絶対一緒に行こう。

「夙川…?」

桂川が何やら物言いたげに私の名前を呟いた。

にしても酷い状況だ、笑えてさえくる。

「な、何?」

「何…食べるんだ?」

「え?そ、そんなの聞く必要ないでしょ?」

私も桂川もまだまだツンツンだ。

どうしても心を開くことが出来ない。

思ったよりも向こうも攻撃的でない。

もしかして、私があんなけ過剰に反応したから怒っちゃったのかな。

第1、今日は声を掛けてきたのは向こう側からで話も聞かず逃げちゃった私も悪い。

桂川は謝りたかったのかもしれない。

横目で彼女の顔を見つめる。

よく見るとリボンの髪留めをしていた。

黒髪に黒色で分からなかったけど、意外と可愛い趣味してるようだ。

食堂は旅客ターミナルのものを流用しており、一応ここは一般人でも入れるようになっている。

数多くの大阪の名店が並んでいて、どれも私には馴染み深いものばかりだ。

昼は例の戦闘機の件であまり周りを見る余裕が無くて気づかなかった。

目を凝らして見ていると、桂川がある店の前で立ち止まった。

「私、このハンバーガーにしようかな。」

オシャレなカフェのような雰囲気のその店。

これは初めて見る店だったが、とても美味しそうなハンバーガーの写真だ。

値段は少し張るけど、ここはユキミさんに甘えよう。

「じゃ、じゃあ私もそうする。」

「え?」

すると急に彼女は顔を赤くして私の方を振り向いた。

「一緒のもの食べたら、お互いに心開けると思って。」

いつもは適当なことばかり言う私だが、これは結構有効な策だと我ながら思う。

「そ、そう?」

ひとつ1600円で合わせて3200円。

そこにデザートも注文した。

私はリンゴのケーキで桂川がイチゴパフェだ。

合計で4500円。

なんかひと昔前のインスタ女子みたいになってる。

注文が済んだのはいいが、こういう店は待ち時間がやけに長い。

そう、地獄の無言タイムだ。

「…。」

「あのさ。」

思ったより早く桂川が口を開けた。

「何で夙川はパイロットになったんだ?」

真剣だが、物寂しげな表情だ。

にしても何故そんなことを私に聞くのだろうか。

なんて答えれば良いか分からず黙り込んで上目遣いで彼女を見ていた。

「最近、何で私がこんなことしてるんだろって思ってさ…。その上、上手くいかなかったら人に当たってばっかりで。喧嘩したきりで。」

「そう…なんだ。」

まさか彼女とこんなことを話すとは思ってもいなかった。

「夙川のお母さんって、ゆきやまの…だよね?」

あまり触れてほしくない話題だったが、軽く首を縦に降った。

何か言いたいことがあるのかもしれない。

「お母さんが言ってたんだ。あの時、私のお母さんが岐阜からスクランブルして、ゆきやまに向かってたんだ。それで最後に夙川のお母さんと交信したのが私のお母さん。」

「え…?」

桂川が何で知っているのかが不思議だったけど、ようやく何故か分かった。

あの日、ゆきやまが轟沈された後、岐阜からスクランブルした4機のF-2がローゼンリア船籍の巡洋艦2隻を轟沈した。

ゆきやまに魚雷とミサイルを発射した母体だ。

自衛隊にとって初の実戦となったもの飛び交う対空ミサイルを潜り抜け、見事に12式を敵艦2隻に突っ込ませた。

後に彼女らは国民から大きな賞賛を得て、英雄と語り継がれるようになる。

その隊長機を勤めていたのが、桂川さゆり。

ほたるの母親だ。

その一方、私の母は…。

そんな思いが彼女を敬遠する原因になっていたのかもそれない。


「夙川のお母さんは本当に…うん…、凄かったらしいよ…。」

若干照れ気味に目線を逸らしてそう呟く。

「あんな状況であれだけの量のミサイルを冷静沈着に漏らすことなく迎撃して、私のお母さん達が来るまでの時間を稼いでくれた…。」

彼女は私を見つめ直し、優しい眼差しでこう言った。

「夙川と喧嘩した日に聞いたんだ。そ、それで、なんて言うか…。母は仲直りして欲しくて言ったんだろうけど余計にひねくれちゃう私がおかしかったよね…。その、夙川のことが羨ましかったんだ。腕も私の何倍も良くて、周りからちやほやされて。その分私は親の七光りとか言われ続けて…。」


「本当に色々とすみませんでした…。」


真っ赤にした顔を机に向けて振り下ろし、彼女は私に謝った。


「ま、まぁ夙川に謝っても仕方ないのか…。」

「次に紗奈絵ちゃんに会ったら、ちゃんと謝ってね。」

「勿論そのつもり…。本当にごめんなさい。」

一応便乗して、私も謝っておく。

「わ、私も、あんなになっちゃってごめん。」

彼女が熱心に頭を下げていると、丁度店員さんが美味しそうなバーガーを運んできた。

「お待たせいたしました♪ご苦労様です♪」

軍人慣れしてそうな店員だ。

すごくキャピキャピしている、数年前のノリだ。

「美味しそう…。」

桂川は数秒してから注文した品が届いたことに気づき、恥ずかしそうにあたふたしている。

太めのフライドポテトを口に運ぶ。

何もつけなくても美味しい、ジャガイモの深みがある味だ。

桂川は早速両手でハンバーガーを持っている。

不思議そうに見回してから1口かじりつく。

「あ、あふい…!!」

まぁそうなるわなと言わんばかりの様子だ。

「ちょっと冷ましてから食べたら。」

「そ、そうかもな…。」

さっきから落ち着かない様子だ。

パイロットとしてどこかカリスマ性に欠け、その上腕も人並。

言っちゃいけないけど、彼女が蔑まれてきたのも分かる。

けど彼女、私的には嫌いでは無い。

むしろ妹みたいで可愛い。

「妹キャラ…。」

「え…、はぁ?」

「なんでもないよ。」

思わず口に出た言葉を慌ててかき消す。

あまり喧嘩はしたくない。

彼女は怪訝そうな表情でこちらを睨んでくる。

どうにか笑って答えてみる。

フォークを手に取りプレート内のポテトフライに突き刺しゆっくり口へと運んだ後、彼女は表情を一変させて横目で頬杖をつきながら私を見た。

「で、何でパイロットになったの?」

私は1度深呼吸して、彼女の横目を見つめた。


「私もあなたも、同じ目的だと思うよ。」


「同じ…目的か…。」

桂川は僅かに微笑んだ。

「意志を紡ぐため。か?」

彼女の問いかけに私は静かに頷いた。

「これが桂川…いや、ほたるの本心じゃない?」

「ほ、ほたるって呼ぶな!」

かなり動揺した様子で、急に立ち上がって叫んだ彼女だが、周りからの視線に気づいた瞬間丸くなって机の下に隠れた。

「あんまり、好きじゃないんだよこの名前…。虫みたいで。」

「風情あって綺麗じゃん、ほら、アフターバーナーつけてる戦闘機みたいで。本当はどういう意味があるの?」

私は桂川の地雷源っぽい場所に全力で踏み込む。

桂川が劣勢な場、今の私はもはや重戦車と化しているのだ。

余計に顔をうずめる彼女。

「大切なお母さんにつけてもらった名前でしょ?」

「こればっかりは…。」

私は満面の笑みで彼女に語り掛ける。

「よろしくね、ほたるちゃん。」

「わああああああ!!」

そう悲鳴をあげて彼女は立ち上がってどこかへ行こうとした。

「ま、待って!ごめんって!」

我ながら性格が悪かったと思う。

私は逃げ出す桂川の腕を両手で掴んだ。

「離してえ!!」

「本当にごめん、調子乗った。」

私がそう言うと彼女は泣きかけていた目を1回擦ってから情けなそうな目で私を見た。

「夙川…奏羽だったよね…?可愛いし、パイロットっぽくてカッコいいし…。なんで私だけぇ!」

若干嬉しかったが、こんな顔で言われると同情する。

「とりあえず、食べよっか…。」

「むぅ…。」

彼女は不満げに再び席に着いた。

私は溢れ出る優越感に浸りながらポテトを摘んだ。

「おいしい…。」

いつの間にかハンバーガーを食べていた桂川がいきなり呟いた。

よほど美味しかったのだろう。

「良かったね。」

彼女は一瞬目を合わせてから頷いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

太平洋上ー

アメリア海軍第七艦隊 タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦 CG-67 "シャイロー"


気分転換にせまっくるしいCICから甲板まで出てきた。

「ヘリが帰ってきたようで。」

シーホークが夜風にさらされながら羽音を響かせて甲板に降りてくる。

「暗くなる前に見つかってよかったな。」

パーキンソンが落ち着いた声で言う。

彼女とはそれなりの旧友で、お互いのことはいちばん知っている自信がある。

特に語るような過去は無いけど、不思議な縁で結ばれている。


冷たい風が彼女の髪を揺らす。

長い金髪のストレートヘアに透き通った碧眼が人形みたいで可愛らしい。

「大丈夫なのかね。彼女。」

「意識は分からないけど、回復の見込みがあるそうよ。」

「それは良かった。」


ヘリのブレードの勢いが弱まり風切り音が途絶えたと思うと直ぐさま救命班と共に担架が降りてきた。

私たちはゆっくり担架へと歩みを進めた。

「大丈夫そうで?」

救命班2人の間からパーキンソンと担架を覗き込んでみる。

「えぇ、意識は飛んでますけどね。記憶障害が心配ですが。」

パッと見のところ、ローゼンリア人の様には見えなかった彼女。

肩までの茶髪に大きくて鋭い黒い目。

耳には赤い月のピアスを付けている。

パーキンソンは不思議そうにピアスに触れた。

「ねぇこの月どこかで見た事ない?」

一風変わった独特のフォルムの三日月。

どこで見たかは思い出せないが、かなり既視感がある。

「そんな気もするけど…。」

ここまで来ているのに思い出せずにイライラしてしまう。

「あの、艦内に運ぶので後ほど医務室でお願いします。」

救命士の1人がそう言って担架を押し始めた。

「わ、悪い。ご苦労さまっす。」

「ご苦労さまです。良い一日を。」

軽く敬礼した彼女らに対し私達も敬礼で応えた。

ヘリの格納庫かRozのパイロットは艦内に運び入れられていく。

「とりあえず1度CICに帰らない?少し喉が乾いたわ。」

「そうだな。」


タイコンデロガ級の中では新しいシャイローでたるが、艦内はやはり少し古めである。

「こいつも退役かね…。」

退役が進んでいるタイコンデロガ。

SPYレーダーがぶっ壊れてその他被害諸々となると、修理はしない可能性が高い。

「海軍に入ってからこの形には世話になってきたから、そうなると寂しいわね。」

パーキンソンも私の同じ様子だ。

CICのドアを開けると、何やら人だかりができていた。

「何かあったのか?」

「お前ら何してたんだよ。コレ見てみろ。」

振り返って私たちを呼んだのはパトリシア・V・ジェンキンス艦長。

常軌を逸した突飛な戦略が海軍作戦部に認められ28歳という若さでこの船の長となった。

毎度の如く自身のカリスマ性を発揮する彼女だが、私たちと年齢差が殆ど無いのでイジられることが多々ある。

そんな艦長がCICまで来て何をしているのだろうか。

「何か問題でも?」

「あぁ、ウイングに居た隊員が撮影したビデオなんだが。」

正面のバカでかいモニターに動画が映し出された。

前をデューイが航行している。

動画が始まった瞬間から激しいジェット音が聞こえ、次第に大きくなる。

かなりうるさい。

5秒あたりに差し掛かるとフランカーが映りこんだ。

「ここだ。」

動画を止めた彼女はフランカーの垂直尾翼を指さした。

「この赤い流れ星が何を意味するか分かるか。」

フレアやら煙やらが映り込んで見えにくいが尾翼にはくっきりと赤い四望星に流れ星が刻まれていた。

「ってことは…。」

パーキンソンが懐疑的な表情を見せる。

それもそのはずだ。

このフランカーはローレンルシア国籍でない。


「ローゼンリアだな…。」


しばらくの間沈黙が続くCIC。

焦りを隠せない様子の隊員らに加え、普段は冷静なジェンキンス艦長も確かに動揺している。

「どういうことだ…。撃墜事故と何か関係が…?」

「今はパイロットの意識回復を待つしかありませんよ」

いつもと違い少し取り乱していた艦長に落ち着くようにパーキンソンが語り掛ける。

戦争は何から始まるか分からない。

先の戦争での護衛艦ゆきやまの事案は私も覚えている。

恐らく彼女の脳裏にも焼き付いていることだろう。

自分が戦争の引き金を引いてしまうという恐怖。

耐え難いものであることは確実だろう。

「空母打撃群が30分後に合流するそうです。これでひとまず安心ですね。」

レーダーを見ていた隊員がそう言った。

「ええ。この上空はAWACSも飛んでますしF-35も飛んでます。何も焦ることは…。」

「分からないのか?」

対空要員の発言に対し鋭く突っ込むジェンキンス艦長。

「他国から攻撃を受けた。それがどれほど不味いことになるか分かって言ってるのか?」

これには対空要員も青ざめた顔ですみませんと言ったきり黙ってしまう。

実戦経験のほとんど無い私たちにとってはことの大きさが分からないというのもあるのだろう。

現実から目を背けているというのもあるのだろうか。

本当に事の重大さに直面していたのは艦長だけなのかもしれない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


2人で夕食を食べ終えてなんとなく通路を歩いている。

時刻はいつの間にか8時を回っていた。

10時には必ず就寝するのがルールだが、遅れても明日の朝定刻通りに起きればあまり問題は無い。

「夙川…?」

特に何も考えずに居ると桂川の呼ぶ声がしたので振り向く。

「気になってたんだけどさ。ユキミさんって誰?」

「あぁ…、ユキミさんはね…。まぁ、あの通りの人だよ。」

「そ、そうか。」

まだ困惑がしている様子の彼女。

「でもなんて言うか、私の憧れって言うか、近いところを感じるような…その…。」

「へぇ、良いじゃん。」

そんなことを考えながら呑気に歩いてくると元保安検査場跡まで来ていた。

ここから先は完全に軍基地である。

手帳を入場改札にかざすと頑丈そうなドアが見た目よりもずいぶん身軽に開く。

「そういえば、私たちっていつ銃とか持てるのかな?」

ドアを潜り抜けた桂川が興味深そうに聞く。

確かに隊員のほとんどが銃を携帯している。

ユキミさんもカスタマイズされたグロックを持っていた。

「お姉ちゃんが言うには最初にP229?が一律で給付されるらしいけど、折角だしカッコイイの持ちたいよね。」

「まぁミリタリーファンとして分かるかも。」

浮かれながら入場改札を超えて道順に進むと旅客ターミナル時代のショップ跡を利用して軍人用のコンビニやミリタリーショップが設置されている。

そのスペースの中央には訳アリの隊員達が雑魚寝してきたりする。

「あんな風にはなりたくないよな。」

「まあね。」

彼女のストレートな言動には苦笑する他無かった。

しかしそんなことに焦っている場合でもなかった。

泥酔状態の人たちの中のある人が目に止まった。

「げ!?」

泥酔している他の隊員の残飯を漁る彼女。

紫がかった黒の長髪にくっきりと白のメッシュが伺える。

「ユキミさん…。」

紛れもない三越ユキミだ。

桂川も私の視線を追いかけ頭を抱えた。

「なんか悪いことしちゃった気が…。」

他の隊員が食べかけていた鮭のおむすびを美味しそうに口に放り込むユキミさん。

本人はすごく満足していそうである。

「ここは早く行こうよ、ね?」

桂川が私の背中を押してくる。

このあとユキミさんが何をするのか気になるところだが彼女の押すがままに仕方なく歩いていった。


旅客ターミナルには取り残された数機の民間機や早期警戒機に輸送機やら色々止まっている。

先程離陸していったのとは別のランサーも見受けられる。

こんな時間なのに旅客ターミナルの待合席には何人か寝そべったりしている。

よっぽど疲れているのか、はしゃぎすぎたのか。

唖然として愚痴が開きっぱなしの桂川と一緒に観察していると、これまた既視感のある人が椅子に座っているのを見つけた。

充電要員コンセントから伸びたケーブルに黒いノートパソコン。

大和撫子の雰囲気漂う腰ほどまでの長い黒髪と長めの姫カット。

AlphaEAGLE隊の美鈴さんだ。

画面には地図のようなものが表示されており、手を止めることなくキーボードを連打している。

「知り合い?」

「まぁ、そんなとこなのかな。」

話しかけようか迷っていると急に誰かから肩を掴まれた。

「よう、こんな時間まで何しとるんや?」

どこか安心感のある関西弁、AlphaEAGLE隊のかえでさんだ。

「さっきコンビニから帰ろうとしたらメーリンに引き止められてな、なんかやけに焦っとるみたいやで。」

そのまま美鈴さんの方に向かって歩くかえでさん。

私も恐る恐るであったが着いて行った。

「なんかあったんか?」

かえでさんが軽いノリで話しかける。

「なんかとか言ってる場合じゃないかもしれませんよ。」

少し掠れた声に尋常じゃないほど震える手元。

かなり焦っているようだ。

かえでさんは1度こちらの方を向いて首を傾げた。

「一回落ち着いてコーヒーでも飲んで落ち着きや。」

「そんなこと言ってられるのも今のうちかもしれませんよ。」

かえでさんに目も合わすことなくタイピングを続ける彼女。

かえでさんも困っている様子で仕方なく右手のコーヒーをすすっていた。

「見てください。」

いきなり手の動きが止まったと思えばパソコンの画面をこちらに向けてきた。

「ローゼンリアの空軍基地が反政府軍によって陥落したようです。かなりの深層Webの情報ですが、おそらく犯行声明と思われます。」

「はぁ…。」

溜息混じりでどこか気の抜けた返事をしたかえでさんは、座ったままこちらを上目遣いで見つめる美鈴さんに左手の珈琲を押し付けた。

「1回飲んで落ち着きや。あんた焦りすぎや。そんなもん書こうと思えば幾らでも書ける。」

「ですが、映像も…。」

再びキーボードをカタカタと鳴らし別のウインドウが浮かび上がる。

走りながら撮っているのだろうかやけに揺れている影像だ。

よく聞くと爆発音や銃声が聞こえ、映像にはローゼンリアの戦闘機から黒煙が上がっていたりする。

「こんなもんゲームかなんかやろ。」

「今解析していますが、その可能性は低いと…。少なくとも現実で起きている事態であることは確かです。」

「どっちにしろすぐ収まるやろ。つーか、あんな政府ぶっ潰れればええんや。日本に侵攻してきたんはあいつらやからな。」

少しキレ気味なかえでさん。

「問題はそこなんですよ。」

真剣な眼差しで語る美鈴さん。

「まだなんかあるんちゅうんかい。」


「その反政府団体が前政府の過激的な支持者なんです…。つまり政府をひっくり返したと考えられる理由は日本への侵攻になるんですよ!」

納得のいかないような顔を浮かべるかえでさん。

「なんやて?」

「ローゼンリアとの休戦が破られる日が近づいてるんですよ。」































































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