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聖約のスレイ  作者: ネツアッハ=ソフ
1,はじまりの契約
7/23

エピローグ

 とある樹海(じゅかい)の奥地。魔物が跋扈(ばっこ)する廃墟の城で……一つの戦いに終止符が打たれた。


 燃えている。廃墟の城は炎に包まれている。廃墟の城は壮絶な戦いの痕跡(こんせき)が残されており、その中央には漆黒の外骨格に身を包んだ人型の魔物が剣を()き立てられていた。


 漆黒の魔物は、短い断末魔(だんまつま)を上げ崩れ落ちる。しかし、魔物を討ち取った少女に達成感というものは欠片も存在しない。むしろ、(むな)しさばかりが押し寄せるのみだ。


 少女は漆黒の魔物の死骸を前に、膝を着き()き崩れる。


 どうしようもない(おも)いを、涙と共に()き出す。


「…………ねえ、君の(かたき)は取ったよ?魔物は倒したよ?」


 胸に押し寄せる虚無感。締め付けられる胸を押さえながら、少女は。勇者マリスは嗚咽(おえつ)を零しながら言葉を吐き出す。何よりも大切な少年への想いを……


 漆黒の魔物によって無惨に殺されたスレイという名の少年への想いを吐き出す。


「だから、ねえ!帰ってきてよ……私をもう一度()き締めてよ…………!」


 しかし、少年は其処には居ない。当然誰も抱き締めてはくれない。


 悲しみに打ちひしがれる少女は。孤独(こどく)な勇者は炎の廃城(はいじょう)で一人、絶望の泣き声を上げた。


 誰も居ない炎の廃城で———


 悲しみと絶望に胸を引き()かれながら———

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