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聖約のスレイ  作者: ネツアッハ=ソフ
3,おしまいの契約
18/23

2,それぞれの世界で

 とある神造(しんぞう)の世界にて―――


 その世界は(すで)に陥落寸前だった。いや、他のほぼ(すべ)ての世界は陥落寸前だった。だがそれでもまだまだ諦めきれない。諦めるわけにはいかない。


 だからこそ、今此処に命を()やすのだ。世界を、自分自身の大切(たいせつ)な何かを守る為にも。此処で命を燃やし尽くす覚悟(かくご)で挑むのだ。


 それは決して無意味でも無駄でも無価値でもない。この全てに価値(かち)はある。


 それを証明(しょうめい)する為に、今此処に全てを()けて挑むのだ。挑まねばならないのだ。


「魔王よ、まだ()けるか?」


「ふんっ、神王こそ腑抜(ふぬ)けた事を言うなよ」


 神王も、魔王も、竜王も、そして三人の人王も。全てを賭して命を燃やす。


 とある並行世界の地球、日本———


 其処でもやはり世界は陥落寸前だった。天地(あめつち)の全てを埋め尽くす魔物の群れ。だが、そんな中でも人々は未だ希望(きぼう)を捨ててはいなかった。


 決して強がりなどではない。強がりでは済まされない。そんな強さが其処(そこ)にあった。


「ほらっ、まだまだ敵はたくさん居るよ!もっと気合(きあい)を入れて!」


「妹よ、お前そんなキャラだったっけか?」


「二人とも呑気(のんき)にしゃべっている(ひま)があるなら敵に集中してっ‼」


「「イエッサー‼」」


 希望は(つい)えていなかった。


 とある世界、統一王国———


「くっ、このままでは……」


 既に、この世界も陥落寸前。騎士団も一般兵達も疲弊(ひへい)していた。もはや此処までか?そう誰もが諦めかけたその時。一人諦めない者の姿(すがた)が其処にあった……


「皆、まだ諦めるなっ‼まだまだ我らは立っている‼()きているのだから‼」


「……っ」


 それは、勇者(ゆうしゃ)と呼ばれた少女だった。その姿に、皆は奮起(ふんき)して再び立ち上がった。


 そうだ、まだ()わっていない。まだ生きているのだから。なら、此処で終わらない。まだ、まだまだ自分は生きているのだから。諦める訳にはいかないだろう。


 そう、命を燃やす価値(かち)は此処にある。

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