表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

前編

   

 コウタくんは、私のお隣さん。

 昔から、トンネルが大好きだった。


 今でもハッキリ覚えているのが、小さい頃の、ある冬の日の出来事。

「お母さん! 屋根から氷が生えてる!」

 うちの玄関の軒下に、氷柱(つらら)が垂れ下がっていた。私にとっては初めて見る氷柱(つらら)であり、たいそう興奮したものだ。

 滅多に出来ない氷柱(つらら)が出来るほど、冬の寒さが厳しい一日だったのだが……。

「ナオコちゃん、あそぼー!」

 いつものようにやって来たコウタくんは、私の「何して遊ぶ?」という質問に対して、

「公園でトンネル作るのー」

 と返したのだ。

 公園の砂場で砂山を作って、そこにトンネルを開ける。彼の大好きな遊びであり、それは私も承知していた。

 私も喜んで付き合ってきたけれど、それは暖かい日に限った話だ。その時は「こんな寒い日にまで、外で遊ぶのか」と呆れてしまった。

 それでも、彼と遊ぶのが習慣になっていたせいか、私は断れず……。

 いつもと違って誰もいない公園で、夕方まで二人で遊んだものだった。トンネル掘りそのものよりも、公園を独占できたことが嬉しくて、ニコニコ顔で家に帰ったら、

「まあ! この寒さの中、ずっと公園で遊んでいたの?」

 と、母親に笑われたのも良い思い出だ。


 そんな私と彼も、今では大学生になって……。

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ