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落掌  作者: 実嵐
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悪しき糸

 沼田に会って深い話をした数日後のことだった。加賀美が新聞社に入るとドタバタしているのを見えた。

「どうしたんですか?」

「あれだよ。ショッピングモールで化学薬品をばらまいた組織が分かったんだ。・・・それが国会議員の息子が含まれていることが分かっていて警察は公にしない可能性が高いことが分かったんだよ。それで名前を挙げることで抵抗しようってことになっているんだ。」

警察はそのことが公になってほしくないのでこぞって権力を振りかざしているのだという。嫌がっている人もいるだろうが、組織を全うするってことにつながってくるのだろう。諏訪は真ん中の机に座ってただ考えこんでいた。彼なりの思いがあるのだ。

「いいか。よく聞け。これから警察に対して喧嘩を売る。それで叩かれたりしてしまうことは少ないだろう。だが、警察からはよく思われないのは事実だ。それを隠すことで見えてくるものは少ないのを知っているだろう。」

「部長。わかっていますよ。これまでも何度も喧嘩を売って来たじゃないですか。それでも相手はへこたれなかったんです。けど、今回ばかりは痛い目に遭うと思いますよ。国会議員の息子がかかわっていることを公にしないとなると上級国民がとかの話になりますからね。厄介だと思いますよ。」

1人が声を上げるとそれに続けというように歓声になっていった。真実を書くことを全うすることに意味があるのだと知っているからこそなのだ。

「部長である俺が書く。それだけはわかっておいてくれ。」

諏訪はそう言って記事を書き始めた、その時だった。ある人物が声を上げた。

「おい、黒岩幸吉と妹尾一臣が殺されたぞ。ジャッジマンが手を下したということだろうな。」

「ジャッジマンが殺したんですか?」

「そうだ。ブラックリストで浮かんでいた名前で最後だとか言っていたな。何時かの事件の時にいわくつきとされた2人でそれでずっと口を閉ざしたままで経歴だけはいいものをたどっているんだよ。黒岩幸吉はもともと検察一家に育ったこともあって不自然なことがあったことも黙っていることに徹するしかなかったんだよ。」

2人が死んで喜ぶ人間は大勢いるだろう。黒岩という家に守られていることもわかっているなら余計に思ってしまうだろう。黒岩と妹尾の関係性について疑うことも上がっていたのだという。

「沼田から聞いた話だけど、殺された2人は同じ大学の法学部を出て、同じときに法科大学院にいったとされている。」


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