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落掌  作者: 実嵐
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止まった背景

彼は何処か明るい未来を願っている言葉を言ってる影でうごめいているものを確信しているようにとれたのだ。

「それじゃあ弁護士や検事とか目指すことになるんだね。」

「まぁ、決めるのは後でいいんじゃないかと教授に言われているんです。弁護士という世界もピンキリで生き残るのも難しいんです。検事になったとしても黒岩家に従わないといけないとダメだとも言われているんですし、裁判官は裁く重さを知っていくんですよ。・・・考えるだけで明るいかどうか判断するのは時期尚早なんです。」

彼の抱えた分厚い本には責任を抱え込んできた人達の未来を見せているようでもあった。検事になったら黒岩という家庭の動きを見ていくのだといっていた。

「そういえば・・・、ブラックリストで最後の2人だとか書かれていたんです。そこに書かれていた名前は黒岩幸吉と妹尾一臣でした。この2人は津田事件の関係する人達だといわれています。」

「そうか・・・。黒岩幸吉と妹尾一臣か。」

「はい。黒岩幸吉は検事でありながら目撃者として浮上した人物です。妹尾一臣は裁判官で津田海を裁く予定だった人物でした。」

目撃者として浮上した人物が何故ブラックリストとして挙がっているのか。妹尾に至っては裁くはずだった裁判官で正式にさばいていないのだ。その2人の動向としては堂々としているものでジャッジマンの恐ろしさを感じていないようだった。ジャッジマンの真の目的を見せ始めた気がしたのだ。

「津田事件の真の犯人を殺せなかったこともあったから、その目的を変えたとしか考えらないんです。」

彼の言葉を生み出すことの意味を感じてしまうのかもしれないのだ。消えない世界が浮かんだとしたとしたら・・・。

「生み出されたものを消すことができなかったんだよ。」

  彼のほほえみが誰かを喜ばす力をもっているとも思わなかった。無邪気な彼が抱え込んでしまったのだ。それでも無理にでも明るい世界に見せたかったのかもしれない。

「俺がこのご時世を明るくして見せますよ。誰もが納得する裁きをする裁判官とか・・・。まだ夢の話ですけど、」

「夢を持つことはいいことだ。それがかなわないとしてもだ。」

儚かったとしてもかなえることができるものとしているのだ。夢を語る若者を奪っているのは政治家なのかもしれない。無気力な態度を示しているのは政治家なのではないかと思ってしまったのだ。変わらないものを嘆くことしかできないとしても何処かは変わりゆくものなのだ。

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