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落掌  作者: 実嵐
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聞こえない見えない時計

沼田によると近所では気味悪く思われてしまって近所での行事ごとに誘うこともなくなってしまったのだという。葬式や結婚式にすらも・・・。

「待ってください。黒岩幸吉の息子じゃない黒岩隆吾が黒岩に対して恨むと思いますか?」

「私は思いますよ。津田事件は目撃者が異常に少ない事件だったんです。黒岩の近所の人間が言うにはあれは黒岩幸吉が第一発見者であった上に犯人を目撃をしたのではないかという噂が上がったそうです。それかそれに近しい人物であったがために握りつぶすことにしたとも・・・。」

津田事件は被疑者死亡として略式起訴したのだ。津田海の名誉を回復することはないまま、時間が過ぎてしまったのだ。そのことで息子である隆吾が知った時に怒りを覚えるのではないだろうか。復讐を簡潔させるためには最後に黒岩幸吉を殺す必要がある。そのための計画のために法律を覚えたわけでもないだろう。ただロボットのように検事になるために武器として覚えていたのだろう。何処かのタイミングで知ったのだろう。残酷な事件を・・・。

「そういえば・・・、黒岩隆吾にはパソコンに詳しい友達がいたそうです。彼はかなりプログラミングができたうえに海外のサーバーを経由の仕方も知っていたそうです。その友達は隆吾の生い立ちを知っていてもおかしくないですよ。」

「その友達に頼み込んでサイトを作ってもらったんですかね?」

「それはないわ。あんなサイトを自分で作るしかないやろ。あんなに複雑な海外のサーバーの経由をするために金を払ったんやろうか・・・。」

いくら黒岩幸吉の養子になったとして金は与えてもらえなかっただろう。そのことを考えると自分で制作した可能性が高い。

「沼田さんにお願いがあります。」

「なんですか?」

「2つの音声を分析してくれる機関に調べてもらえないですかね。そうすれば真相心理というものもわかって次に狙っているかもわかるかもしれないです。」

加賀美は鞄の中にあったボイスレコーダー2つを沼田に渡した。彼女には公的な機関に勤めているうえにそのような分析をしている友人がいるのだという。格安で分析も行っているほどなのだという。

「信頼できる人だから安心してください。」

加賀美は薄くなったコーヒーを飲んだ。苦味も甘味すらも消えてしまったただ薄まっただけの茶色い物体と化した飲み物を胃の中へと流し込んだ。彼にとってはそうでないほうがいいと願っているようだ。

「1つは誰がとったんや。」

「須藤哲明です。」


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