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落掌  作者: 実嵐
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光と影の色

沼田に会いに行くためにといっても諏訪が言っていた喫茶店というのは加賀美は知らないのだ。

「まぁ、沼田が東京地検のほうにいるのが珍しいじゃないのかな。だって、黒岩幸吉は検察庁のお偉いさんなんだからしょぼい事件をやる必要がないんやよ。だから裏があるとしか思うしかないわ。」

近くのコインパーキングに車を止めて歩いていく。そこから見える景色を眺めているほどの時間もないのだと感じてしまうのだ。冷たいばかりが利口であるようにしていく都会に埋もれていくことも簡単さに驚いてしまうのだ。それに違ってしまうのだろうかとも思った。

「此処から近いところに部長が言っていた喫茶店があるんや。そこはコーヒー豆にこだわっていることで有名で検事が言っているとも言われている場所で落ち合うことで引き出しが増えていくんや。待っておけば来るやろ。」

建て替えをした感じに映る喫茶店の入口に入った。小さな鐘がからからと鳴ったのだ。

「いらっしゃい。誰かを待っているのかい?」

「そんなところですよ。だから隅のほうをお願いします。」

店主にそう言うと嬉しそうにして柱の陰で見えにくいところにしているのだ。好む客が多いことが分かって取らなかったのだという。むしろ、構造上のことで切れなかったというのが正しいのだが、内装に金をかけずに済んだと安心しているのだという。

「勝手に座ってよ。待ち合わせの人の名前を教えてくれるかい?」

「沼田や。沼田彩芽。知っとるやろ。清楚な感じに見せておいてがつがつしている奴や。」

店主は聞くと好みのドリンクを作り始めた。何度も来ていることもあって好みがわかっているのだ。週刊誌の記者だったことを恥じることもあったが、それすらも乗り越えているように思えたのだ。小さな記者をしていることになったことを忘れていないのだという。

「小さな週刊誌の記者が取り上げるようなネタなんですか?黒岩幸吉は?」

「違う。むしろ、大きくても権力に負ける出版社とかが多くてやめるところが多いんや。日楽は例外や。部長が権力に負けるような新聞社はくだらんって言って上の連中を怒ったこともあって厳しいことも言うことはないんやよ。そんなこともあって日楽は特別やから入りたいっていう人が多い分、厳しい世界なんだよ。」

沼田は中途ではあるが入れたのはそこに日楽の関係者との知り合いがいた経緯があるのだという。それによって見えるようになっているのだという。彼女はショッピングモールの事件も担っているのだ。

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