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落掌  作者: 実嵐
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物騒な冷酷

仁がテレビを見ているとCMが流れた。そのCMを見てみると、何処か洗脳させているようにしか見えなかった。つぶやいたところで届くものではない。

「仁、そろそろ幸之助さんがかえって来るっていう連絡を受けたから私は玄関で待っていますね。」

楓は食器とかを洗い終えて同じようにテレビを見ていたところで電話がかかったのだろう。出た後に玄関へと向かった。仁も行くべきかと思ったがソファから動かなかった。インターホンが鳴った。楓が出ているのだろうか、引き戸の音が漏れている。

「悪いね。楓ちゃん。こうちゃんがさ、飲みすぎないようにはしているんだけどね。」

「毎回有難うございます。仁も久しぶりに帰って来たんであってください。」

楓の言葉が聞こえたので仁は少し身なりを整えて玄関にいった。幸之助を抱えていたのは氏子の一番偉い立場になっている人で仁もあったことがある。

「刑事のおじちゃん、氏子の立場が上がったの?」

「まぁ、氏子も回ってくるって言ってもやらない人もあふれてきてね、繰り返しやっているんだよ。氏子と住職の交流ってことで飲み会を開いたけどこうちゃんは飲みすぎたわけじゃなさそうだよ。」

氏子の立場もまちまちになってしまわないようにとしているのだろう。教える立場になって若者が離れていってしまうこともあってか、繰り返すことがある。

「仁君って確か、日楽新聞だよね。」

「そうです。文化部にいたんですけど、社会部に異動になったところなんです。刑事のおじちゃんなら知っているんじゃないかと思って・・・。」

人の名前か事件かと思っているのだろう。当時あった時に似た目を仁に見せていた。彼は警視庁捜査一課に所属していた経歴もあってかなりばりばりだったのだ。事件も最前線で活躍していてその時に相棒を事件で殉職されてなくなってしまったのだ。それから通うように懺悔をするようになったのだ。氏子をしているのもその関係もある。

「須藤哲司っていう人なんだけど・・・。」

「あぁ、須藤さんね。あの人は刑事としてかなり動いていた人だったな。それがどうした?」

「いや、新聞記者にね、手紙を書いたんですよ。だから・・・。」

彼によると須藤が退職する前に起きた事件に心を奪われていた様子だったのだ。その事件を忘れることすらできなそうだったのだ。

「その事件って何ですか?」

「処刑台っていうサイトを使って起きた物騒な事件だよ。一審で受けた刑より二審で受けた刑が下がった犯罪者を狙った事件だ。今のブラックリストと同じだよ。」

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