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落掌  作者: 実嵐
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正美は弟のことになると気になることも重なってしまうのだろう。

「あと、気になったことがあるのよね。」

「気になったことですか?」

「そうよ。・・・確か、黒岩隆吾っていう人は黒岩幸吉の本当の息子じゃないって聞いたのよね。その人は警視庁に入ったんだけど、家族の誰かが検事になったみたいなの。飲み会か何かの時に言ったらしいの。」

本当の息子ではないが、自分にとっては訳ありの事案がかかわっているから隆吾を養子にしてまで育てたと聞いたと正美は言った。黒岩隆吾の養子に入る前の苗字が分かれば幸吉が浮かんでは困ることが出てくる。今の地位を保つことができるのだとも思ったのだ。

「隆吾っていう名前は新聞に載ったりしないのかしら。何かつながりそうだったら私も探すわよ。」

「有難うございます。」

「いいのよ。伯が此処までするのは珍しいからね。私もうれしいのよ。・・・幼いころに救われたことが良かったのよ。」

紅茶の飲みながら言った。黒岩隆吾は黒岩幸吉の本当の息子じゃないことが分かったこととそこに浮かび上がることが分かれば、ブラックリストと処刑台のこともわかるのではないかと彼自身は思っている。

「刑事じゃないんだから事件を解決してほしいとまで思わないんだけどね。・・・だけど、事件は解決してほしいのよ。新聞記者にできることは限られるのよ。でも進んでいるから大丈夫よ。まぁ、新しい記事を楽しみにしているわ。」

彼女はそう言って会計伝票をもってカフェを出て行った。加賀美は新聞社に戻って記事を書く必要があるのだが、何処か動けなかった。カフェで茫然としていると金城が現れた。

「此処におったんか。」

「はい、お姉さんに会っていたんです。」

「そうか。まぁ、新聞社に顔を出したっていうことは様子見に来ただけやろから安心しておけばいい。大した話があったとは思えないがな。」

金城はそう言って正美が座っていた席に座ったのだ。コーヒーを頼んだ。すぐに動き出せないところを見て思ったのだろう。

「なんか言われたんか?」

「黒岩隆吾は黒岩幸吉の本当の息子じゃないっていうことが分かったんです。何か思いませんか?黒岩庫吉自身が隠したい事件っていうのは何でしょうか?それがブラックリストと処刑台とかかわっているんですかね。」

「ありえないわけじゃないんや。黒岩隆吾について調べるのがいいのかもしれへんな。」

金城は話を聞いてブラックリストと処刑台に加えて黒岩隆吾について調べることになった。加賀美はそのあと、ハローナイスについての記事を書いた。

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