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落掌  作者: 実嵐
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相沢について話をしていると後ろにいた諏訪がすっとなじんできた。

「それでも会社というのはそんなものだからな。相沢が本当に辞表を出しかはまだ定かじゃないんだよ。むしろ、他の連中が流しているに過ぎない。・・・だから噂話っていうのは注意が必要だ。」

諏訪は隣で話していた人を退散させた。彼女はショッピングモールで起きた事件を追っている記者であるが同じく停滞しているので暇をしていたのだろうと思ってしまったのだ。ショッピングモールで化学薬品をまくだけでも時間がかかる仕組みだったこともあって警察は複数犯を予想しているが、時間に少し誤差が起きていることもあって単独犯で起きたことも視野に含んでいることくらいしか情報が入っていないのだ。

「加賀美、暇だったら林良助に会ってきてくれ。内藤丈太郎とは顔なじみがあるから俺の名前を挙げれば通してくれるよ。まぁ、悪い噂しかない人だから記者として何回かあっていた経緯があるからな。それでも縁っていうのは割と切れないものだ。」

彼はそう言って名前を言っても疑ってくるようならといって安っぽいジャケットから名刺入れを取り出してきた。記者としてバリバリ働いていた時は少しでも値が張ってもジャケットを買っていたが、今は安いジャケットで間に合っていることもあって着こなしているのだ。

「そうですね。ハローナイスですよね。」

「まぁ、あっちも応接室っていう立派な場所はもっていないからきっと外の喫茶店か何処かで待たされると思う。漏らされたくない話だったら余計に身内のいるところでしたがると思う。けど、今回は検討がつかないから喫茶店だわ。」

ハローナイスの近くにこじゃれたカフェがあるのだ。そこで内藤は顔を出すときによっているほどの常連なのだ。マスターとも顔見知りなので内通者としているのかと思えばそうでもないらしい。悪いことの話が上がると諏訪にすぐに伝えてきたのだという。

「言ってみればわかるよ。お前の名刺はキチンと渡しておけよ。マスターはな、マスコミにすぐにリークしてくれるような人だから。」

諏訪には今でも内藤の話が来るのだという。それに加えて何時来るのかと問いかけてくるほどなのだ。ハローナイスが漏らす内容を明かすのはマスターに対してハローナイスが利益がないのだという。口止め料を払うわけでもないので、あっさり話すのだという。むしろ、コーヒー代をつけているらしいのだが、何杯かを払わないことも多いので嫌気がさしているのだという。

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