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落掌  作者: 実嵐
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進んでいるか退いているか

 ブラックリストと処刑台を調べ出して半年が過ぎた。時が過ぎ去っていくのは儚くも何処か素早く進んでしまうのだ。時間だけが進んでいるのだとわかることがある。金城は相変わらず何処かそっけない態度をすることは少なくなってむしろ、新しい事件を追いかける時間よりもブラックリストに参加するようになったのだ。

「加賀美、どうや。進んでいるか?」

「全くですよ。ジャッジマンのことに対してあるのは音声くらいで佐藤敏夫の事件が起きた後は全く上がっていないのでわからないんですよ。ブラックリストには名前が連なっているんですけど・・・。」

「そりゃ、犯人が忙しくなって事件を起こしている暇がなくなったんか、それとも良心の呵責でやめたんかに過ぎないな。」

ショッピングモールを化学薬品をばらまいた犯人もいまだ捕まっていないのだ。情報提供を求めるにも死者が多いこともあって不審な人物が浮かび上がってこないのだ。防犯カメラにも頼っているようだが、防犯カメラにも有力なものはなく、警察もてこずっているのがが丸見えだと諏訪が漏らしていたのだ。ブラックリストにおいてもサーバー班がかかわっているといっても進まない姿を見ると警察はあきらめてしまっているのかもしれない。社会部にいるのはブラックリストとショッピングモールで起きた事件にかかわっている人間しかいないのだ。腕のいい記者ほど大きな事件を任せていることもあってか、外で動いている人はそこまでではないのだとも思っていないのだろう。

 加賀美は諏訪に突然呼ばれた。

「加賀美君、君には期限がある。それはうやむやに思っていても手を引くことの証になるんだ。でも、そこまで頑張ってほしいんだ。羽鳥が言っていたんだよ。文化部にいてもよかったのかもしれないってな。相沢が書いた記事があっけなく終わったんだって。」

相沢隆成が書いていた記事が面白みがないうえに内容も薄かったこともあって終わってしまったのだという。新しい連載を書こうとしているのだという。

「本人は新しい企画には乗り気なんだが、社会部にいたころから書き手としての腕も鈍かったんだ。まぁ、人事も他の人材として入れたんだろうけど、記者としては終わっていることは伝えているんだ。特に羽鳥のところじゃやっていけない。」

同期だったこともあって諏訪は険しい表情で言ったのだ。羽鳥は確かに厳しかったのだ。記事に対しては面白いネタを見つけろとまで言われている人までいたほどだ。

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