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落掌  作者: 実嵐
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謝罪と寛容

羽鳥からの紹介が終わって、羽鳥は別の仕事があるのかいなくなってしまった。加賀美は相沢のほうを見た。社会部にいたが、合わないといわれたことも理由なのだろう。

「加賀美さんの企画を受け継ぐことになったのは今日聞いたんです。諏訪さんから記者クラブを出るように言われてきただけですから。」

「そうですか。気張らずにやったほうがいいですよ。地方に飛ぶことの多い企画ですから独身の人がいいと思ったんでしょう。理解のある人なら余計にです。」

相沢にとって社会部を離れて突然大きな企画にかかわることになってしまったのだ。相沢に負担が増えたといっても過言ではない。その負担が見えているのか、相沢の眼はふらふらと揺れている。

「加賀美さんはこの企画で会長賞を受賞されたんですよね。俺も同じようにならないといけないんだと思ったんですよ。諏訪さんから聞いたんですけど、羽鳥さんが一番厳しいらしいですね。」

「そうなんですか。俺は最初から文化部だったんで知らなかったんです。諏訪さんはかなり部長を信頼しているようですからね。」

「面白い企画を上げないと地方に飛ばされるとか言われているみたいです。」

相沢から知らされたのは羽鳥はどの部署にいて恐れられていることが知らされた。羽鳥は文化部だけでなく、社会部などかなり点々としていた経緯もあったらしい。記事を書いても認められなかった時期もあったらしいが文化部として有名人との対談でうまくかわしたり聞き出したこともあって部長として抜擢されたとのことだった。

「だから、加賀美さんには社会部などで経験を積んでほしいじゃないんですかね。」

「初めて知りました。」

加賀美はそう言って自分の机に戻った。相沢には負担をかけるような言葉を継ぐばかりではいけないと思ってしまったのだ。彼は資料を読み倒すくらいに読んでいる。金子の書いた記事は読みやすく、わかりやすいのだ。場所の創造が付きやすく書いているのでわかる。須藤がバリスタになったのは同僚のことがあったからだと書かれていた。

『どうしてバリスタを目指されたんですか?

父が始めた喫茶店をバカにされたような気がしたんですよ。その当時の俺は何もなかったんですよ。調理師くらいじゃダメだと思ってバリスタになったんです。近くの店でうまいコーヒーが飲めたらうれしいじゃないですか。

そうですね。有難うございます。』

隣にいた金子に声をかけた。

「お前、これって2度目の取材なのか?」

「そうだよ。最初の記事は悪用にあったから表に出さないんだよね。謝罪もかねてもう一度受けてもらったんだよ。」

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