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落掌  作者: 実嵐
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見えぬ世界と明るき色

加賀美はネットカフェに行き手続きをした。毎日とまではいかないが、できるだけネットカフェに訪れるようにしている。アパートで行ってもいいのだが、パソコンが浮き上がるのを恐れての行為に過ぎないのだ。会社としても嫌とも言えないのだろうと思った。部屋番号が分かったので金城に知らせた。パソコンを開き、ブラックリストを開いた。そこに名前が挙がっていたのは荻元光だった。荻元はまだ裁判も行われていない段階で上がってきていることになる。連絡を入れてから少ししてノックの音が聞こえたので彼はドアを開けた。

「狭い部屋ですけど・・・。」

「構わん。しょせんは誰が上がっているか、知りたいだけなんや。」

「今は荻元光が上がっています。逮捕されて釈放されたところを狙う可能性もありますよ。ジャッジマンがかなりキーマンであることは須藤哲明に聞いてわかっています。彼がジャッジマンの音声は取ったようですし・・・。」

金城はその話を聞くと驚いた顔をしたが、少しすると真顔になってしまった。彼なりに考えることがあるのだろうと思ったのだ。卜部恭介が死んで恨みが晴れるとも思えないがそれでもこの行為が止まらないのはどうしてなのだろうかと思っているのだ。

「加賀美、見逃しとる部分があるんや。そこに書かれている名前は佐藤敏夫といってかなりギャンブル好きの借金まみれの男なんや。その男が闇金から金を借りていて払えんくなったから言うってな。そこを放火したんや。隣にあった飲食店も巻き込まれてしもて大きな火災が起きたんやて。」

佐藤は裁判でも反省する様子もなかったのだ。それでも裁判において刑が軽くなったことが新聞で取り上げられていた。佐藤に対する情状酌量の余地がないとした意見が多かったのだ。それでも二審において情状酌量されたことは過去の裁判においての汚点としてとらえる裁判官も現れたとされる事件なのだ。

「案外最後として狙うのは警察や裁判所やったりしてな。」

「あり得ますよ。犯罪者を野放しにする警察と裁判所に罰という形をとるのかもしれないです。」

ブラックリストにおいて敵を目的のようにしてとらえることの多さはかなりなのだ。此処に載っていることは事実と異なることはないのだ。当時の新聞記事を載せる人もいるほど大きな情報量としている人もいるのだろうからと思ったのだ。闇金の経営者の人間は佐藤敏夫に賠償請求をしたが、違法経営だったこともあって全く相手にされなかったのだ。

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