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落掌  作者: 実嵐
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聞くこと

卜部商事とのかかわりのことも考えると闇との関係が必然と浮かび上がって来た。

「卜部商事の顧問弁護士はされなかったんですか?」

「はい。卜部商事は貿易をやっていたこともあって、海外からの拳銃の輸入にかかわっていたことをやめて聞きました。荻元法律事務所にいたときには聞けなかったことも多かったですから。」

黒岩は荻元に対して快く思っていなかったのだろうと思った。裏の組織とかかわってまで事務所の経営をしていたことが分かったのだ。その上に顧問弁護士になったが、やめる結果になったのだ。

「黒岩さんはハローナイスの経営者とかわかりませんか?」

「知ってますよ。優良企業だった時にかかわっていましたから。今の経営者になって顧問弁護士になるのをやめました。確か・・・内藤丈太郎だったはずです。」

加賀美はハローナイスが変わったのは卜部良助がいるからではないかとかすかに感じてしまったのだ。荻元の元で学んだのは闇での生き方であった可能性が高い。弁護士としての腕も上がった上についたものが大きかったのだろう。ハローナイスの現状としては従業員としていることで顧問弁護士と裏でなっていることも考えられないわけではないのだ。少しだけ考えることが多くなってきている。

「そういえば、聞きたかったことがあるんです。」

「なんですか?」

「ブラックリストと処刑台の犯人に対してどう思いますか?」

加賀美が真剣な顔をして聞くと、黒岩は少し乾いた笑顔を見せてきた。それが何を示しているのかはまだわからない。ブラックリストと処刑台は犯罪を犯した人間が殺される事件なのだ。弁護士としての立場や検事であった立場を覗いてはどう思っているのかを加賀美は聞きたかったのだ。

「そんなことをする犯人は臆病だと思っています。・・・ただ、普通の人は思っていると思います。何故、減刑にされたのかを明確に示していかないとこんな事件が起きてしまうんだと。世間では正義のヒーロー扱いを受けていますが、そのようになれなかったことが影響するとも考えられます。」

「正義のヒーローですか?」

「何年も続いているという現実を見てしまうとそうなります。」

黒岩が言うのはヒーローになれなかった人物が起こした事件だといっているのだ。彼は付け加えるように言ったのは犯罪者を野放しにする結末を考えたこともあるのではないかということだ。新たな事件を起こさないという保証も上がっていないわけであるからだ。

「世間においてのヒーローっていうのになりたいときがあったのかもしれません。」

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