間違えた判断
エレベーターに乗ってたどり着いたのは、豪華に見えるドアが重々しくつけられていた。所長室と書かれていた。彼は少し緊張した面持ちに変わっていった。ドアをノックすると初老に思わしき人物が現れた。
「加賀美さんが来られましたので、お連れしました。」
「そうか。君は変なことは言わなかっただろうな。」
荻元の眼がぎらついているように見えた。彼は慌ててそんなことはないと言い残していなくなってしまった。高級なソファが出迎えられている。
「一応は所長代理としているがね、此処にとっていいことには受け入れて連れてくることは多くても嫌なことがあると突き放すんだよ。・・・とりあえずは此処に連れてきなさいと教えているんだが・・・。」
荻元はわざとらしく困った顔をしていた。新聞記者を敵に回してしまっては大変なことになると思ったのだ。荻元はソファに加賀美を誘導してきた。ドアから女性が現れてお茶を用意していた。価値観が止まった感じにとれてしまった。荻元法律事務所は駆け込みで来た相談者を叱ったことがあるのだ。相談者は二度来ないといって出て行ってしまったのだ。その時のことがあったからか、新聞記者がその記事を載せたときに怒鳴ったということも聞いている。だが、イメージが下がったままなのだ。今の現状としても近いものがあり、やくざや暴力団とのかかわりがあるのではないかという噂がネット上においても上がってしまって収まっていないのだ。
「いやー、こちらに出向いていただいて有難うございます。」
荻元による心のこもっていない言葉を発せられるのは嫌気がさしてきてしまった。
「こちらに卜部良助さんと黒岩隆吾さんがいらしたということなのでその時の話をお聞きしたいと思った次第です。」
「そうですか。話をできる限りですがね。」
荻元はお茶をすすって場の空気を換えようとして必死であるように思えた。黒岩がいたことは話せても卜部良助がいたとなればまた話題に上がるのだ。
「こちらで卜部商事との取引はあったのでしょうか?」
「機密情報なので明かせないのですが・・・。卜部さんが区議会議員をされていた時にはすでに顧問弁護士として請け負っておりました。」
「それは荻元さん自身がですか?」
「えぇ、おじいさんが卜部商事を大きくされたときに私を頼って来られたので、その時に顧問弁護士になるのはどうかと提案をして請け負ったんです。・・・あの事件で卜部商事もつぶれましたからね。本当に残念で仕方ないです。」
荻元は卜部商事との取引があったことすらも汚点としてとらえているのだろう。不愉快そうな顔ばかりを繰り返しているようだ。