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落掌  作者: 実嵐
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汚点と起点

黒岩が提示したスケジュールにはほとんどがら空きの状態であった。何処かで赤裸々にするのがいいと思っているのだと加賀美は思ってしまった。スケジュールを見た後に連絡をした。メールのほうが好ましいといってメールでのやり取りをしているのだ。この日がいいといったら快く答えてくれたのだ。

「加賀美、黒岩とのアポ取れたんか?」

「はい。卜部良助についてわかりますかね?」

「全ては難しくともや、かすかでも手繰り寄せないと生まれないものがあるんやからな。」

金城は漏らすとそのまま、いなくなってしまった。諏訪は机に座っていてじっくりと資料を読みこんでいるようである。黒岩は最も卜部の情報を知りえる人物なのだ。同じ弁護士事務所にいた経歴や顧問弁護士を中心にやっていたことまでも明かしたところを見ると、いた弁護士事務所に対してよく思っていないのは事実であるようにも思えたのだ。

 インターネットで黒岩隆吾について検索をかけてみるとかなり親身に事件や事故に対して動いてくれるようだ。検事であった経歴や検察一家の息子であることも含めるのだろうか。検事もてこずる事件を調べるのを好むであろうか。警察が甘い捜査をしていた時に苦言を言っていた検事であったこともあって、警察は担当になると通らないといわれるほど大きな関門だったのだろう。検察一家であったが故に許された部分であったようにも思えてしまう。インターネットにおいてはどのような事件を取り扱ったのかが詳しく書かれている。

「黒岩隆吾っていう検事だった弁護士っていうけど、警察からは嫌われていそうだな。」

「そうですよ。」

加賀美の隣に座っている中肉中背の女性がつぶやいた。つぶやいたので聞いて、問いかけてみるとある事件を担当になったために追っていると警察が誤認逮捕をして自白の強要を行っていた可能性が高いことが浮かび上がっていたのだ。その時に検事であった黒岩は一から捜査を始めたのだという。そこでの甘い捜査が浮かび上がってしまったのだ。遺伝子検査を要請をしてそれを証拠に不起訴にしていたのだ。不起訴になる確率が高かったことに加えて、自分で調べ出してしまうことが警察は嫌がったのだ。

「警視庁の捜査一課っていう連中は嫌がったそうですよ。ブラックリストとの容疑者らしき人物を見つけて問い詰めてさぁ裁判っていうときに物証が少なかったこともあって不起訴にしたそうです。それから黒岩っていう検事は検察一家の汚点という扱いを受けたんです。」

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