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落掌  作者: 実嵐
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つぶやく声

「しょせん、口でたたく奴はいいネタを得る人は見た限りではおらへんな。まぁ、スクープを取るには張り込みとは必要だって知っているはずなんや。」

金城はそう言って彼女のことは忘れるべきだといった。加賀美もそうするつもりだ。加賀美にとっても彼女に会うことも少なくなってくるのだ。金城は新聞社から近い警視庁についた。警視庁の玄関につくと金城はそのまま、突っ立っていた。彼の行いは警察としての動きを見張っているのと同じなのだろう。事件が起きなきゃとモットーにするのなら立っている人間に気に掛ける必要はない。頼み込んでくる人だけを相手にすればいいこともわかってしまう。警察の前まで来てもおじけづいてやめてしまう人だっているはずだ。廊下に立っていると気づいたのか、警察の制服を着た人がのこのこと現れた。

「金城さんじゃないですか?日楽では何を調べているんです?」

「言えるわけがないじゃないですか。まぁ、ええわ。金城正美を呼んでくれるか?」

「わかりました。」

日楽の情報を気にするのは警察の幹部のものをよく扱っていることもあるのだ。記者クラブにいない人間が担当していることすらも漏らされていないのでできることなのだ。日楽が重きを置いているのは社会部なのでそこの配属になることが最もいいとされている。制服を着た少し知性の感じる女性が現れた。

「姉貴、突然呼んで悪かったな。」

「いいわよ。経理の仕事なんてお父さんのこともあって続けているだけで、仕事も続けないと子供も養えない時代でしょ。・・・そろそろ昼休みだから食事でも行く?」

「そうだな。」

姉弟の中にあるものを生める役割をもっているのではないかと思った。彼女がよく行っている食堂に行くことになった。安いうえに早いとなればもってこいなのだという。定番の定食が並んでいるのだ。定食屋につくと少し騒がしさが増していた。

「いらっしゃい。・・・まさちゃん。」

「今日も日替わりでね。2人の分は聞いてよね。」

「わかったわ。とりあえず、席が空いているから座って。」

ドタバタの中にも何処か落ち着いた様子が見えている。彼女を迎え入れる状態であるのはわかっているのだ。日替わりを頼んでおいた。どれを頼んでもいい気がした。

「それで伯、話があるんじゃないの?」

「姉貴、覚えていないか?親父の葬儀の時に来た住職の名前。」

「確か・・・加賀美とか言ってたわよね。加賀美幸信とか言っていたわよ。」

彼女が言った幸信というのは加賀美の父親が住職として名乗っている名前なのだ。加賀美幸之助は何時からか警視庁管内で起きた殉職の葬儀は受けるようになっていたのだ。

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