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落掌  作者: 実嵐
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手紙

加賀美は羽鳥と話した後に羽鳥に催促を受けるように諏訪に会うよう言われたので加賀美は下の階の社会部へと向かった。冷やかしにいた同僚を面白くないと思ったのか、仕事に戻っている。彼は社会部に行くとにらまれるような感じにあったのだ。一番席の遠いところから顔が見えて笑顔を見せている。回転いすから降りるととことことこちらに向かってきた。

「君が加賀美仁君かい?」

「そうです。文化部に今はいますが・・・。」

「そうか。羽鳥に君の話を聞いて会わせてくれと頼み込んだんだが、地方に行っているとかで、会えなくてね。君は仕事熱心なうえに家庭が普通と違うと話題になっている部分もあるからね。」

諏訪はこわもてな面とは裏腹にやさしさをにじませている。諏訪が言うには羽鳥はなかなか部下を褒めることはなく、同期の諏訪ですら漏らすことは少ないが、たまたま漏らしたのが加賀美だったというのだ。それでも社会部の異動を求めたところで羽鳥は許すはずがないと思ったために強硬手段に出たそうだ。

「資料を渡したくてね。今、記者クラブでは多数の事件を追っているわけだが、その中の1つのブラックリストというサイトで行われている事件を扱っている人が辞めてしまって人員が少なくなったんだ。・・・あと、処刑台というサイトが昔あって類似する部分があるから確かめてほしい。」

諏訪から受け取ったファイルを見ていると便せんと諏訪義之と書かれているのを見つけた。彼はそれを見つけると苦笑いを浮かべた。

「それは当時、処刑台を追っていた時に送られたものなんだ。当時の部長は本当に刑事なのか疑い深くて行けなかったんだ。当時で退職したとかじゃないとマスコミに内容を漏らすこと自体が御法度とされるのにそれを犯してでも出したのには意味があると思っている。だから、君に託したいんだ。」

「わかりました。明日、此処に来る頃には調べておきます。」

そういって社会部を去った。諏訪からもらったファイルは分厚くて読むのに疲れると思ってしまうほどだ。文化部に向かうと羽鳥は1人の部下に指示や訂正を求めていた。加賀美は自分の席に着き、片づけを始めた。段ボールが椅子におかれていたのだ。道具といっても限られているのですぐに終わってしまう。ある程度片づけたら資料を読みこむことにした。手紙は諏訪から託されているのでそれから読むことにした。

『諏訪義之様

 突然このようなお手紙を書くような行為に自分自身に驚いております。

これは私が警察を退職したうえで調べたことを参考にしてほしくて書かせていただきました。

処刑台のサイトは外国のサーバーを使われているために警視庁でもてこずっています。

だからこそ、会ってお話を聞いていただきたいと思っております。

うかがっていただけることを切に願っております。

 須藤哲司』

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